第96回インディアナポリス500マイルレースは27日、200周の決勝レースが行われ、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)が優勝。ファイナルラップ、2番手につけていた佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)はトップを賭けた勝負を展開したが、クラッシュを喫した。
決勝レースの序盤から、予選で速さをみせたシボレー勢を尻目に、レースをリードしたのはフランキッティ、スコット・ディクソンのホンダエンジンを搭載するチップ・ガナッシ勢。一方、後方から1台ずつオーバーテイクをみせ2台に食らいついたのが琢磨だった。
中盤、ガナッシの2台が燃費走行を展開する中で、琢磨は堂々のリードラップを奪い、作戦もズバリ的中。終盤に向け、優勝争いはチップ・ガナッシの2台、そして琢磨に絞られたかに思われた。
しかし、最終盤のフルコースコーションで琢磨はポジションを一旦落とし7番手に後退してしまう。その後、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)がクラッシュ。残り7周でのリスタートが切られることになった。
ここで抜群のスタートを決めた琢磨は、再び3番手に返り咲きトップの2台を追うことに。残り2周、抜群のオーバーテイクでディクソンをかわした琢磨は、ファイナルラップのターン1でタイミングを合わせると、フランキッティのインへ! インディアナポリス・モータースピードウェイは大歓声に包まれた。
ターン1をフランキッティと並走した琢磨だが、わずかに残されたスペースで姿勢を乱しスピン! ウォールにクラッシュしてしまうことに。そのままイエローフラッグでチェッカーが振られ、レースはフランキッティの勝利で幕を閉じることとなった。
2位はディクソン、3位はカナーンがつけることに。琢磨はインディ500、そしてインディカー・シリーズの日本人初優勝を目前にしながら悔しい結果に。しかし、琢磨らしいオーバーテイクと果敢なアタックは日本のみならず、世界を沸かせることとなった。