全日本選手権スーパーフォーミュラは第7戦の公式予選が行われ、レース1、2とも逆転王座の可能性を残す山本尚貴(TEAM無限)がポールポジションを獲得した。
午前に比べ雲が増え、曇天模様で迎えた全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦の公式予選。今回の最終戦は2レース制ということもあり、ノックアウト予選のQ1がレース1のグリッドになり、Q2〜Q3と、Q1脱落車両のグリッドがレース2に適用される。
タイトル争いの焦点は、WEC第7戦上海に出場しているランキング1〜2位のアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)が欠場していることもあり、ランキング3位の山本尚貴(TEAM無限)が2連勝か、ポールポジション1回と優勝+2位のいずれかの成績を収めることができるかというところ。山本にとってはQ1〜Q3のすべてが非常に重要な予選となる。
Q1:
迎えたQ1。気温17度、路面温度20度というコンディションの下、各ドライバー念入りにタイヤをウォームアップさせながら一度アタック。この時点で山本だけが1分38秒台に入れ、まずはタイミングモニターの最上位に自らの名を記す。
20分間の予選Q1の中で、各車一度ピットに戻り、残り5〜6分というところでほぼ全車が一斉にコースイン。続々とセクターベストが更新されていく中、まず素晴らしいタイムをマークしてきたのは、今季後半戦尻上がりに調子を上げている中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)。しかし、それをレコードタイムで上回ってきたのは山本! 37秒台に届こうかという素晴らしいタイムで、課せられたミッションのひとつ、ポールポジションをまずは射止めてみせた。
2番手は大祐で、自己最高位グリッドを獲得。3番手には小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が続き、NAKAJIMA RACINGが2〜3番手を占めた。Q1ノックアウトとなったのは安田裕信(KONDO RACING)、嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset)、中山友貴(HP REAL RACING)、武藤英紀(DOCOMO DANDELION)、リチャード・ブラッドレー(SGC by KCMG)となっている。
Q2:
10分間のインターバルをおきスタートしたQ2。Q2脱落の場合はその時点でレース2のグリッドが決定となる。コースオープンとともに多くのマシンがコースインしていく中、山本はQ1同様少し遅れてピットアウト。念入りにウォームアップを行い、アタックに入っていく。
続々とタイムが更新されていく中、ついにタイムは1分37秒台へ。その壁を越えてきたのは、好調NAKAJIMA RACINGの小暮だ。1分37秒908と、先ほどのQ1で山本が塗り替えたコースレコードをさらに更新してみせた。
山本も一気に1分37秒台に突入するものの、惜しくも小暮のタイムには及ばず。しかし2番手でQ3進出を果たすこととなった。3番手は国本雄資(P.MU/cerumo・INGING)で、大祐は4番手でQ3に進出している。
Q2ノックアウトとなったのは、佐藤琢磨(TEAM無限)、ジェームス・ロシター(PETRONAS TOM'S)、松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)、アンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO)、平川亮(KYGNUS SUNOCO)、塚越広大(HP REAL RACING)というメンバーとなっている。
Q3:
再び10分間のインターバルをおいてスタートしたQ3。いよいよこの7分間でレース2のポールポジションが決することになる。各車少しずつタイミングをずらしながらコースインし、2周のウォームアップを行った後、アタックに入っていった。
中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)、オリベイラ、小暮、伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)といったメンバーが続々とフィニッシュラインを通過した瞬間、なんとコース上に赤旗が提示された。アタック中だった国本がデグナー立ち上がりでスピン。クラッシュしてしまったのだ。
残り時間は56秒となっていたが、レギュレーションにより時計は戻され、残り3分で予選再開。しかし、ウォームアップに1周しか費やせない状況かつ、一度熱が入り、ピークが過ぎかけたタイヤと不利な要素ばかり。まだタイムを出していなかった山本、大祐、平手にとっては厳しい展開となった。
しかし、再開後コースインした山本は、各セクターで続々とタイムを塗り替えていく。「無心になれて、気持ちよく走れた」という山本が出したタイムは、再びコースレコードを塗り替える1分37秒774! 驚異的なタイムで、なんとこの最終戦でダブルポールを獲得してみせた。
レース2の2番手はオリベイラ、3番手は小暮という結果となっている。