Audi Team Racing Tech プレスリリース
2015年5月12日
SUPER GT第2戦、「FUJI GT 500km RACE」に挑戦した「Audi Team Racing Tech」、
悪夢の最後尾ピットスタートから、クリスチャン・マメロウ、細川慎弥が大激走。
場内を沸かす怒濤の追い上げを見せて、見事10位完走を果たし、ポイントをゲット!
今シーズン、新たにSUPER GT 300クラスに参戦を開始した「Audi Team Racing Tech」は、ドイツの名門自動車メーカーのひとつである、Audi社からのサポートを受けて誕生した、新たなレーシングチームです。
Audi社の高い技術をもって完成したマシン、「Audi R8 LMS Ultra」を武器に、日本最高峰のツーリングカーレースであるSUPER GT 選手権GT300クラスに、ゼッケン86番をまとって2015年から参戦を開始しました。注目のドライバーには、Audi社のワークスドライバーのひとりであるクリスチャン・マメロウと、速さと安定感に定評がある細川慎弥(ほそかわ しんや)を起用。デビュー戦となった岡山国際サーキットでの開幕戦では、悪天候の中、いきなり4位完走を果たし、大きな注目を集めました。
そして5月2日(土)〜5月3日(日)に迎えたSUPER GT 第2戦、「FUJI GT 500 Km RACE」では、110周という長丁場に備え、戦略の幅を広げる意味で、ヨーロッパのフォーミュラカー・レースで経験を積んだ黒田吉隆(くろだ よしたか)をサードドライバーとして起用することを発表しました。金曜日にチームと合流した黒田吉隆はAudi R8 LMS Ultraのコックピット・ドリルを受け、ドライバー交代の練習をするなど、自分自身にとっては初となるSUPER GTレースに備えました。
◇5月2日:フリー走行
土曜日朝のフリー走行では、富士スピードウェイが初体験となるクリスチャン・マメロウがまずはステアリングを握りました。前戦での4位入賞のため、16kgものウエイトハンディを課せられたマシンは、全体的にオーバーステア気味であることを確認しましたが、走行開始後7周目にフロント・アンダーパネルが破損。交換と修理をすませて細川慎弥に交代しました。
細川も次第にセットアップを煮詰め、まずは1分39秒294で14番手タイムをマークしました。ふたりのドライバーは異口同音に、オーバーステが強く、マシンの挙動が開幕戦のときとまるで違うことを訴えました。 予選までの短い時間の中で、できることを最大限対応するというエンジニアの言葉を信じて予選を迎えます。
◇5月2日:予選
午後の予選、アタッカーは細川慎弥。セットアップの変更によりマシンは良い方向に改善されていたのですが、細川はコースインしてすぐにマシンの異常を感じました。無線でそれを伝えてもすでに修復しているだけの時間もなく、意を決してアタックラップに入りました。しかし一発のタイムを出そうとして、限界を極めようとした結果、ブレーキをロックさせてしまい、タイヤに大きなフラットスポットを作ってしまいました。トラブルの原因は車を制御するABSとトラクションコントロールが作動していなかったことが後ほど判明しました。
SUPER GT のレギュレーションでは、予選のアタックで使用したタイヤを決勝スタートで装着せねばならないルールがあります。フラットスポットのダメージのあるタイヤでは決勝レース戦う事は出来ません。スタートはピットから全車がスタートをした後にタイヤ交換をしてからの、ピットスタートを選ぶしかありませんでした。
◇決勝:5月3日
ゴールデンウィークの日曜日とあって、決勝当日は早朝から多くのファンが富士スピードウェイに詰めかけ、主催者発表で昨年を上回る9万1500人もの観客動員数が発表されました。天候は快晴、まさにうってつけのレース日和です。
前日の予選の結果、最後尾、ピットスタートという苦渋の選択をするしかなかったAudi Team Racing Techですが、これも新興チームにとっては、ある意味でいい経験とばかりに、スタッフたちの顔色は予想外に明るく、むしろ失うものは何もないと言わんばかりに積極的な戦略ミーティングを繰り返していました。
朝のフリー走行では、マメロウ、細川がトータル16周をこなして、細川慎弥が1分40秒824をマーク。19番手のタイムとなりましたが、むしろチームとしては順位やタイムではなく、サスペンション及び空力のセット変更の確認を行ない、ダウンフォースの適正化を図ることでマシンのバランスが向上した為、満足できる内容でした。
スターティングドライバーは、クリスチャン・マメロウが担当。パトカーと白バイの協力によるパレードラップの後、さらに1周のフォーメイションラップの後に、スタートが切られます。全車が第1コーナーへと向かった後に、ピットレーン・エンドの信号が赤からグリーンへと点灯。スタートと同時にタイヤ交換をしたばかりのAudi Team Racing Techの、孤独でタフな戦いが開始されました。
