スーパーフォーミュラ第6戦が、10月17日〜18日にスポーツランドSUGOで開催される。今シーズンも残すところあと2戦となっており、チャンピオンシップ争いも佳境を迎えている。

 現在のランキングでは、第2戦から首位を守り続けている石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が41ポイント、前戦もてぎを制した一貴が34ポイントで2位、そしてジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)が29ポイントで3位となっている。4位のアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)は20ポイントとやや離れる形となっており、上位3人がチャンピオン争いの中心と言える。今週末は、石浦のポジションに対して一貴とオリベイラがどこにつけてくるかが大きな焦点となる。

 見どころは決勝だけではない。コース幅が狭くオーバーテイクが難しいSUGOにおける予選の重要性は各ドライバーともに口をそろえるところ。また、ポールシッターに与えられる1ポイントも、この状況では戴冠へ向けた大きなファクターとなってくるため、チャンピオン争いを見据える上でもよりいっそう重要な予選となる。3.704kmと全長も短く、予選もトラフィックにより思わぬ展開となる可能性もあるが、そんな中でポールポジションを獲得するのは、一体どのドライバーとなるだろうか。

 そんな中、ランキング首位の石浦は今回も速さを見せる可能性が高い。第5戦のオートポリスから、今回のSUGO、そして最終戦の鈴鹿と、中高速サーキットが続いているが、石浦はそのオートポリスで、予選で後続をコンマ4秒弱も引き離してポールポジションを獲得。決勝ではスタートで先行を許し、最終的には2位となったものの、最後まで首位争いを展開していた。搬入日のSUGOに姿を見せた石浦は「いつも通り優勝を狙っていきたいですね」とリラックスした様子。「チャレンジングで好きなサーキットでもあるので、楽しんで戦えるのではないかと思っています」と話した。

 また一貴も、前戦では予選3番手からスタートで首位を奪って優勝を果たしており、SUGOに向けたポテンシャルは高いと言える。一方のオリベイラはオートポリス戦で、予選11番手とQ3進出はならず。決勝では得意のスタートでポジションアップし5位フィニッシュを果たしているが、レース後には「もっと良いセットアップを見つけなければならない」と話しており、まずは予選前のフリー走行でのタイムに注目したい。

 一貴やオリベイラとしては、今回のレースを終えた段階で石浦とのポイント差が10ポイント以内であれば、最終戦での自力戴冠が可能だ。2レース制の最終戦では、両レースともにポール・トゥ・ウインを果たした場合、ボーナスポイントも含めると最大18ポイントを獲得することができる。逆に2位&2位となった場合の得点は8ポイントとなり、18ポイントを獲れば10ポイント差までは自力で詰めることができるためだ。

 一方、今回のレースで石浦がポール・トゥ・ウインを果たし、一貴がノーポイント、オリベイラも獲得ポイントが5ポイント以下となると、石浦とランキング2位の差はちょうど18ポイントとなる。ただこの場合でも、最終戦でランキング2位のドライバーが鈴鹿で18ポイントを獲得し、石浦がノーポイントに終わった場合は逆転戴冠が可能(※同点の場合は「高得点を得た回数の多い順」でシリーズ順位が決まるため)。そのため、SUGOでの王座決定はない。

 上位3人の動向にも注目だが、このSUGOと相性がいいと言えるのが、KYGNUS SUNOCO Team LeMans陣営だ。昨年まで在籍していたロイック・デュバルが13年の優勝を含めて過去3年連続で表彰台を獲得している。また、オートポリス戦では小林可夢偉が3位、平川亮も4位と2台ともに上位フィニッシュを果たしており、コース特性の似ているSUGOでも速さを発揮することが予想される。可夢偉にとってSUGOのレースは12年ぶりとなるものの、FIA-F4の講師として走行は経験済み。また平川も前戦終了後に「3年目にしてようやく“レース”ができた」と話していたほか、今回の搬入日にも「流れはチームに来ていると思う」とコメント。チームルマン陣営が台風の目となってくる可能性もある。

 もちろんホンダ陣営もここで狙ってくることは間違いない。昨年は山本尚貴(TEAM無限)がポールポジションを獲得し、ルーキーだった野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がホンダにシーズン唯一の勝利をもたらした舞台でもある。今季は開幕戦から悪い流れの続いてしまっている山本も「今回が正念場だと思っていますし、やっぱり勝ちたいです」と意気込みは十分。ホンダ陣営としてはここで1勝を挙げ、最終戦に向けて弾みをつけたいところだ。

 SUGOはセーフティカーが導入される可能性も高く、荒れた展開となることも多い。幸い週末の天気予報では終始ドライコンディションが続きそうな状況だが、ランキング首位を堅持する石浦がここでもポイントを重ねて初戴冠に“王手”をかけるのか、それとも、追うチャンピオン経験者たちが意地を見せて最終戦に向けて位置関係を塗り替えることになるのか、目が離せない一戦となることは間違いない。

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