「ENDLESS・ADVAN・86」
トヨタ86勢トップのクラス4位でゴール
2014年スーパー耐久シリーズ(通称:S耐)に参戦するENDLESS SPORTSの「ENDLESS・ADVAN・86」は、3月29~30日にツインリンクもてぎ(栃木県)において開催された開幕戦「MOTEGI SUPER TAIKYU 5hours ROAD」で、ST-4クラス4位で新体制の初陣を飾った。
今季は、小泉和寛/村田博信/小河諒という新たなトリオとなり、新車のトヨタ86で混戦のST-4クラス(排気量:1,501?2,000cc)に参戦。メンテナンスは昨年同様RS中春が担当する。開幕戦には6つのクラスに44台がエントリーしたが、ST-4クラスには5台の86を含み4メーカー8車種の大量19台が参加。ST-4クラスは例年にない激戦区となった。
朝から好天に恵まれた29日。気温も20℃を超える午後に行われた公式予選は、小泉と村田のベストタイムの合算で86勢の中では3位となるクラス7位総合25位につけた。また今回S耐デビューとなる若手の小河も、A/Bドライバーに匹敵するようなタイムで基準タイムを難なくクリアし、決勝レースのグリッドが確定した。一昨年にS耐デビューした86だが、熟成されたホンダS2000やインテグラに比べるとタイヤ幅も狭く、やや苦しい戦いとなりそうだ。
決勝日の30日は朝から雨に見舞われ、天気予報では天候は午後にかけ荒れると伝えていた。20分間行われたフリー走行でもクラス7位のタイムをマーク。小泉と小河はまだ86のウェットコンディションでの走行経験がほとんどなく、雨のレースはぶっつけ本番となる。
12時15分、雨で気温も12℃と肌寒い中、フォーメーションラップが始まった。ステアリングを託されたのは小泉。2周後、グリーンランプが点灯して長丁場、5時間の決勝レースがスタート。コースはフルウェットのコンディションで、いたるところで川が流れ水たまりができている状態。水に乗って次々にスピンするライバルを横目に、小泉は集中力を切らさぬよう慎重に周回を重ねた。雨脚は一向に弱まらず、さらに無理なバトルを避けたこともあり一時はクラス12位まで順位を下げたが、諦めることなくコースアウトやスピンをせぬようコースにとどまった。小泉は7位まで順位を回復して40周でピットインして小河に交代した。
9位でコースインしたS耐初陣の小河も堅実な走りを見せ、53周目には86勢トップに立ち順位を6位に上げて65周でピットイン、村田につないだ。昨年より86をドライブし決勝でのウェット走行経験を持つ村田は、強まった雨脚の中でも確実な走りで周回を重ね、上位の車両が脱落した102周目には4位へ。そして105周でピットインして、再び小泉の出番となった。
クラス3位の車両は1周以上前を走行しているが、上位にいつトラブルやアクシデントが発生するかも分からない。5位で追い上げている86とは1分30秒ほどの差があり、残り15周程度の距離を考えれば、ミスさえしなければ順位はキープできる。小止みになっていた雨が再び強くなる中、小泉は集中してドライブを続けポジションを守り、やがて雨が上がった17時22分、5時間経過で4位チェッカー。表彰台こそ逃したものの86勢トップという結果を残した。
小泉和寛「チームは体制に文句のつけようもなく、何とか結果を残したいと思っていました。86での雨のレースは初めてながらスタートを任され責任重大でしたが、コースの水量も多くヘビーなレースになりました。しかしそのような中、組んだドライバーの走りもあり、スタッフの動きも完璧で86でのトップを取れたことが良かったと思います。今回の経験は大きいと思いますし、チャンピオンを目指してこれからの戦いに臨んでいきます」