レースはスタート直後のダンロップコーナーでGT500のマシンが接触、スピンといった波乱を予想させる展開で始まりました。ピットスタートのマメロウは、誰にも邪魔されない利点をフルに生かした走りで周回を重ね、次第に前をいく集団との間隔を縮めていきます。7周目には、早くも23番手まで浮上し、さらにペースアップして上位を目指します。
10周目、第1コーナー手前で、GT300クラスの1台がタイヤ・バーストによってスピンし、オイルを撒き散らしながらコースアウトして炎上。その消火作業のためにセーフティーカーが投入されました。マメロウはすでに21番手にまでポジションアップを果たしていました。
セーフティカーが解除となり、レースが再開されると、再びAudi Team Racing Techの追い上げも再開されました。18周めには18番手まで浮上。マメロウは1分40秒台の速いペースで安定して周回を重ねていきます。33周めに細川慎弥に交代し、給油とタイヤ交換を済ませて、コースに復帰します。スタートの段階では気温25℃、路面温度が39℃と暑くなりそうだった富士スピードウェイですが、上空の雲が日差しを遮り、細川慎弥がコースインする頃には肌寒くなり、路面温度も33℃まで下がっていました。
ステアリングを受け継いだ細川慎弥も快調なペースをキープ。52周めには14番手までポジションをアップし、上位陣が相次ぐバーストや、アクシデントに遭遇するのをチャンスとばかり、ポジションをアップしていきます。
67周目、細川は11番手まで浮上してルーティン・ピット。最後のスティントでの追い上げを期待して、再びマメロウがコースインすることになりました。残念ながら黒田吉隆のSUPER GT デビューはお預けとなりましたが、黒田自身もチーム戦略と状況を理解しているため、マメロウで行くことに異存はありません。
レースはその後、GT300クラスの上位4台の激しいバトルに観衆の注目が集まる中、いぶし銀の走りを見せるマメロウが、マシンに発生しはじめた異常振動をだましだまし走り、残り7周でポイント圏内の10位まで浮上。
見事な追い上げを見せて、コース上でGT300クラスのライバルに1台も抜かれることなく走り続けた86号車は、そのまま10完走で、嬉しい連続ポイント獲得のチェッカーを受けました。
■Audi Team Racing Tech 代表・監督 野本壮見のコメント
「開幕戦での4位入賞も嬉しかったですが、今回のように、ピットスタートから追い上げての10位、1ポイント獲得にも感動しました。本当に価値ある1ポイントを獲得してくれたという喜びは、また格別です。頑張ってくれたふたりのドライバーと、チームのスタッフに最大限の賛辞を贈りたいです。クリスチャン・マメロウにとっては初めての富士ということもあって、ベテランの細川慎弥のアドバイスがかなり有益だったと聞いていますが、決勝では二人ともミスなく、最後までよく頑張ってくれました。予選で苦い思いをさせてしまった細川慎弥にはチームとして申し訳なく思っていますが、気持ちを切り替え、よくリカバーしてくれました。今回は走れなかった黒田吉隆にも、どこかでチャンスが与えられると思っています。Audi Japan/Audi Sportのご協力もあって、新チームとして生まれたばかりの私たちですが、今週末の戦いで、より一層、絆を深められたと思います。モータースポーツは、チームで戦うスポーツなんだということを、改めて学ばせて頂いたレースでした。スポンサーの皆様、ファンの皆様、関係者する皆様、今後もAudi Team Racing Techに対してご理解、ご声援をよろしくお願い申しあげます」
■クリスチャン・マメロウのコメント
「Audi Team Racing Techの一員として、今日のレースを戦えたことを誇りに思います。予選でのトラブルから、最後尾スタート、それもピットスタートという逆境の中、自分自身もベストを尽くしましたし、チームとしてもミスひとつなく頑張りました。その結果の1ポイントであるならば、それはとても大きな価値のある1ポイントだと思います」
■細川慎弥のコメント
「開幕戦に比べて、16kgのウエイトハンディのせいもあるとは思いますが、マシンのバランスがまったく別の状態でした。アウディという完成度の高いマシンですが、逆にサーキットの特性によっては足回りを大幅に見直す必要があるのかも知れません。今回はややオーバーステアが強く、シビアなドライビングを要求されました。予選では予期せぬアクシデントで本当に残念でしたが、レースは予想以上に、上出来だったと思います。この1ポイントが、チーム全体のモチベーションを上げてくれましたね。次のタイ戦では、チーム 一丸となって表彰台を目指します!」
Press Release : Hideaki Machida
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