TOCHIGI Le Beausse Motorsports
SUPER FORMULA
http://www.lebeausset-motorsports.com
難しいコンディションで好バトルを展開。
自信と収穫を得て、今後への期待材料に!
全日本選手権スーパーフォーミュラ第2戦 オートポリス(4.674km)
『とちぎル・ボーセモータースポーツ』が挑む国内最高峰カテゴリー、全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第2戦は、オートポリス(大分県)を舞台に、6月1日(土)~2日(日)に開催された。アップダウンに富んだ、高速テクニカルレイアウトが最大の特徴。ホームストレートと下りのジェットコースターストレートを除けば、絶えずハンドルを切っていなければならないことが、阿蘇の大自然に囲まれた牧歌的な印象と合わせ、まるでヨーロッパのサーキットのような、この九州唯一の国際サーキットが舞台となる。
予選
6月2日(日)
天候/雨
コース状況/ ウエット
すでに梅雨入りしていることもあり、危ぶまれていた天気は予報どおり悪化。土曜日の早朝から降り出した雨は、路面を瞬く間に黒く染めてしまう。9時30分からスタートのフリー走行には、もちろんウェットタイヤを装着。コースオープンと同時に走行を開始し、1周のチェックの後、ピットイン。その後、5周連続しての周回を二度繰り返し、その段階でのベストタイムは1分42秒328。さらにピットでセットアップを進める間に赤旗中断。走行時間の延長はなかったため、残された時間は約5分となるも、その貴重な2周の走行機会に、41秒559にまでタイムアップを果たし、予選に向けて上々の手応えを得ることになった。
続いて行われた予選のQ1には、1分経過したところでコースイン。しっかり間合いを計って、前後ともにクリアラップをとる。しかし、雨はフリー走行の頃より明らかに勢いを増しており、開始から間もなくコースアウトした車両があったことから赤旗が出されてしまう。再開後にもまた、すぐ赤旗が出され、1周も計測ラインを通過できず一抹の不安を残すも、雨足はさらに強まっていたことから、土曜の予選は中止になる。本来フリー走行とスタート練習が行われるはずだった、日曜日の9時30分からの35分間1回で、予選は
改めて行われることになる。
仕切り直された予選は、依然として小雨が降り続いていたため、ウェットタイヤを装着。ここでも嵯峨はコースオープンと同時にピットを離れていく。2周目に入れた40秒台を3周連続でマークした後、クリアラップも完璧にとれたこともあり、今度は39秒台を連発する。いったんピットに戻っている間に赤旗が出されるが、路面状態がより向上したこともあり、再開後に間もなく38秒346をマークした後も、2周連続で38秒台を記録。しっかりクリアラップをとるため、2周に渡ってクールダウンする好判断が奏功し、続くアタックにおいて38秒209までタイムを縮めることに成功。最後のアタックはセクター1、セクター2で自己ベストを記録し更なるタイムアップを狙ったが、セクター3で痛恨のコースアウト。前のタイムがベストとなるも、自己ベストとなる12番グリッドを確保した。
決勝
6月2日(日)
天候/曇り
コース状況/ウエット・ドライ
スタート進行が始まる14時には雨もほとんど上がって、ウォームアップにはスリックタイヤを装着。2セットを皮むきして、決勝レースに向けて万全の構えとするも、気温は15度、路面温度は16度と極めて低く、十分発熱しないことが明らかに。ピットでウェットタイヤに交換してマシンをグリッドに送り出す。全車グリッドに並んだ段階では、まだ半数以上がスリックタイヤを装着していたが、結局1台を除き、ウェットタイヤに変更しスタート。
スタートダッシュは決して悪くはなかったものの、ポジショニングで、行く手を阻まれてしまったことから、オープニングラップを終えた段階での順位は15番手。唯一スリックタイヤを履くドライバーをすぐに抜き返して、2周目にはひとつ順位を上げる。そして、路面の乾きが予想以上に早く、タイヤ交換のタイミングだと判断されたのが7周目。
しかし、そのピットストップでアクシデントが発生。交換した右フロントフロントタイヤの置き位置がずれてしまったため、ピットを離れていく際に右リヤタイヤが接触。そのこともあって17番手にまで後退するが、11周目の第1ヘアピンでマルチクラッシュが発生したこともあり、12番手にまで順位を上げることとなる。しかも、その後は前に2台、後ろに1台を置いたバトルを繰り広げる。
路面状態の回復とともにラップタイムも上げ続け、終盤の逆転に期待がかかったのとは裏腹に、ピットでのアクシデントが作業安全義務違反と判定されて、27周目にドライブスルーペナルティの指示。次の周にドライブスルーに戻り、順位は13位。落ち込むことなく気持ちをしっかり切り替え、35秒台でコンスタントに周回し続ける。
スリッピーな路面に足をすくわれコースアウトするマシンが出るなかで、毎周ベストタイムを更新する走りでゴールを目指すも、いつの間にか発生した霧は徐々に濃くなっていき、やがて視界を遮るようになったことから51周目に赤旗が出される。あと3周を残していたものの、回復が見込めないことから、50周終了時の11位でレース成立が決定。ドライバーにとっては自信にもつながる、また収穫の多いレースとなった。
チーム監督 坪松唯夫
ここオートポリスでは、昨年一昨年と走行距離が稼げず、必要なデータが乏しかったが、雨の中始まった練習走行から、エンジニアが考えるクルマの動きとドライバーの操作がリンクしているように思えた。予選の結果はチームのベストリザルトを残せたがタイム的に0,4秒のロスをしており、6位相当のタイムが出ていただけに悔しさが残った。決勝はピット作業で、クルマと交換したタイヤが接触したことでペナルティーを受け、ドライバーに負担を掛けてしまったが、悪天候の中よく最後まで走りきってくれた。
Driver 嵯峨宏紀
非常にコンディションが難しい状況で、まさにドライバーズレースとなっていました。ただ、路面状況の変化にタイヤ交換のタイミングも含め、いかに対応するかドライバーの腕が問われるレースの中で、トラフィックに引っかかり、自分のペースで走れない周回が続いてしまったのが残念です。スタートも動き出しは悪くなかったのですが、ポジショニングが悪く、真ん中で行き場をなくしてしまったのが悔やまれます。ペナルティーもあり結果は残りませんでしたが、単独で走るようになってからのペースは悪くなく、予選での順位とも合わせ、今までの自分の中ではベストレースになりました。
