スーパーGT第8戦もてぎは3日、53周の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたENEOS SUSTINA SC430がそのまま逃げ切り優勝。2位にはKEIHIN HSV-010、3位にはZENT CERUMO SC430が入り、立川祐路/平手晃平組が今季のチャンピオンを獲得した。
いよいよ今シーズンの最終戦、2009年から投入された現行スーパーGT500クラス車両の最後の公式戦となった第8戦もてぎ。昨年を大きく上回るファンがスタンドを埋める中、13時30分、フォーメーションラップのスタートが切られた。
スタートでは、ポールスタートのENEOS SUSTINA SC430が首位を守り、KEIHIN HSV-010が続くも、1周目に4番手スタートのZENT CERUMO SC430がMOTUL AUTECH GT-Rをかわし3番手へ。王座に向けてKEIHINにプレッシャーをかけていく。
序盤からなかなかペースが上がらないKEIHINは、4周目のS字でZENTの先行を許し、これでZENTがタイトルに接近。KEIHINは8周目あたりから4番手MOTULの接近を許し、その後方はGT300クラスのバトルを交え、大混戦となっていった。
そんな中、GT500クラスでは20周目から23周目にかけて一斉にピットインが行われる。上位陣で最初に動いたのは3番手を走っていたKEIHINで、素早いピットインを終えると、翌周ピットインした2番手ZENTに急接近する。しかし、アウトラップの立川祐路は冷えたタイヤで懸命にKEIHINを抑え、2番手を死守。ピタリと背後につけたKEIHIN塚越広大と熾烈なバトルが展開される。しかしそんな2台には、脇阪寿一からスイッチした石浦宏明が駆るDENSO KOBELCO SC430、中嶋一貴駆るPETRONAS TOM'S SC430が接近。4台のバトルに変化していった。
そんな中、少しずつペースが鈍ったZENTを38周目の1コーナーでKEIHINがパス。これでKEIHINが2番手となり、すぐ背後にはDENSO、PETRONASとSC430勢がダンゴ状態で続く形となった。仮にKEIHINが2位でフィニッシュした場合、ZENTがチャンピオンを獲得するには3位ならOK。しかし、4位に順位を落とした場合KEIHINが逆転チャンピオンを獲得する。かといって、同じSC430同士でも、背後のDENSOにもPETRONASにもチャンピオンへの可能性がある。SC430勢同士の緊迫の終盤戦が展開されていくことになった。
一方、タイトル争いを尻目にトップを走るENEOS SUSTINA SC430は、序盤から大嶋和也が素晴らしいペースでバトルを展開する後続とのギャップを広げ、24周を終え国本雄資にスイッチ。2番手争いに対し20秒以上のギャップをつけ、今季初勝利に向けてチェッカーを目指した。
国本は最後までリードを保ち、トップでチェッカー。ENEOS SUSTINA SC430にとっては昨年のSUGO戦以来の優勝を飾ることに。国本はGT500クラスでの初優勝となった。2位にはKEIHIN HSV-010、3位にはZENT CERUMO SC430が入り、立川、平手がついに今季のGT500クラスチャンピオンを決めることとなった。立川は2005年以来のチャンピオン獲得、平手は初のチャンピオンだ。ランキング2位はKEIHINの金石年弘/塚越広大組、3位はPETRONASの中嶋一貴/ジェームス・ロシター組という結果となった。