NAGASAKI DRIFT in HUISTENBOSCH
9月14日(土)2013 グランツーリスモD1GPシリーズ 第5戦
単走優勝は末永直登!
総合優勝は日比野哲也!
9月15日(日)2013 D1GP エキジビションマッチ「D1 Quick 24」
九州鹿児島出身の末永直登が追走を制す
株式会社D1コーポレーション(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木賢志)は、NAGASAKI DRIFT in HUISTENBOSCHを9月14日~15日の2日間、ハウステンボス ロッテルダム駐車場・特設コース(長崎県佐世保市)で初開催した。
晴天の元、9月14日(土)のグランツーリスモD1グランプリシリーズ第5戦には5,292人が、また翌15日(日)のD1GPエキジビションマッチ「D1 Quick 24」には7,410人の観客が訪れ、会場を盛り上げた。
今大会は、ヨーロッパの街並みが再現されたハウステンボスの建物、そしてすぐ目の前には大村湾が広がり、サーキットとは違った解放的な空間に作られた特設コースで行われた。
14日(土)のシリーズ第5戦では、九州鹿児島出身の末永直登(YUKE`S チームオレンジ with BEAST EYE)が走りをうまく組み立て100.10をマークし、単走優勝を飾った。
また同日午後に行われた追走では、佐久間達也(Team TOYO TIRES DRIFT with GPSPORTS)vs日比野哲也(Team UP GARAGE with DRoo-P)が決勝で対戦。佐久間は公式戦初優勝を賭け、また日比野は86初優勝を賭けての戦いとなったが、この日攻めの走りで勝ち上がってきた日比野が、決勝でもダイナミックな飛び込みから接近ドリフトを見せ勝利し、総合優勝を飾った。
15日(日)の、D1GPエキジビションマッチ「D1 Quick24」では、過去のシリーズチャンピオン、優勝経験者、2013年D1GPシリーズポイントホルダーの上位、そして前日のシリーズ第5戦で上位に入賞した3名を加えた計24名の選手によるハイレベルな追走対戦が展開された。決勝はチャンピオン争いをする2人、川畑真人(Team TOYOTIRES DRIFT with GP SPORTS)と末永直登(YUKE'S チームオレンジ with BEASTEYE)が対戦。この日最高のスピードバトルとなり、見事な進入を見せた川畑であったが、末永(直)が強烈な飛び込みをみせ、地元九州で追走バトルを制した。
~D1GP シリーズ第5戦~
【9月13日(金)天候:晴れ 路面:ドライ】
■予選
第5戦の舞台は初開催のハウステンボス特設コース。このコースの特徴は、審判コーナーのRがきついものの、加速区間の距離は充分とられているため、進入速度は100km/hを超えることが可能で、さらにストレート後半のアウト側が少し膨らんでいるので、逆振り気味にドリフトを開始することができることだ。
しかし、選手たちはなかなかコースに走りを合わせられず苦戦していた。振り出し区間であるセクター1では、振り出しを鋭くしたり、車速を上げたつもりでも高得点が出ず、走りかたを絞りきれない選手が多かった。さらに、振り出し位置が手前すぎると審判席前のコーナーでラインが小さくなってライン減点をされたり、あるいは手前から振り出して、アクセルを開けるタイミングが早すぎると、審判席前でアクセルが踏めなくなってセクター3の得点が伸びなかったりするケースが見受けられた。
谷口信輝(HKS)はトップクラスの進入速度をマークするも、第4コーナーでのインカットが響き得点が伸びず、手塚強(GOODYEAR Racing BNR34 with Bee★R)は全体的な完成度は高くなかったものの、振り出し区間でのセクター得点が伸びず、いずれも予選敗退となった。
今村隆弘(MADFACE KANTO with SAMURAI Project)は曲がりきれないかと思わせるような勢いのある飛び込みを見せ、予選を2位で通過。そして、鋭い振り出しとスピードのあるドリフトで99.06をマークした松井有紀夫(EXEDY R Magic D1 Racing)が予選トップ通過を果たした。
