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投稿日: 2012.08.29 00:00
更新日: 2018.02.16 10:59

D1GPエビスは第4戦を末永、第5戦を川畑が制す


2012年8月28日
株式会社D1コーポレーション
PRESS INFORMATION

2012グランツーリスモD1グランプリ エビスサーキット
第4戦 末永直登が初の総合優勝!
第5戦 川畑真人が今季初総合優勝!

 ドリフト競技の最高峰、2012年D1グランプリシリーズ(全7戦)「2012グランツーリスモ D1グランプリ 第4戦・第5戦エビスサーキット」が、8月25日(土)~26日(日)の2日間、エビスサーキット南コース(福島県二本松市)に於いてデュアルファイナルズで開催された。

 8月25日(土)に開催された第4戦は、予選1位通過を果たした末永直登(YUKE'Sチームオレンジ with BEAST EYE)が、追走途中NOS システムトラブルに見舞われたが決勝まで勝ち上がり、日比野哲也(Team UPGARAGE with DRoo-P)と再戦の末、地元エビスで初の総合優勝を飾った。

 翌日26日(日)に開催された第5戦は、前日の単走決勝で優勝した川畑真人(Team TOYOTIRES DRIFT with GP SPORTS)が、この日も単走で高橋邦明(GOODYEAR RacingWith Kunny'z)に続く2位となり、その勢いで追走トーナメントを勝ち進んだ。決勝では今村陽一(NICHIEI レーシングプロジェクト with FALKEN)と再戦にもつれこんだが、川畑がギリギリに攻める走りで今季初の総合優勝を飾った。

 なお、観客数は8月25日(土)3,327人、26日(日)は3,532人だった。

~D1GP シリーズ第4戦~
【8月24日(金)天候:晴れ: 路面:ドライ】
■予選
 開催コースとなるエビス南コースは、コーナーの数が多く、走りを組み立てるのが容易ではない難コースだ。最終コーナーを飛び出すスピードが高得点へのカギとなるが、飛び出す方向を誤るとピットウォールにクラッシュする危険があり、また飛び出す時に角度が合っていないと、ドリフトを1コーナーまで持続することができず、苦戦する選手が多かった。前戦オートポリス大会で予選敗退した今村陽一(NICHIEI レーシングプロジェクト withFALKEN)は、練習走行では好調だったが本番では力が入り最終コーナーまで美しい走行ラインを描くことができず、ギリギリ9位での予選通過となった。またこのラウンドから新車の86を投入した野村謙(BLITZ Dfellow&URAS)は、まだマシンの完成度が十分ではなく、1コーナーまでドリフトを続けることができずに予選敗退となった。

 予選1位通過を果たしたのは、スピードもあり、美しい走行ラインを決めたエビスサーキットをホームとする末永直登(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)だった。

【8月25日(土)】
■単走決勝(天候:晴れ 路面:ドライ)
 前日行われた予選を通過した9名、そして欠場した斎藤太吾(ダイゴ)を除いた15名の予選免除選手をあわせ計24名が、土曜日の単走決勝に出走した。

 朝の練習走行ではどの選手も非常にレベルの高い走りを披露し、接戦が予想されたが、単走決勝が始まってみると、練習のようないい走りを見せることができない選手が多かった。予選7位で通過した松井有紀夫(Guild n one)は1本目にスピンし、2本目もこれを挽回する走りができず、練習ではいい走りを繰り返していた織戸学(DRIVE M7ADVAN MAXORIDO RACING)も、最終コーナーから出るところでミスをした。さらに上野高広(ULTRAMAN with Team VERTEX)や谷口信輝(HKS)の走りも最終コーナーの角度が浅いと判定され、末永正雄(M7雨宮SGC with YOKOHAMA)もマシンのコントロールを誤り、追走トーナメント進出を逃す結果となった。

 一方、ハイスピードを維持し、見事なマシンコトロールを見せたたかやまけんじ(EXEDY RMagic D1Racing)は99.63点の高得点を獲得。しかし、川畑真人(Team TOYO TIRESDRIFT with GP SPORTS)が大きな角度をつけた走りで同点に並ぶ。その結果、セカンドベストスコアがよかった川畑が単走優勝を果たした。

