2013 SUPER GT Rd.2 FUJI GT 500KM RACE

「OGT! BondsRacing GT-R
25番グリッドから驚異の20台抜き! 5位入賞!!」

 本当にSUPER GTでは久しぶり・・・・いや、何年ぶりでしょうか? こんな好天でレースウイークを迎えるのは?
 日本中が待ちに待った黄金週間GW。今年のGWは前半&後半と、休みのピークが2つに別れてしまい、◯◯連休が取りにくくなったといわれるまさにその前半。毎年恒例となったFUJI GT 500KM RACEが静岡県の富士スピードウェイで開幕した。

 数日前までは「寒の戻り」と言われる厳しい寒さが続いた日本列島だが、搬入日となる土曜日は朝から晴天!
 今回は予選~決勝に掛けてもより良い天候になるとの予報で気分も上々・・・前戦を13位と不本意な成績で終えた「OGT! Bonds Racing GT-R」はここで仕切り直しと行きたいもの・・・
 今回からイゴール選手の相棒を、折目選手から井出選手へと変更し、さらなる戦力強化をはかった「Bonds Racing」
 久しぶりのGT参戦となる井出選手は、直前にGTAより課せされた「ルーキーテスト」で初めて乗るGT-R NISMO GT3を操り、4周目には1分40秒フラットを出すなど何の問題もなく見事なタイムでクリア! さすがにF-1まで上り詰めたベテランだけあり、直ぐにクルマのクセもつかみ・・セッティングの方向性を指摘するなど・・・チームが期待した以上の働きで期待も膨らむ。

 今回は決勝が29日の月曜となる為、いつものレースウィークとだと予選日となる土曜日に設営を開始。スタッフは「なんか1日ズレるだけで変な感じ・・・」と言いながら、まずは日曜のフリー走行へ向け準備を始めた。
 全てのセッションをドライで走れそうなレースウィークは久しぶりであり、それだけでもテンションの上がる「OGT! Bonds Racing GT-R」であった。

公式練習
4月28日(日)9:00~10:50
 迎えた日曜日の公式練習。予報通り富士の空は朝から好天。若干風はあるものの・・・まさにレース日和とも言えるこの日まずは朝のフリー走行が開始。
 今回は久々のGTドライブとなる井出選手から走行を開始。ニュータイヤを装着し、決勝レース用のブレーキローターとパッドの焼入れから走行プログラムを開始。
 その後、計測を2~3周してはピッインを繰り返し、パッカーやダンパー、スタビライザー等と言った足回りを中心にセットアップ。LAP数を稼ぎつつ決勝レースを想定したマシンバランスをセットアップするプログラムを消化。

 約1時間ほど走行した所でマシンのバランスチェックでイゴール選手へとドライバー交代。その後イゴールは20分程走行し、再び井出選手で予選へ向けたシュミレーションを行なう為ピットインするが・・・そのタイミングで赤旗。
 中止となったセッションは残り10分間で10:30に再スタート!
 セッション残り8分程となった所で予選シュミレーションの井出選手がコースイン。慎重にタイヤへ熱を入れ、迎えた4Lap目、セクター1、セクター2とベストを記録して走行するが、セクター3で僅かに遅い車へ引掛り7番手。クリアが取れていればTop3も視野に入る速さであり、俄然予選に向け期待が高まる公式練習となった。

公式予選
14:00~
 迎えた公式予選。今回も当然ながらノックアウト方式の予選。
 Q1をイゴール選手で行くか? 井出選手で行くのか? またニュータイヤをどちらの予に投入するのか?
 監督、エンジニア、ドライバーで協議を重ね、ユーズドタイヤでイゴール選手がQ1を突破、Q2はニュータイヤの井出選手がポールを狙いアタックするという作戦を全員一致でチョイス!

 まずは上位13台の枠を目指し、Q1セッション開始5分、イゴール選手が渾身のコースイン。ユーズドとは言え一旦は冷えてしまったタイヤなので・・じっくりと熱を入れ徐々にタイムをUP・・・する筈であったが、何故か各セクターで今ひとつタイムが上がらない。
 刻々と迫るセッションの終了時間。いよいよラストアタックのラップへと入るが、セクター2でここまでのベストを更新出来ず、終わってみればまさかの25位。当然ながらQ2への進出は果たせず井出選手が走る迄もなく25番手確定。

 朝の公式練習のタイムにも達していない状況で原因が気になったが・・・その後車両がピットへと戻ると・・・・タイムが出ない原因が判明。
 残念ながらイゴール選手はマシンが持つ100%の力を出しきれない状況下でのアタックとなった様で厳しい予選結果となってしまった。

フリー走行
4月29日(月)8:30~9:00
 前日から引き続き決勝の富士は快晴!もはや・・・・汗ばむほどの陽気で熱いレースが期待される決勝日朝のフリー走行。
 前日の予選をトラブルで残念な結果としてしまった「OGT! BondsRacing GTR」は決勝用のセットアップへと変更され、まずは井出選手からコースイン。
 フリー走行からの好調を確認するかのごとく・・・早々に38秒台へと入れ速さをアピール! いくつかのセットアップを確認しサーキットサファリでイゴールへとドライバー交代。イゴールも安定したタイムで走行し、決勝へ向け万全の準備を整えた「OGT! BondsRacing GT-R」であった。

