2014年から、全日本選手権スーパーフォーミュラに供給されるダラーラ製の新シャシー、『SF14』。2013年7月には実走テストが始まると言われているが、実際のスタイルはどうなるのだろうか。
2013年に向けて、フォーミュラ・ニッポンからスーパーフォーミュラに名称が変わる国内トップフォーミュラ。ワンメイクのシャシーについては、13年までは現行のFN09が『SF13』と名称を変え使用され、2014年からはダラーラのワンメイクシャシー『SF14』となることが決まっている。
そんな新シャシーSF14について、ダラーラでSFプロジェクトのマネージャーを務めるエンジニアのウォルター・ビアサティが、ダラーラが発行する『ダラーラマガジン』の中でインタビューに応え、SF14の概要について語っている。
ビアサティはインタビューの中で、日本というマーケットについて「この20年間、全日本F3にシャシーを供給しており、素晴らしい成功を収めてきた場所だ」と語る。
「また、ダラーラはここ数年、GP2やワールドシリーズ・バイ・ルノー(WSbR)、インディカーなど高いレベルの選手権でその存在を示してきた。もちろんこの名声により世界的に存在感を示すことができただろう。ただ、数年前に現行のFニッポンシャシーを導入する際は、商業的な問題と宣伝上の問題でダラーラの供給は実現しなかったんだ」とビアサティ。
ビアサティは、2014年に向けたシャシー供給計画についても明らかにし、最初の契約では20台以上の生産を行うこと、そのうち2台はホンダ、トヨタのテストカーとして供給され、残りの18台が2013年中旬にはチームに引き渡されるだろうと語る。
また、「このSF14はWSbR、またはGP2のダラーラと似ている部分があるのか? または明確に異なる部分があるのか?」という質問に対し、「車両のレイアウトについては、WSbR、GP2と類似している。ただ、これらの車両とは明確に異なる性格を持っている。残念なことに現在その姿をみせることはできないが、3輪でないことだけは確かだよ!」とビアサティ。
このSF14プロジェクトについてビアサティは、「開発に向け、たくさんの興味深い分野がある」と言う。
「第一に、ホンダとトヨタというふたつの異なるエンジンを搭載しなければいけないことだ。第二に、KERSシステムと似た(システムE)電気システムの取り付けを考えなければならない。電気系統のコンポーネントの数は、WSbR、GP2より非常に多い。最後に、これはおろそかにできないことだが、重量を増やさず、コストの問題もしっかり見積もらなければならないんだ。この冬は本当に忙しく過ごすことになりそうだよ!」
そしてSF14について、最も興味深いチャレンジだとビアサティが語るのは、オーバーテイクの増進だ。
「非常に軽量に作り、かつランニングコストも下げることが重要だ。ただ、最も興味深いチャレンジはオーガナイザーから要求された、オーバーテイクを増やすことだ。それもF1のようなDRSを使うのではなくてね。接近戦になっても車両の能力が失われることなく、直線で競り合えるにするんだ。これを達成するために、空力の研究を進めているよ」
このビアサティへのインタビューは、12月27日に発売される、オートスポーツNo.1347に掲載されている白井裕JRP社長へのインタビューと内容が合致する。7月に走り出すSF14の姿を今から楽しみにしたいところだ。