川畑真人選手コメント
「1本目はマシンの体勢が流されぎみで、当確ラインぎりぎりだったので、2本目は高得点を狙える走りをしようと思っていました。最終コーナーを出るところを1本目より加速し、迫力のある飛び出しをしようと決めていました。自分の思うラインよりズレてしまいましたが、2、3コーナーをうまくまとめることができたのを評価され、他の選手の得点が伸びなかったこともあり、単走優勝ができたのだと思います。」

■追走トーナメント(天候:晴れ 路面:ドライ)
 追走トーナメントベスト16では、単走1位の川畑が後追いで横井昌志(D-MAX)を押し出す形になってしまい、横井が勝利。また村山悌啓(GOODYEAR Racing withMegatech)と対戦した田中省己(e-net TAKA Neostyle with D-MAX)は後追い時に2コーナーで流されてしまい敗北。今村陽一(NICHIEI レーシングプロジェクト withFALKEN)はマシンをギリギリまで寄せ攻めるも、最終コーナーでの角度が甘かったことで手塚強(GOODYEAR Racing BNR34with Bee★R)に敗北した。

 ベスト4に進出したのは熊久保信重(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)、末永直登(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)、高橋邦明(GOODYEAR RacingWith Kunny'z)、日比野哲也(Team UPGARAGE with DRoo-P)の4人。いずれもミスのない安定した走りと、見事な追走で勝ち上がってきた。

 熊久保vs末永のチームメイト対決は、末永がNOSシステムトラブルに見舞われミスをしたものの、熊久保は不調の末永の遅いスピードに合わせられずやはりミス。再戦2回の結果、熊久保のミスにより、末永は初の決勝進出を果たした。高橋vs日比野は、まず日比野が後追いから高橋のインを差す。2本目は高橋が2コーナーで流されてしまい、日比野の勝ちとなった。

 3位決定戦は、シリーズチャンピオン争いをする熊久保と高橋の対戦。お互いに相手のインに入る接戦で再々戦までもつれこんだが、最後は熊久保がスピンをし、高橋が勝った。決勝はランサー・エボX に乗る末永(直)と86に乗る日比野の対戦。D1GP では久しぶりとなる現行車同士の対戦となった。1本目は末永が先行。日比野はストレートでややラインが小さくなるも2〜3コーナーで末永のインに入った。先行/後追いを入れ替えた2本目は、末永がインに入りきれず五分。勝負は再戦にもつれこんだ。その1本目、日比野は最終コーナーから飛び出したところで、少しアウトに流され、角度が浅くなる。これで末永にアドバンテージがついた。2本目は末永がきれいに日比野のマシンに合わせ、末永の初優勝が決まった。

【末永直登選手コメント】
「一時期、自分にはドリフトは向いてないのではと落ち込むこともありましたが、支配人(熊久保信重)をはじめチーム、スポンサー、ファンのみなさんが応援してくださることで、ヤル気を維持し続けながら今まで走ってこられました。普段はエビスサーキットでドリフトを教える仕事をさせてもらっていますが、今回もたくさんの生徒の皆さんが応援に来てくださっていたので、とにかくいい追走を見せたいなと思っていました。みなさん本当に応援ありがとうございました。

~D1GP シリーズ第5戦~
【8月25日(土)天候:晴れ 路面:ドライ】
■予選
 第5戦予選は、デュアルファイナルズ1日目となる第4戦の決勝後に行われた。どの選手も走り慣れてきたことで格段にスピードが高くなり、完成度の高いドリフトを見せるようになった。

 86を投入して2戦目の野村謙(BLITZ Dfellow&URAS)は、予選突破まではいかないものの、2本目には走りをまとめ、予選16位となった。一方第4戦の結果、予選免除枠から落ちてしまった岩井照宣(H.D.O QUICK STYLE & RS WATANABE)は、エビスのコースに走りを合わせることができないまま敗退した。

 第4戦で追走まで残った今村陽一(NICHIEI レーシングプロジェクト with FALKEN)、時田雅義(GOODYEAR Racing ZEROCROWN with Bee★R)、田中省己(e-net TAKANeostyle with D-MAX)、横井昌志(D-MAX)らも問題なく予選突破を果たした。この日予選を1位で通過した今村(陽)は、やっと本来の走りを取り戻し、群を抜くスピードを見せた。

