スーパーGT第8戦ツインリンクもてぎでシリーズチャンピオンを決めたウイダーHSV-010、TOMICA Zのドライバーが、チャンピオン獲得の喜びを語った。GT500クラス初戴冠となった小暮卓史は「ウエイトが重くても軽くても速いクルマをチームが用意してくれて、あとは僕たちがそれに応えるだけということで自分の仕事に集中できましたし、すべてがうまく回ったかなと思います」と王座獲得について語っている。

GT500クラス 2010年シリーズチャンピオン
ウイダーHSV-010
小暮卓史
「2005年に童夢チームに拾っていただいて、これまでワークスとしてチャンスを与えてもらったのですが、なかなか結果を出せずにいました。今シーズン、フォーミュラ・ニッポンではチームメイトだったデュバル選手と組むことになって、今まではGTではライバルだったのですが、速さや安定 感という部分ですごくいい刺激になりました。
ウエイトが重くても軽くても速いクルマをチームが用意してくれて、あとは僕たちがそれに応えるだけということで自分の仕事に集中できましたし、すべてがうまく回ったかなと思います。
今日のレースについては、自分の中で心の葛藤がありました。抜けるポテンシャルがあって、状況が整っているのであればチャレンジしたいと思っていました。ただ、2位が1位になるということは僕の中では価値が高いことでした。抑えていけというチームからの無線もありましたし、何度か接触した時には走馬灯のように自分のレース人生が頭をよぎったりもしましたが、自分としてはそんなにプッシュしていたというわけでもありませんでした。
期待してもらっている中でずっとチャンピオンが獲れていなかったので、よくここまで使ってもらえていたと思いますし、こうしてチームに貢献できたことがとてもうれしいです」

ロイック・デュバル
「今は最高の気分とすべてが抜けて空っぽという気分の両方ですね。今年、チームを移って、今シーズンのターゲットはチャンピオンを獲得することでした。チームメイトはよく知っている小暮選手ということで、お互いを良く分かっている関係だったので、みんなの期待に応えられるんじゃないかと思っていました。
今日のレースはタフなレースでしたが、今シーズンのチャンピオンシップを得ることができたということは本当に良かったと思いますし、僕たちにとっては成長できた1年だったと思います。皆さんから見るととてもエキサイティングなラスト20周だったと思いますが、僕からすると本当に心配で、辛かったですね(笑)。関係者じゃなかったら最高のエンディングだと思ったかもしれませんが、小暮選手のパフォーマンスを見て驚いていましたし、何かあったらという不安もありましたが、最終的にはハッピーエンドになりこうしてチャンピオンになれたことはすごく良かったと思います。
僕のスティントではトップをキープできていれば良かったのですが、それができなくてちょっと残念でしたね」

中村卓哉監督
「正直、今はホッとした気分です。今シーズンはニューマシンでの参戦ということと、日本のトップレベルにいるふたりのドライバーを擁して、チャンピオンを獲れなくてどうするという状況でしたので、なんとしてもチャンピオンを獲るという体制でシーズンをスタートしました。
ドライバーはふたりとも期待どおりの働きをしてくれましたし、このふたりがいたからチャンピオンを獲れたという実感はすごくあります。開幕戦の鈴鹿が終わった時はかなり辛かったのですが、今は本当にうれしいですね。レース中は小暮選手には『抑えていけ』と言ったことはなく、『無理をするな』と伝えていました。あのバトルは小暮らしいなあと思って見ていました。
外から見るとリスキーに見えたかもしれませんが、あのくらいの走りは本人にとってはコントロール下のことだったのだろうと思います」

GT300クラス 2010年シリーズチャンピオン
TOMICA Z
星野一樹
「長谷見監督の元で走れるとは思っていなかったので、それが決まった時には気の引き締まる思いでした。走りのすべてを長谷見監督に見られているという緊張感があって、いいレースができたんじゃないかと思います。レースでは大きな失敗はなかったのですが、予選で失敗があった時にはアドバイスをいただき、それが僕を成長させてくれたのだと感じています。
今回はチャンピオンがかかった最終戦で、今までにいろいろあったにも関わらず、『セッション2は一樹で行く』と言っていただいて、その中でいい走りができてセッション3まで進めることができたというところが最後の最後でようやく仕事ができた気がしました。長谷見監督には本当に感謝しています」

柳田真孝
「チームとしてGT300に出るのが久しぶりということで、ふたりが頑張って、ポイントを獲っていって、最終的にチャンピオンを獲ろうということだったのですが、1年を振り返ってみると、最初は我慢して、中盤からクルマが強くなっていって、優勝はできませんでしたが、優勝争いに加われるようになってきて、最後まであきらめずに一丸となって戦ってきて、こうして最後にチャンピオンを獲れたことはとても良かったと思います。
今日のレースは星野選手のスタートから後続を離していく走りがあって、長谷見監督と笑いながら見ているような状況があり、僕としてはこんなに楽にチャンピオ ンを獲ってしまっていいのかなという感じでした」

長谷見昌弘監督
「去年の12月にGT300をやることが急に決まって、最初はとまどいましたね。とりあえず1、2戦は様子を見て、GT300のクルマを知ることから始めることにしました。その中でふたりのドライバーがGT300のZを知っていたことが大きな力になりましたね。その後、クルマを速くする方向に進めていったのですが、それがいい方に進んでいったので、とにかくポイントを稼いでいって、最後にチャンピオン争いに生き残っていこうと。そのとおりにドライバーが走ってくれました。
予選ではたまに失敗もありましたけど、決勝では100%失敗はなかったですね。それが最後のこの結果につながったのだと思います。このふたりのドライバーはGT300の中では最高のふたりだと思います。1年間完璧な仕事をしてくれたふたりにはありがとうと伝えたいですね」

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