DENSO KOBELCO RC F
第2戦富士、3位を争うも悔しい6位フィニッシュ
スーパーGT第2戦富士レポート
2014 SUPER GT 第2戦「FUJI GT 500km RACE」(5/3-4)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数:予選32,200名、決勝57,200名 合計89,400名
5月4日(日)約9万名もの大観衆が来場したゴールデンウィーク開催恒例のSUPER GT第2戦「FUJI GT 500km RACE」の決勝が行われ、不撓不屈の精神で7番グリッドから勝利を目指したDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタート担当の石浦、第2スティントを担当のオリバーおよびメカニックの素早いピットワークによって、オリバーがスティント終盤に6位ながら3位争いの集団に加わり、石浦が最後の第3スティントを担当した80周目には4位に浮上して3位をいく6号車と3位表彰台争いに持ち込んだ。しかし、終盤に思うようにペースが上がらず我慢の走行を強いられ、苦闘の末に悔しい6位フィニッシュとなった。
第2戦富士は艱難辛苦の戦いで苦闘を強いられたが貴重なポイントを獲得したDENSO KOBELCO SARD RC F。ドライバーポイントでは5点を獲得(合計13点)、チームポイントでは8点を獲得(計19点)し、いずれもランキング5位となった。SUGO GTA公式テストを5月11日(土)・12日(日)をこなした後の次の第3戦は、5月31日(土)・6月1日(日)に九州・阿蘇のオートポリスにて開催される。
公式練習走行
開幕戦4位フィニッシュとまずまずのシーズン出だしとなったDENSO KOBELCO SARD RC F。逆境からの追い上げを見せ、その勇往邁進の戦い振りが今季に期待が大きく膨らむ内容となった。ゴールデンウィーク恒例の開催となる第2戦は、世界遺産の霊峰富士の麓にある富士スピードウェイが舞台。ここで大量得点を稼いで一気にシリーズ争いに弾みをつけたいところ。公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は約3時間に及ぶ長丁場の500kmで争われる。ドライバー交代を伴うピットストップは2回が義務付け。ウェイトハンディは現獲得ポイントの倍の数値となる16kgを搭載する。
3月下旬に行われた富士GTA公式テストではトップが1分29秒台に突入。最高速も300km/hオーバーを記録し、DENSO KOBELCO SARD RC Fも僅差で5番手タイムをマークするなど各車ラップタイムが拮抗。激しい超高速スプリントバトルが予想されている。いつもよりも距離が長く、新型車では未知の領域の戦いとなり、運も含めて戦略や判断などチームの総合力によって大きく勝敗が左右される第2戦富士。拮抗した争いの中からシーズンをリードしていくためにも重要な一戦となり、チーム一丸となって不撓不屈の精神で勝利を目指していった。
3日(土)午前中の公式練習走行は、気温21度/路面温度36度の五月晴れ。9時から混走セッションが始まり、開始10分過ぎから石浦が持ち込みセットの確認でコースイン。まずは1分31秒892の4番手タイムをマーク。3月下旬の富士メーカー合同テストの際とは異なったフィーリングとなったことからクルマのセット調整を10周ほど行った。17周目から次のタイヤをチェック。1分31秒018とタイムを更新してオリバーと23周目に交代。そのオリバーも石浦同様のステアリングフィールを訴えた。その後の10分間のGT500単独セッションでは、初夏を感じさせる陽気となる中で、オリバーがQ1アタックシミュレーションを行い、3周目にコースレコートとなる1分30秒655の7番手タイムをマークしてQ1へ挑むこととなった。
公式予選
■Q1:僅差の争いの中でオリバーがQ1突破
3日(土)公式予選Q1は、気温23度/路面温度36度の陽気の中で14時15分に始まった。インターバルの調整でクルマはまずまずの方向へ進み、オリバーも気合い十分にステアリングを握ってコースイン。残り8分ほどで一斉にコースになだれ込んだ中、ウォームペースの遅いクルマをパスして前走車と良い間隔を保ってアタックに入ったオリバー。3周目には1分30秒703で、その時点でまずは安全圏内のタイムをマークした。続いて4周目は、セクター1全体ベストをマークし、好ペースでタイムを削っていき、1分30秒261の4番手タイムに。さらに次の周もアタックを敢行したオリバーであったがタイムは更新ならず。結果、トップ10がコースレコードをマークする僅差の争いの中で、ギリギリとなったが8位でQ2進出を果たし、辛くも石浦へバトンを繋いだ。
■Q2:順位を1つ上げ、7番グリッドを獲得
公式予選Q2は、15時に開始。気温23度/路面温度37度でQ1とほぼ同じコンディション。オリバーからのインフォメーションからまだ速くなる余地はあり、インターバルが短いため大がかりな作業はできないものの、できる限り石浦の望む形にクルマを仕上げており、石浦もそれに応えるべく、ウォームアップから速いペースでアタックに入っていった。3周目にコースレコードとなる1分29秒824と30秒の壁を突き破る3番手タイムをマークし、大きな期待がかかる。続く4周目はタイム更新ならずに順位は7番手に。ライバル勢はタイムアップしていき、石浦もアタックを続けたものの既にタイムアップのピークは過ぎてしまい、タイム更新ならず。500kmの長丁場となる決勝は7番グリッドからの勝利を目指すこととなった。
