2月5日、スーパーGTを運営するGTアソシエイションは、2011年から日本自動車レース工業会(JMIA)と、「技術面をはじめとする各分野での協力関係を一段と強化することを決定した」と発表した。GTAとJMIAの技術面での協力体制強化は今後のスーパーGTにどのような効果が考えられるのか? また、DTMとのコラボにどんな展開があるのか? JMIAの顧問を務める、鮒子田寛氏に聞いた。
(この連載は、週刊オートスポーツ3/24号No.1292に掲載したものです)

(1)GTAとJMIAの協力 具体的な内容
──DTMとスーパーGTが今、テクニカル・レギュレーションの統一に向けて話を進めていますが、この度、JMIA(日本自動車レース工業会)がGTAのサポートをすることになりました。今後、どのような形で協力していくのですか?
鮒子田:まず最初に、GTAとJMIAとの協力関係がスタートするということは、日本のレース界にとって非常に喜ばしい出来事であると思っています。JMIAとGTAは、技術面での助言を中心とした協力関係を構築するわけですけれど、これまでの日本のレース事情を考えた場合、ひとつの大きな転機になるのではないかと期待しています。GTAの技術部会には、メーカーから人材が派遣されているようですが、メーカーの立場からの発言が中心になるようですから、より技術的観点および中立的な立場からの意見が述べられるのではないかなと思っています。

──具体的にはどういう仕事内容になるのですか?
鮒子田:JMIAには、日本のレースシーンにおいて、特に技術的な面で深く関わってきた人たち、企業やレーシングカー・コンストラクターなどが在籍しているわけですが、今までの日本の自動車レースの世界では、そういう技術的な側面からの思考回路は軽視されてきた傾向があります。今回のGTAとの協力関係の中で、JMIAの基本理念である、「レース界に技術力と生産性による経済効果を喚起し、それにより日本の自動車レースの発展振興を促す」ことを実践し、効果を具体的に示せれば、それが改革の第一歩になるものと信じています。

──その大きな話し合いのひとつが、DTMのテクニカル・レギュレーション統一の話ですよね。
鮒子田:今、DTMとスーパーGTの車両規則の統一という話が話題になっていますが、今までJMIAはこの議論にまったく参画していなかったので、実状を把握しているわけではありません。我々は、噂レベルでどこにモノコックの生産を打診しているかとか、某社が関与しているとか、あくまで断片的な情報としてはいろいろ聞いていますけど、推測の部分もかなりありますから、これから詳細に調べていかなくてはならない課題です。

──レギュレーション統一が是か非かという部分では、どのような立場ですか?
鮒子田:ちょっと抽象的になりますけど、自動車レースそのものは車両規則であったり実際の運営規則で成り立っているわけですし、その範囲の中で、いろいろな車種のクルマが混走するレースは成立可能だと思っています。だから、DTMとスーパーGTが同じレースをすることに関して、可能か不可能かという観点では可能だと思いますが、賛成とか反対とかの観点から言えば、そもそも、DTMとスーパーGTが競争する意義や意味をもっと明確にしておく必要があるでしょうね。

(2)へ続く>>

鮒子田寛 – Wikipedia

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