【8月26日(日)】
■単走決勝(天候:晴れ 路面:ドライ)
 単走決勝でも全体的にどのマシンも最終コーナーを飛び出してくるスピードが加速された。

 織戸学(DRIVE M7ADVAN MAX ORIDO RACING)は1本目にピットウォールにテールをヒットさせ、姿勢を乱して1コーナー正面に突っ込むクラッシュをしたが、走行に支障をきたすダメージはなく2本目では99.17点の高得点をマークし追走トーナメントに進出した。

 一方、谷口信輝(HKS)は最終コーナーから1コーナーの迫力とスピードは増してきたものの、2コーナーまでに車速をコントロールしきれずハーフスピン。前日に続き追走トーナメントへ進めず敗退となった。また前日4位に入賞した熊久保信重(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)もミスにより得点が伸びず、追走トーナメント進出はならなかった。

 前日追走トーナメントベスト16に進出した箕輪慎治(HEY MAN!! FALKEN)は迫力ある飛び出しから走行ラインを崩さずに走り抜き、99.50点の高得点を獲得。しかし高橋邦明(GOODYEAR Racing With Kunny'z)が大きな角度をつけながら、ものすごい勢いで最終コーナーを飛び出し、さらにそこからアクセルを踏みきって1コーナーまでスムーズにドリフトを繋げるという大迫力のドリフトを見せ99.87点を叩き出す。川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)や佐久間達也(Team TOYO TIRESDRIFT with GP SPORTS)も99点後半台の高得点を出したが、高橋には及ばず、高橋が単走優勝を果たした。

高橋邦明選手コメント
「去年、土曜日にいい結果を出すと日曜日の点数下がってしまう流れがあったので、(ベスト16には絶対入りたかったですが)守りに入っていました。前日(第4戦)、勝てずに悔しい思いをしたので、今日は1本目から行ってやろうと思いました。久しぶりの単走優勝ですが、やっぱり優勝はいいですね。」

■追走トーナメント(天候:晴れ 路面:ドライ)
 第5戦の戦いは、前日と大きく異なる展開になった。

 ランキング首位の熊久保が追走トーナメント進出を逃し、さらにポイント差をつめておきたかったランキング2位の高橋も、ベスト16でピットウォールに接触し敗退。前日の勝者、末永直登(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)もベスト16で弟の末永正雄(M7雨宮SGC with YOKOHAMA)に敗れてしまう。前日準優勝の日比野哲也(Team UPGARAGE with DRoo-P)は今村(陽)との対戦でスピンをし、ベスト8で敗退した。

 ベスト4に進出したのは松川和也(Team UPGARAGE with DRoo-P)、今村(陽)、川畑、佐久間の軽量2ドアクーペのマシン勢。シャープな動きでハイスピード合戦が繰り広げられた。

 準決勝最初の対戦は松川vs今村(陽)。松川が後追い時にオーバーランからハーフスピンをして今村(陽)が勝った。準決勝のもうひとつの戦いは、川畑vs佐久間のチームメイト同士の対戦となった。勝負は再戦にもつれたが、佐久間のミスと、川畑が佐久間のマシンに積極的に寄せたのが評価され、川畑が決勝進出を決めた。

 3位決定戦の松川vs佐久間はマシンの寄せ幅の差で佐久間が勝った。決勝は今村(陽)vs川畑。1本目に川畑が今村のマシンギリギリに接近してみせると、2本目は今村も川畑との距離を詰め、勝負は再戦にもつれこむ。しかし再戦では今村はノーミスであったが、川畑のほうがマシンの寄せ具合と角度で今村を上まわり、川畑が優勝を決めた。

【川畑真人選手コメント】
「今年はシリーズはじめからとにかく苦しかったです。クルマもぶつけてばかりでとにかく焦っていましたので、今回は冷静に走ろうと心に決めてエビスに来ました。決勝戦では、今村陽一選手との対戦になりましたが、去年お台場での戦いを思い出しました。何回走っても失敗しないという、集中力が今回の勝ちにつながったと思います。成績が伴わないときも、ファンの方、スポンサーのみなさん、スタッフがサポートしてくれました。今日の優勝は、みんなの優勝だと思っています。」


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