半導体大手のフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは17日、今季スーパーGTでOGT!Racingとして行っていたR&D活動と、14年度の活動についての会見を都内で行い、来季は『インテリジェンス・ガレージ』をテーマに実装実験を行うと発表した。また、試験車両のIWASAKI OGT Racing GT-Rを走らせているaprより、来季はトヨタ・プリウスGTをメインの試験車両とする計画が明かされた。

 フリースケールは、今季第4戦SUGOから、IWASAKI OGT Racing GT-Rに次世代ドライバー・アシスト・システム(ADAS)を搭載して実装実験を実施。スピードや回転数、ステアリング舵角、車両姿勢などの情報や、カメラによる車両周辺情報、ドライバーの生体情報の収集に加え、そうした情報の転送や解析などを時間軸で同期し、総合的に解析することでより有効なデータに加工できることを実証したという。

 会見では、その実証例として、マシン搭載カメラによる映像と、速度や回転数、ドライバーの心拍数などの情報を組み合わせた映像や、4台のカメラ映像を処理し、車両の前後左右の状況を1画面に表示した映像も公開。また、ドライバーを務める岩崎祐貴がマシンに乗り込みステアリングを切ると、舵角などの情報がリアルタイムに処理される様も披露された。

 フリースケールは来季、こうした成果を継続・発展させ、小容量の情報はリアルタイムにクラウドサーバーに転送、大規模な情報はガレージに入った際にサーバーに自動同期する『インテリジェンス・ガレージ』と題した、人・クルマ・ガレージをつなぐ構想をテーマに研究開発を推進。将来的には、一般車に搭載されている様々なセンサーを活かし、走行情報の蓄積・分析によるエコドライブの提案や、異常の検知による故障の防止、ドライバーの健康状態の把握などのサービスへの発展を目指すという。

 インテリジェンス・ガレージというテーマのもと、レースでは、LTE回線を利用し、車両の情報など比較的小さなデータをリアルタイムでクラウドサーバーに転送するとともに、低画質のビデオデータによる大まかな状況把握なども行う。そして、ピットインなどの際には、サイズの大きいデータをWi-Fiなどで同期。GTアソシエイションによるレギュレーションに従い、利用できるデータをレースに利用したり、ホスピタリティなどで映像として公開する予定だという。

 また会見では、IWASAKI OGT Racing GT-Rを今季第4戦から参戦させていたaprの小山伸彦代表取締役会長も壇上に。来季の計画として、「トヨタのプリウスGTに主力の開発を移行する計画です」と、プリウスGTをメインの試験車両として走らせる計画を明らかにした。

 ただ、今季の試験車両となったGT-Rに関しても、「最終的な決定ではありませんが、できることであればGT-Rでのデータ集積も継続し、さらに上乗せする形でプリウスGTを主力にして“物語”を進めていきたい」とした小山会長。インテリジェンス・ガレージの構想についても「いずれはGTAの協力を得て、スーパーGT全体に広げていけたらと考えています」と語った。

 また、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンのディビッド M・ユーゼ代表取締役社長は、来季はGT-RとプリウスGTの両方をスポンサーをしたいとの意向を示しつつ、「2014年のR&Dの計画は決まっており、aprとは間違いなく手を組むことになると思いますが、クルマやドライバーなどの詳細は来年の2月に発表する予定です」とした。

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