GTアソシエイションの坂東正明代表は、2012年のGT300クラスの方向性について、19日にGTエントラント協会とミーティングを持ったことを明らかにし、来季に向けた方向性について語った。
2012年に向けては、国産メーカー車両を中心としたJAF-GT車両と、ヨーロッパを中心に世界的な流行をみせているFIA GT3車両を両立させたGT300クラスを築いていくことをこれまでも明らかにしている。しかし、FIA GT3車両とJAF-GT車両は、性能調整の段階でスピードが異なり、現在のスーパーGTでも、FIA GT3車両の性能を抑えJAF-GTに合わせている状況だ。
これについて坂東代表は、FIA GT3車両よりの新たな性能調整を導入しなければならない必要性を認め、FIA GT3車両にスピードを合わせた場合、JAF-GTのコスト増加につながる可能性があるため、JAF-GT車両使用チームに対して、GTアソシエイションが管理してパーツをリーズナブルに提供できる環境作り、また統一のシャシーに、各メーカーの車両の形状をしたカウルをかぶせる形の“マザーシャシー”構想の存在を明らかにした。
ただ、このマザーシャシー構想については、国内メーカーから車両の形状や名称を使用する“権利”が必要なため、今後メーカーとの間で行われる取締役会で、この件について話を進めていくとしている。
また、現在スーパーGT300クラスで戦っていて、今後も継続参戦を希望するマシンについては、2012年からの車両導入後も参加できるようにするため、WTCC世界ツーリングカー選手権などでプライベーター向けに設けられているような、“インディペンデントクラス”の設立の可能性についても言及。今後、GT300クラスの中でも参戦するチームのスタンスによって、プロフェッショナルなクラス、インディペンデントクラスという分類ができるのかもしれない。
さらに、この変革によって「憶測ですが、GT300は速くなるか、ストレートスピードが伸びると思う」と坂東代表。GT500との2クラス混走というレースがスーパーGTの根本であるため、坂東代表としては今後車両重量などの部分でGT500クラスの性能についても考えていく必要があると語った。