全日本選手権フォーミュラ・ニッポンを運営する日本レースプロモーション(JRP)は7日、2012年から新たにマシンに電気式のモーターを組み込み、レース中のオーバーテイクやコーナリングの脱出時に使用できるほか、燃料消費量を抑える新システムを導入すると明らかにした。

 すでにF1ではKERSという名称で導入が進められているモータースポーツ界におけるハイブリッドシステム。今回、JRPが導入するシステムは『システム-E(仮称)』と呼ばれるもので、現在の予定としてはモノコックのコクピット部左右に、リチウムイオン電池等を使用したバッテリーと、IGBT型インバーターを搭載。ギヤボックスに装着された最大40kWを発生する永久磁石同期式モーターを駆動しパフォーマンスを引き出すとともに、燃料消費を抑えようというもの。

 フォーミュラ・ニッポンではエンジンこそトヨタ、ホンダが提供しているものの、それ以外の部分は基本的にワンメイクとなっているが、この『システム-E』を導入するにあたっては、自由競争を前提に考えているという。「将来の量産車両開発において、環境・エネルギー技術を導入したHEV・EVの開発競争が激化する中、バッテリーの進化が大きな鍵となることは言うまでもなく、レースに供給し、性能の具体的評価を得ることが、バッテリーメーカーの開発をより促進することに繋がり、社会的貢献に大きく寄与できるのではないか、また、今までレース業界で希薄だったベンチャー企業・アジア新興企業へのビジネスチャンスが拡がる可能性も期待しています」とJRPではシステム導入に対する期待を述べている。

「日本最高峰のフォーミュラのパワートレインに、世界に先駆けた環境・燃料技術を盛り込んでいきたい」と白井裕社長が語るように、新たな機構を盛り込むことでフォーミュラ・ニッポンはモアパワーのエンターテインメントを追求し、かつ環境問題にも配慮したレースを目指していくことになりそうだ。

 なお、この『システム-E』は5月下旬のシェイクダウンを予定しており、2011年のレースシーズン中に何回か実車テストが行われる予定だという。

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