【9月14日(土)天候:晴れ 路面:ドライ】
■単走決勝
午前中に行われた単走決勝は、前日の予選を通過した9名と予選免除選手であるシリーズランキング上位15名(斎藤が欠場のため)の計24名が出走し、3グループに分かれて行われた。
全員が前日の予選通過組であるCグループでは、村上満(team MMM)が予選よりも得点を伸ばし、このグループのトップに立つ。またKP61スターレットの板倉日出生(チームH.D.O with RS ワタナベ)も高得点を獲得した。続くBグループでは内海彰乃(RC926with TOYO TIRES)が勢いのある飛び込みと迫力のあるアクセルの踏みっぷりで99.84の高得点をマークし、トップに立つ。一方、前日の予選で最高点を出した松井はややラインが小さくなるなどミスが出て上位に入ることができなかった。
そしてランキング上位選手によるAグループの走行。1本目の走行では、内海の得点を上回る選手は現れなかった。しかし2本目、末永直登(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)が高い車速からピタッと安定した姿勢のまま伸びてくる進入、さらにそのあとも完璧なマシンコントロールを見せ100.10を獲得し、トップに立つ。その後走行した川畑真人(Team TOYO TIRESDRIFT with GP SPORTS)もスピードと絶妙のコントロールを見せたが、内海の点には及ばず99.54で3位となった。これにより、末永(直)が地元・九州で初の単走優勝を決めた。
【末永直登選手コメント】
本気で嬉しいです。実は前日の練習で、自分の中で悩みがあり点数が伸びなかったのですが、チームのみんなと相談をし、DOSSの分析をかなりしました。それが今日の結果に繋がり、地元九州で単走1位を獲れたことは、非常に嬉しいです。ありがとうございます。
■追走トーナメント(天候:晴れ 路面:ドライ)
ベスト16は波乱の連続だった。まずシリーズランキング3位の末永直登(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)が、3コーナーの先で時田雅義(GOODYEAR RacingZEROCROWN with Bee★R)に接触し、ドリフトがもどって敗退。続いてランキング5位の横井昌志(D-MAX)は3コーナーで失速して敗退。さらにランキング4位の上野高広(TEAM VERTEX)は、内海彰乃(RC926 with TOYO TIRES)にスピードで負けた。これで有利になったかと思われたランキング首位の川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFTwith GP SPORTS)であったが、後追いの進入時にまさかのハーフスピンで敗北となる。ランキング2位の斎藤太吾(PHAT FIVE・SUNOCO・SIS-WORKS)は欠場のため、この時点でランキング上位6名が姿を消すという展開になった。
ベスト4に勝ち上がったのは佐久間達也(Team TOYO TIRES DRIFT with GPSPORTS)、末永正雄(RE 雨宮 SUNOCO with YOKOHAMA)、日比野哲也(Team UPGARAGE with DRoo-P)、松川和也(Team UP GARAGE with DRoo-P)の4人。佐久間vs末永(正)の対戦は、両者綺麗な走りで後追いの末永(正)がインを差し、アドバンテージを獲得したが、2本目は佐久間が振り出しで末永のインに飛び込む強烈な走りを見せて逆転、決勝に進出した。
日比野vs松川のチームメイト同士対戦は、1本目後追いの松川が日比野のインを差すも、審査区間終了地点間際で大きく戻ってしまい、日比野にアドバンテージ。2本目は日比野が綺麗にマシンを合わせて、日比野の勝ちが決まった。尚、3位決定戦は末永(正)が松川のインを差して勝った。
