スーパーフォーミュラへの名称変更を来季に控え、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの名のもとで行なわれるのはおそらく最後となる今季第3回合同テストが19日、JAFグランプリ明けの富士スピードウェイでスタート。新人や復帰組などバラエティに富んだ顔ぶれが走行するなか、午前10〜12時のセッション1回目でトップタイムを記録したのは伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)だった。

 2012年シーズンを戦った全12チームが姿を見せているが、来季を睨んだドライバー起用をするチームもあれば、今季レギュラー陣で臨みマシンの熟成に務める陣営もあり、さらにはかねてからテスト中のシステムE開発車も走行するなど、JAF GP終了翌日ながらこの日の富士は早くも来季、あるいはその先をも見据えた雰囲気に包まれた。各チームの陣容を見ていくと、まずPETRONAS TOM’Sは王者・中嶋一貴が2号車をドライブし、1号車には今季トムスで全日本F3に参戦していたリチャード・ブラッドレーが乗り込んだ。午後はジェームス・ロシターが搭乗予定で、アンドレ・ロッテラーの姿もピットにはあるが、ヘッドセットを付けリラックスした表情を浮かべるなどしており、彼の走行はない見込み。

 他のトヨタ勢では、KYGNUS SUNOCOが昨シーズンまでレギュラーだった石浦宏明を起用。Project μ/cerumo・INGINGは平手晃平、国本雄資という今季レギュラー陣が走ったが、明日は大嶋和也と中山雄一が乗る予定だ。SGC by KCMGのマシンを駆ったのはマシュー・ホーソン。午後はギャリー・トンプソンの予定ということで、自チームのF3ドライバー両名にテスト機会を与えている格好だ。

 IMPULはジョアオ-パオロ・デ・オリベイラと松田次生、KONDO RACINGは安田裕信、TOCHIGI Le Beaussetは嵯峨宏紀と、これら3チームはシーズン同様の布陣。そしてTeam LeMansの7号車には今回、全日本F3王者の平川亮が乗る予定だったが、マカオGPで負傷したために出走できなくなったようだ。このセッション、7号車は走行しなかった(もともとこの日午前のセッションに間に合ったかどうかは微妙だが)。

 ホンダ勢ではHP REAL RACINGの10号車に塚越広大が搭乗した。金石勝智監督によれば、「いろいろと(チーム不振の原因が)ハッキリするでしょうから」とのことで、これは問題点洗い出しのための試乗依頼と見られる。明日は武藤英紀がドライブ予定。

 NAKAJIMA RACINGは小暮卓史と中嶋大祐のレギュラーコンビ。DOCOMO DANDELIONは伊沢が40号車をドライブする一方、41号車にはフランス出身のジャン-カール・ベルネイが乗り込んだ。TEAM無限もレギュラー+新顔という布陣で、16号車は山本尚貴、そして15号車を今季HP REAL RACINGから実戦デビュー済みの中山友貴がドライブ。また、TEAM MUGENの隣のピットにはカーナンバー96のホンダエンジン搭載システムE開発車が陣取り、こちらは道上龍がステアリングを握っていた。午後は伊沢の搭乗予定もあるという。

 開始時の気温が9度、路温は10度という低温ドライコンディションでのセッション1回目は、開始20分過ぎにシステムE開発車が最終コーナー付近でストップしたことによる赤旗中断が6〜7分ほどあったが、各陣営は概ね順調に走行を重ねた様子。なお、今回は2013年仕様のテストタイヤがブリヂストンから6チームに対してのみ1セットずつ供給されているが、このセッションでそれを使用したのが伊沢で、彼はこのタイヤでトップタイム1分23秒761をマークしている。

 ブリヂストンのテクニカルアドバイザー、寺西康雄氏によれば「硬軟のレベルは従来と大きく変わらないが、より耐久性を意識した“強いタイヤ”」を指向したものらしい。伊沢によれば「大きな差ではないが、差はある。使い方としての違いも多少ありますね。一発のタイムの水準としては上がっているんじゃないかと思います。今のセッションを走っただけですけど、このタイヤについてかなりのことが学べました」と、まずは好感触の様子。

 今回のテストは19〜20日の両日、午前と午後に2時間ずつ計8時間のセッションが組まれており、午後のセッション2回目以降もドライバーの入れ代わり等が数多く見られそうで、来季に向けて興味深い内容となりそうだ。19日午後は14〜16時、20日は9〜11時、13〜15時の予定となっている。

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