決勝レース(110Laps)
14:00 スタート
 迎えた決勝レース。朝のフリー走行から引き続き、富士の空は気持ち良いほど晴れ渡り、まさにレース日和。
 朝のフリー走行でGT300クラスの総合TOPタイムを記録して、勢いにのる「OGT! BondsRacing GT-R」
 果たして予選25番手から何台抜きを見せてくれるのか?
 今回の決勝レースは500km、2回のピットストップが義務付けられているので3スティントでレースを組み立てるのが基本。チームは井出→イゴール→井出というローテーションでレースを戦う事と決め今回は井出選手がスタートドライバーを務める。
 井出選手にとっては久しぶりのGTレースとなるが・・・・さすがにそこはF1まで経験したベテラン。満員の観客で埋め尽くされたグランドスタンドを前に、スタート直前までグリッドで気軽にファンとの記念撮影に応じるなど終始リラックスムード。

 迎えた定刻の14時、後方25番グリッドから井出選手が落ち着いてスタート!
 まずは様子を見ながらじっくりと・・・・と話していた井出選手だが、なんと1周目のストレート前を20位で通過! 1周で既に5台を抜いてきた井出選手の快進撃はとどまる事を知らず、2周目19位、3周目17位と面白い様に順位を上げ、6周目には他車の接触アクシデント等もあり、一気に14位と早くも10台抜きを達成!

 まさに絶好調の井出選手と「OGT! BondsRacing GT-R」はその後も8周目12位、10周目11位とストレートに返ってくる度に順位を上げるという展開。
 そして迎えた、11周目にはついに目標としていたポイント圏内の10位をゲット!  1周1台以上のハイペースで15台抜きを達成した井出選手だが・・
 タイムは落ちる事無く15周目には#3と#21を一気に抜き去り8位、シングルへと浮上! 17周目には#88を、20周目には#52を、そして・・24周目には#33のトラブルもありついに5位へと浮上!

 1stスティントだけで20台抜きという離れ業を披露した井出選手は、
その後も好タイムで走行を続け、迎えた35周目、予定通り1回目のピットストップを敢行!

 井出選手からイゴール選手へのドライバー交代、タイヤ交換、燃料補給をクルーはミス無くこなし、最短でコースへと復帰。
 その後各車ルーティンのピットストップを終え、順位が落ち着いた39周目でイゴール選手の順位は7位。
 代わったイゴール選手も好調なマシンに支えられ前車のチェイスを開始! 45周目に前を行く#62とテールtoノーズとなり、続く46周目にはこれをパスして6位へと浮上。

 更に前を・・・という展開であったが、49周目の1コーナーでGT500クラスから右フロントの接触を受け、レコードラインから外れるというアクシデントでタイムロス、タイヤかすを踏んでしまったか・・?
 その影響からか続く53周目には2台にオーバーテイクされポジションを8位へとダウン。
 一瞬ピットに緊張が走るが、その後イゴール選手のラップタイムは回復し、レース折り返し地点とも言える60周を過ぎる頃にはペースも安定。ルーティンのピットストップまであと10周程度、イゴール選手が全力で走行を続け、結果6位と順位を上げた71周目にピットイン。

 2回目となる本日のピットストップ、いよいよ表彰台も夢ではないか? と思われるポジションの中、イゴール選手から井出選手へとドライバー交代、給油、タイヤ交換と全ての任務をパーフェクトに遂行。

 全車ルーティンを終えた74周の時点で「OGT! BondsRacing GT-R」のポジションは8位。

 徐々にタイムを上げる井出選手は少しずつ前車との距離を詰め、迎えた78周目#87をチェイス! 80周目6.9秒あった前車との距離は毎周1秒以上も詰め、85周目ついにポジションをUP! して7位へと浮上。更に前を行く#11を追撃体制へと入った92周目には、他車の脱落もあり難なく5位へと浮上!

 いよいよ表彰台圏内へと熱い走りは続いたが、総合TOPを行くGT500クラスの#36が110周目のチェッカーを受けレースは終了。「OGT! BondsRacing GT-R」も102周、5位でレースを終える事となった。

 終わってみればトラブルによる不運な予選25番手から、まさかの20台抜きという驚異の追い上げで見事に5位入賞。チームにとっても初めてのレースポイントゲットと、予選から考えれば想定以上の結果となり、これからのシーズンが楽しみなレースとなった。

チーム監督
橋本 祥之 (Sachiyuki Hashimoto)
 2戦目にして様々な事情により体制変更を余儀なくされましたが・・
 結果的にベテラン井手選手の加入は、チームにとってとても大きな力になったと思います。やはり様々なカテゴリーを経験したドライバーの力は素晴らしく、マシンセットアップもスムースに進みました。予選はトラブルにより本来の速さを発揮出来ませんでしたが・・・決勝でその実力は証明できたと思っています。
 GT-Rのポテンシャルは非常に高いのでこれからのシーズンも楽し
みです。

Igor Sushko (イゴール・スシュコ)
 今回からとても素晴らしいキャリアを持つ井出選手と組むことになりセットアップも進み、クルマもとても良い状態となったのですが・・・・僕の担当した予選はトラブルもあり残念な結果となってしまいました。
 でも、5位入賞という結果を見れば、ある意味このチームのポテンシャルを知って頂けるドラマチックな展開であったとも思います。今後に向けた課題も見えましたし、僕自身が井出選手から吸収する事も見えましたのでとても良いレースだったと思います。チームのみんなにも感謝しています。

井出 有治 (Yuji Ide)
 フリー走行から予選へとスタッフが効率よくクルマを作ってくれて、走る度にクルマは良い感じになりました。予選はちょっとトラブルがあり残念なポジションでしたけども・・・十分に追い上げられる実力はあると思っていました。
 実際、決勝でもクルマの状態は素晴らしく、目標としていたポイント圏内もクリアする事が出来ました。今後はイゴールと共にもっと実力を付け表彰台、優勝を狙える様に頑張りますので応援お願い致します。

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