スーパーGT第5戦スポーツランドSUGOは25日、81周の決勝レースが行われ、最終周のチェッカー間際にKEIHIN HSV-010がウイダーHSV-010を逆転、劇的な初優勝を飾った。GT300クラスはアップル・K-one・紫電が優勝を飾っている。
心配された雨は無いものの、曇天の下スタートしたスーパーGT第5戦SUGO。迎えたスタートからポールシッターのMOTUL AUTECH GT-Rが飛び出し、RAYBRIG HSV-010、MJ KRAFT SC430と続いていく。ポールのMOTUL GT-Rは1周目からハイペースで飛ばしていくが、2番手のRAYBRIG HSV-010以下は混戦模様。3番手MJ SC430には、2周目にポジションを上げてきたARTA HSV-010が一気に接近。3周目の1コーナーでインを差すが、2台は接触! 両車スピンを喫した。
ARTA HSV-010、MJ KRAFT SC430の2台はいったん最後尾に落ちるが、自力のある2台は追い上げを開始。しかしARTAは10周目の馬の背でPETRONAS TOM'S SC430と接触。さらに翌周には、2番手を走っていたRAYBRIG HSV-010がS字でスピン。MJ SC430は16周目にトラブルでストップするなど、GT500クラスは序盤から混乱の展開となる。
これで序盤はウイダーHSV-010が2番手に、カルソニックIMPUL GT-Rが3番手に続く展開となるが、その中でまず最初にピットに向かったのはウイダーHSV-010。これでENEOS SC430が3番手となるが、その背後には度重なるアクシデントにもめげず追い上げをみせてきたARTA HSV-010だ。
各車ルーティンストップを済ませる頃、サーキットにはわずかに雨が落ちる。やや路面が滑りやすくなったか、CINE CITTA'タイサンポルシェや#87 JLOCランボルギーニRG-3がコースオフ。さらに、猛追をみせていたARTA HSV-010もボンネットが浮いてしまうトラブルに見舞われ、ピットでの作業を余儀なくされてしまう。
トップのMOTUL AUTECH GT-Rは51周目にピットに入り、ブノワ・トレルイエから本山哲に交代。その後も全く危なげない走りを展開していく。一方、各車ルーティンを終えた後2番手となったのはウイダーHSV-010。さらに、やや滑りやすい路面で猛追をみせてきたのがKEIHIN HSV-010だ。ドライブする塚越広大は55周目にENEOS SC430をパス、さらに終盤に向け2番手のウイダーHSV-010との間隔を詰めていった。
首位MOTULは残り10周を切って、チェッカーまで安泰かと思われた75周目。なんと最終コーナーの登り坂でMOTUL AUTECH GT-Rがストップ! 駆動がかからず、坂を登れない状態になってしまう。これでウイダーHSV-010小暮卓史対KEIHIN HSV-010塚越のバトルが一気に首位争いへ! 緊迫の終盤戦となった。
チェッカーまで残り5周と言うところで完全にテール・トゥ・ノーズとなった小暮と塚越の2台は、途中GT300と接近した際にギリギリのバトルとなるが、ここは小暮がしのぎ切り、勝負はファイナルラップでのバトルとなる。
最終周、SPコーナーあたりまでは小暮が1車身ほどリードしていたが、最終コーナーには1台GT300クラスのマシンが。小暮はイン側のラインに、塚越はアウト側のラインをとり、2台は並走してチェッカーへ! 登り坂の頂点ではほぼ並走、そしてコントロールラインではハナ差でKEIHIN HSV-010が前! 残り10mほどでの大逆転劇に、サーキットは興奮のるつぼとなった。
優勝はKEIHIN HSV-010で、2位はウイダーHSV-010となり、HSV-010勢がワンツー。3位は重いウエイトの中ながら上位につけ続けたENEOS SC430となった。失速したMOTUL AUTECH GT-Rはその後復帰し6位でチェッカー。ピットスタートに間に合ったZENT CERUMO SC430は9位でチェッカーを受けている。
GT300クラスは、ポールポジションからスタートしたアップル・K-one・紫電が独走優勝。今季初優勝を飾った。2番手争いは序盤からエヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ、M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7、JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430、HASEMI SPORT TOMICA Zなどの間で激しいバトルが展開。マシン大改良を施したR&D SPORT LEGACY B4もそれに加わり、レースを盛り上げた。
そんな中、バトルを勝ち抜いたのは、エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラとのマッチレースを制したHASEMI SPORT TOMICA Z。3位にエヴァカローラが入り、エヴァンゲリオンレーシング初の表彰台獲得となった。