決勝
■フリー走行
4日(日)決勝日のフリー走行開始時は、気温18度/路面温度23度の爽やかな快晴となり、スタートドライバーを努める石浦がコースイン。上位タイムとなる32秒台の好ペースでラップを重ねた。9周目からはオリバーがステアリングを握り、同様に32秒台の上位タイムペースで走行。続くサファリのフリーとなった時間帯に石浦が1分31秒804の3番手タイムをマーク。公式練習走行とサファリで27周を走行し、決勝への準備を終えた。
■決勝スタート
第1スティント:石浦が厳しい状況ながらも懸命のドライビング
4日(日)14時決勝スタート時点は気温22度/路面温度34度の快晴で初夏を感じさせる陽気に。7番グリッドから表彰台を目指して不撓不屈に臨んだDENSO KOBELCO SARD RC Fは、長丁場ゆえに整然とした印象のオープニングとなった中で、スタートドライバーの石浦が虎視眈々と上位を狙いながらポジションキープの走りとなった。4周目にGT300車両のストレートエンドでクラッシュでせーフティカー(SC)の導入、19周目に46号車の火災により再びSC導入と波乱の展開に。その後、好ペースで走行を続けていた石浦であったがクルマのバランスが徐々に悪化していき厳しい状況に陥ってしまった。懸命なドライビングでカバーしてきたが30周を過ぎた頃よりペースダウン。チームは37周を終えた石浦をピットに呼び戻した。
第2スティント:オリバーが3位争いの集団に追いつく
約49秒ほどの短いピットワークでオリバーを送り出す。この頃は気温22度/路面温度32度と同様のコンディション。素早いピット作業によって1台をかわし、32秒台の好ペースで前をチェイスするオリバーが駆るDENSO KOBELCO SARD RC Fは、56周目に18号車をかわして6位に浮上した。一見ストイックで冷静な印象を受けるオリバーであるが、激しい闘争心を持っており「何台か抜いてくるよ」と気合い十分に乗り込んでいったオリバーは、その言葉通りに激しく攻めて5位をいく6号車に詰め寄っていき、69周目には射程圏内に捉えると同時に何と3位争いの集団に加わる速さを見せた。4つ巴の激しい超接近戦の展開の中、5位に浮上と同時にピットワーク勝負へと打って出たチームは、再び石浦と交代させるべく75周を終えオリバーへピットインを指示した。
第3スティント:石浦が3位表彰台を争うも終盤苦闘の6位に
2回目のピットインも約45秒と素早いピットワークで石浦が戦列に復帰。今回もピット作業によって1台をかわし、32秒台の好ペースで前を追いかける石浦が駆るDENSO KOBELCO SARD RC Fは、80周目に前をいく6号車を再び1秒以内の射程圏内に捉えるとともに4位に浮上し、その3位をいく6号車とのスタート時から続く長いバトルの末の3位表彰台争いに持ち込んだ。クルマがベストコンディションでないにも関わらず、必死にステアリングと格闘しながら闘志むき出しに前を追いかけていった石浦。だが、この頃から思うようにペースが上がらず我慢の走行を強いられてしまう。94周目に24号車にかわされ5位に。なんとかポジションをキープしようにも特にクルマのバランスが影響するセクター3のペースが上がらない。107周目には37号車にもかわされてしまい、終盤苦闘の末に悔しい6位フィニッシュとなった。
第2戦富士は艱難辛苦の戦いで苦闘を強いられたが貴重なポイントを獲得したDENSO KOBELCO SARD RC F。ドライバーポイントでは5点を獲得(合計13点)、チームポイントでは8点を獲得(計19点)し、いずれもランキング5位となった。SUGO GTA公式テストを5月11日(土)・12日(日)をこなした後の次の第3戦は、5月31日(土)・6月1日(日)に九州・阿蘇のオートポリスにて開催される。
石浦宏明
「今回は持ち込みから余りフィーリングが良くなく、予選も決勝も精一杯の走りであれが限界でした。良いレースが見せられずに悔しい気持ちで一杯です。しかし、スティント序盤は頑張ってペースは維持できましたし、ピット作業は2回とも早く、この状況の中キッチリ完走して6位でポイントを獲得できたので、チームの力は感じています。復調すれば上位に行けると手応えを感じてますので、すぐに原因究明をして、この後のSUGOテストに臨みたいと思います。次戦も熱いご声援のほどよろしくお願いいたします」
オリバー・ジャービス
「もう少しで表彰台という展開だっただけに残念な結果。クルマがベストの状態にはなかった感じで、バランスを色々を変えてみましたが、どうしても修正しきれなかったです。パフォーマンス的にはまだやり残した部分があったけど、全体的には6位入賞でポイントも取れたので、次戦のオートポリスに向けて更にチーム一丸となって邁進したいと思います。応援してくれた多くのファンに感謝しています」
大澤尚輔監督
「クルマのパフォーマンス的に詰め切れていない部分があって、両ドライバーともものすごく頑張って足りない部分を補ってくれて、またピットワークの頑張りで6位の5ポイントを獲得することができました。チームメンバーの戦い振りは良かったですが、次回、最高のクルマを準備できるようするという大きな課題が残るレースになりました。少しの時間も惜しいので、早速、このままSUGOテストまで富士のピットに居残ってメンテナンスを行い、SUGOテストおよび次戦オートポリスへ向けて課題を克服して良いレースをできるように努めていきたいと考えています。引き続き、ご声援のほどよろしくお願いいたします」