決勝は佐久間vs日比野。佐久間が勝てば公式戦初優勝、日比野が勝てば86初優勝だ。1本目は佐久間が先行。日比野は衝突するかと思うほどの飛び込みで佐久間のインを差しつつ、きっちりとマシンを合わせてアドバンテージを獲る。2本目は佐久間がストレートで離され、3コーナーにかけて距離を詰めたが逆転には至らず、日比野の優勝が決まった。これにより、シリーズランキング首位はかろうじて川畑がキープ。続いて末永(直)が2ポイント差で2位、斎藤がトップより11ポイント差で3位となった。
【日比野哲也選手コメント】
86で決勝まで来たのは4回目ですが、これまではちょっとまぐれの部分もありました。でも今回は、練習日からなにも不安がなくて、やりすぎないようにすることだけ注意して組み立てができました。今回、リヤのトラクション関係をガラッと変えてもらったのですが、テストもほとんどできない中、先々週にここでデモランをさせてもらって、感触を掴めたので、今回は本当に違和感なく、自分のコントロールの中で全て操作できた走りができました。今まで苦労してメカニックにも迷惑をかけましたが、協力してもらえて、結果が出せてよかったです。すごく嬉しいですね。
~2013D1GP エキジビションマッチ「D1 Quick 24」~
【9月15日(日)天候:晴れ 路面:ドライ】
■ブロック戦
15日は、過去のシリーズチャンピオンや優勝経験者、昨年のD1GPシリーズポイントホルダーの上位、それに前日の第5戦上位選手3名を加えた計24名の選手によるエキシビションマッチ「D1 Quick 24」が開催された。
この競技は、まずABC3つのブロックに分かれて追走を行い、各ブロックで1回戦、2回戦を勝利した2名はFinal8追走に進出できる。また、各ブロックの1回戦を勝った選手は、2回戦で敗れても敗者復活DOSSバトルに進出でき、そこで上位2名に入ればFinal8追走に参加できるという方式で行われた。
Aブロックでは、1回戦に末永正雄(RE 雨宮 SUNOCO with YOKOHAMA)がエマニエル・アマンディオ(WEDRIFTEAM)に惜敗。また松川和也(Team UP GARAGE withDRoo-P)がクラッチトラブルで出走不能となる。続く2回戦は、アマンディオのミスで勝った川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)と、手塚強(GOODYEARRacing BNR34 with Bee★R)を相手にほぼ同時振りから見事な追走を見せた谷口信輝(HKS)が勝ち上がり、Final8追走へ進出。アマンディオと手塚は敗者復活に回った。
Bブロックでは、1回戦で熊久保信重(BEAST EYE チームオレンジ with YUKE'S)がプロペラシャフト破損でリタイヤ。2回戦、古口美範(Team BOSS ENDLESS withFALKEN)は末永直登(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)を相手にアドバンテージをとっていたが、2本目にハーフスピンをして末永(直)が勝ち、また織戸学(DRIVE M7MAX ORIDO RACING)VS高橋邦明(GOODYEAR Racing with Kunny'z)の対戦では、織戸は高橋のインを差して勝ち上がった。末永(直)と織戸がFinal8追走へ進出し、古口と高橋が敗者復活に回った。
Cブロックでは、1回戦で今村隆弘(MADFACE KANTO with SAMURAI Project)がクラッチトラブルで出走不能。三木竜二(Guild AMW with LFW)もエンジン不調で走れなかった。2回戦、上野高広(TEAM VERTEX)VS内海彰乃(RC926 with TOYO TIRES)の対戦では、内海は好調な走りを見せるも加速中にボンネットが開いてしまい上野が勝利。横井昌志(D-MAX)VS時田雅義(GOODYEAR Racing ZEROCROWN with Bee★R)の対戦では時田が勝ち上がった。上野と時田がFinal8追走へ進出し、内海と横井が敗者復活に回った。
