「ENDLESS・ADVAN・86」
新体制2戦目でクラス優勝を飾る
2014年スーパー耐久シリーズ(通称:S耐)に参戦するENDLESS SPORTSの#13「ENDLESS・ADVAN・86」(小泉和寛/村田信博/小河諒)は、5月24~25日にスポーツランドSUGO(宮城県)において開催された第2戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」で、激戦の末にST-4クラス優勝。ランキングトップに並んだ。
第2戦も6つのクラスに計44台が参加。ST-4クラスには5台の86を含み4メーカー8型式の大量18台が参加し相変わらずの激戦区となった。今回の舞台は東北随一のロードコース、スポーツランドSUGO。アップダウンに富み2本のストレートをタイトなターンで結んだテクニカルコースだ。シーズンオフに路面が舗装し直され、縁石やランオフエリアも改良されたが、コース幅はそのままで接触やアクシデントの起きやすさに変わりはなさそうだった。ストレートスピードに勝るホンダS2000勢に比べコーナリングマシンであるトヨタ86勢には有利なコースで、ここで確実に大きなポイントを取っておきたいところ。
24日午後、気温23℃で始まった公式予選は、小泉と村田のベストタイムの合算で、86勢の中では3位となるクラス4位総合23位につけた。またSUGOを得意とする若手の小河も基準タイムをクラストップでクリアした。
決勝日の30日朝に行われたフリー走行では、小河がクラスのトップタイムをマーク。「走り始めからクルマの調子が良いので、今回は最低でも表彰台は狙いたいです」と小泉は控えめのコメント。午後の決勝は前日までの晴れ間こそないものの、気温は25℃ほどまで上昇しやや蒸し暑い天候となった。
13時30分、3時間レースがスタート。ST-4/5クラスによる第2グループは激しい先陣争いが展開され、スタートドライバーの小泉はオープニングラップで1台、2周目に1台をかわして86勢のトップ、クラス2位に浮上。一時は順位を落とす場面もあったが、すぐに2位に戻った。しかしその前にピットインしほぼ1周遅れていたS2000に前を塞がれ、テール・トゥ・ノーズのバトルを重ねることになった。2位のポジションを守ったまま小泉は30周でピットインして村田に交代。給油のみで村田は9位でコースへ復帰。
他の車両がルーティーンのピット作業を始めると村田は次々に順位を上げ、トップの車両が44周目にピットインするとついにクラストップに躍り出た。しかし51周目にはトップを奪われ2位へ。60周で村田は予定どおりのピットインを行い小河に交代。ここで給油とフロントタイヤの交換を行った。
5位でコースへ戻った小河は、他の車両が2回目のピットインを行った75周目には2位へ浮上。トップの車両が89周でピットインすると、その背後に追いつき92周目には逆転トップに。しかし早めにタイヤ交換をしたことで小河のタイヤの摩耗は進んでおり、さらに5速を失っており思うようにペースを上げられない。
終盤、トップを争う2台は1秒以内の差でバトルを繰り広げ順位を入れ替えながらバトルを演じた。そして残り2周を切った最終コーナーで小河は逆転してトップを奪還。そのまま最後の1周でトップを守りきり歓喜のチェッカーを受けた。「ENDLESS・ADVAN・86」の優勝は昨年の第2戦インジェでの第2レース以来で、新体制として大会初優勝。小泉は2005年11月ツインリンクもてぎ以来8年半ぶりのS耐優勝で、村田はインジェ以来1年ぶりの優勝、そして小川はうれしいS耐初優勝となった。
小泉和寛
「次の富士はストレートスピードの速いS2000有利なので、何とかこのSUGOでひとつでも上の順位を残したいと臨みました。特にスタート直後は混乱しますから注意深く慎重になりましたが、同じクラスの車両に引っかかってしまいながらも自分の仕事はこなせと思います。久しぶりの優勝はやはり本当にうれしいですし、ホッとしました。応援してくださった方々のためにも優勝報告ができて良かったです。SUGOに合わせたフジツボのマフラーは排気効率に優れていましたし、エンドレスのブレーキパッドもばっちりでした。この結果に満足することなくシリーズ中盤もポイントを重ねていきたいと思います」