スーパーGT第2戦鈴鹿は52周の決勝レースが行われ、終盤発生したアクシデントのためイエローフラッグのままチェッカーとなる波乱の展開となった。そのレースを制したのは、終盤に見事なオーバーテイクで一気にトップに立ったZENT CERUMO SC430。GT300クラスではHANKOOK PORSCHEがハンコックタイヤに初優勝をもたらしている。
爽やかな天候に恵まれ、こけら落としイベントに相応しい絶好のレース日和となったこの日の鈴鹿サーキット。14時に大勢のファンが見守る中スタートが切られ、ポールシッターのMOTUL AUTECH GT-Rがまずは1コーナーを制し、ZENT CERUMO SC430、PETRONAS TOM'S SC430が続いていく。
序盤こそいったん離れたMOTUL AUTECH GT-RとZENT CERUMO SC430だが、ZENTのリチャード・ライアンがMOTULの本山哲を激しくプッシュ。本山は巧みな技でライアンを前に行かせず、2台のバトルで序盤の上位集団は大混戦となる。
しかし、本山とライアンとの差は少しずつ広がりルーティンストップへ。ここでMOTUL AUTECH GT-Rは盤石のリードを保ち本山からブノワ・トレルイエへ。一方、少々早めに作業をこなし、アウトラップで速さをみせたPETRONAS TOM'S SC430が2番手に浮上。さらに井出有治の力走でポジションを上げてきたRAYBRIG NSXが速い作業で3番手へ、4番手にIMPULカルソニックGT-Rという展開となるが、IMPULがすぐにRAYBRIGをかわし3番手へ。5番手にZENTが続く。ZENT SC430の立川はRAYBRIGの細川慎弥を攻め、130Rアウト側から豪快にオーバーテイク! 4番手に上がった。
その後も立川の進撃は続き、43周目のスプーン進入で一瞬のスキをつきIMPUL GT-Rをオーバーテイク。さらに立川はPETRONAS SC430とのギャップを詰め始めるが、ここでトップを快走していたMOTUL GT-Rに異変が発生。リヤタイヤにトラブルを抱えている様子で、残り6周で一気に差が詰まり、PETRONAS SC430、ZENT SC430とトップ3の差が急接近する。
抵抗できないMOTUL GT-Rは一気にPETRONAS SC430に抜かれ、さらに130Rアウト側でZENT SC430を一瞬ダートに落としてしまうが、そこはZENT SC430がこらえ2番手へ。さらに立川の快進撃は続き、翌周のシケインで一気にPETRONAS SC430をパス! トップに浮上した。
しかしその直後、好調なペースで追い上げていたHASEMI TOMICA EBBRO GT-RがRAYBRIG NSXをオーバーテイクした後、2台が接触。HASEMI GT-Rはスピンしイン側のバリアに大クラッシュ! そこへARTA NSX、RECKLESS KUMHO IS350が差しかかり、HASEMI GT-Rを避けようとしてバリアにクラッシュ。多重クラッシュとなり、セーフティカーが導入される。
残りは2周というところでのセーフティカー導入となり、隊列の整列などを経た結果、結局スーパーGTでは異例のセーフティカー下でのチェッカーに。SC導入直前に首位に立ったZENT CERUMO SC430は嬉しい今季初勝利となった。2位はPETRONAS TOM'S SC430、3位はIMPULカルソニックGT-Rという結果となった。
GT300クラスは、序盤からHANKOOK PORSCHEが大きなリードを築く展開に。ダイシン アドバン Ferrariも好ペースで2番手をキープしていたが、ピット作業で遅れ後退。結局盤石のレース運びをみせたHANKOOK PORSCHEが優勝、上位につけ続けたM7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7が2位、エスロードMOLA Zが3位となった。ハンコックタイヤにとってはスーパーGT初勝利。ハンコックのGT参戦以来、開発を担い続けた木下みつひろが表彰台で熱い涙をみせた。
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終盤の大波乱を制し、ZENT SC430が新生鈴鹿最初のウイナーに輝く