■敗者復活DOSSバトル
敗者復活DOSSバトルでは、6名の選手が単走を1本だけ行い、その得点で順位をつける。そして上位2名だけがFinal8追走に参加できる。まずはアマンディオが完成度の高い走りを披露。続く手塚もまとまりはよかったが、やや勢いがなく得点が伸びない。古口も比較的高い得点を取ったがアマンディオの得点には及ばない。しかし高橋が、スムーズで見事なコントロールを見せて、アマンディオの得点を上回った。
そして次に走行した内海は、ものすごい振りから綺麗にラインをトレースし、1人だけ99点オーバーをマーク。最後に走行した横井もいい飛び込みを見せたが、テールをスポンジバリアに接触させてしまい、得点に結びつかなかった。この結果、内海が1位、高橋が2位となりFinal8追走へ進出となった。
■単走DOSSバトル
Final8追走の前に、追走の組み合わせを決める単走1本勝負、単走DOSSバトルが行われた。このバトルが行われる直前の選手紹介走行で、織戸はマシンがエンジンブローし走行不能となった。ここで織戸が、代わりに敗者復活戦の3位だった選手を繰り上げることを提案。それが受け入れられ、アマンディオが出走することになった。
生き残りがかかった敗者復活DOSSバトルとはちがって、組み合わせを決めるためだけの単走だったこともあり、全体的には敗者復活DOSSバトルほど走りに勢いはなく、96~97点台にまとめた走行が多かった。しかし、ここでも内海は大きい角度と高い車速を両立させながらもスムーズなドリフトを見せ、99点オーバーをマーク。1位を獲得した。
■Final8
追走ここまで勝ち残った8名により行われたFinal8追走。ハウステンボス大会も最終日となり、コースの特徴を捉えた選手たちによる極めてハイレベルな追走が行われた。ベスト8はすべての対戦が再戦にもつれこむ接戦となったが、ベスト4へ勝ち上がったのは、内海、川畑、末永(直)、時田の4名となった。
準決勝最初の対戦は内海vs川畑。川畑は後追いとなった1本目、綺麗にドリフトを合わせてアドバンテージを獲得。次に先行となった2本目でもアウトぎりぎりまで飛ばす思いきった飛び込みを見せた。内海はそこにくらいついていったが、3コーナーで川畑に接触して失速。川畑の勝ちとなった。
続く、末永(直)vs時田の対戦は、お互いに相手のインを差す好勝負。やや末永(直)が優勢だったものの、決定的な差はつかないまま再々戦にもつれこむ。その1本目に時田がスポンジバリアにテールをヒットさせてしまう。次の2本目の走行でも時田はハーフスピンしてしまい、末永(直)が勝った。
内海vs時田の対戦となった3位決定戦も再戦までもつれたが、最後はマシンを寄せた距離の差で内海が勝った。
決勝は川畑vs末永(直)。今シーズンチャンピオン争いをする2人の対決となった。1本目は川畑が先行。川畑は勢いのあるハイスピードの進入を見せたが、末永(直)は2コーナーから川畑のインに飛び込み、アドバンテージをとる。2本目は末永(直)が先行。しかし川畑はストレートで末永(直)に距離を開けられ、なんとか3コーナーで追いつくもののアドバンテージはとれず、末永(直)が優勝となった。
【末永直登選手コメント】
本当は昨日(シリーズ第5戦)で勝ちたかったですね。昨日の反省として追突事故には注意して、安全第一で走りました。このコースのレイアウトは大きなミスがなければ先行は1ポイントとられて当たり前というか、どちらかというと後追い有利のレイアウトだったと思います。その中で、0.5とられるくらいだったら、それはとられていない位の気持ちでいるようにして、1.0とられたら、結構やられたなっていう感覚でいました。地元九州を離れ(現在は福島在住)10年以上経ちますが、地元で優勝できたというのは本当に嬉しいですし、いい成績を残せるようになったのもチーム、スポンサーさん、ヨコハマタイヤさんのおかげだと思っています。最終戦に向けて気持ちを上げつつ、シリーズチャンピオンを獲れるよう、皆さんが盛り上がるような熱い走りをしていきたいと思います。