全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの第3回合同テストは20日、富士スピードウェイで2日目(最終日)を迎えた。午前中、9〜11時のセッションでは松田次生(TEAM IMPUL)が1分23秒809というトップタイムを記録している。

 前日に続いてのドライコンディション、セッション開始前の気温/路温は11度/13度。開始時刻が1時間早いものの、温度条件的には前日よりやや暖かめでのスタートとなった。前日午後と比べての選手乗り代わりが数件発生しているが、大半は予定通りの動きで、まずPETRONAS TOM'S 1号車のシートには前日も午前に走行していたリチャード・ブラッドレーが戻った。

 Project μ/cerumo・INGINGのマシンには前日の今季レギュラーコンビに代わって大嶋和也(38号車)と中山雄一(39号車)が搭乗。だが、中山はセッション早々に赤旗中断の原因となってしまい、その後は走行を重ねられなかった。その他ではHP REAL RACINGが武藤英紀を、TEAM無限が15号車に小林崇志を起用。またSGC by KCMGに関しては、今日はギャリー・トンプソンが午前と午後両方でステアリングを握る予定とのことだ。

 興味深い動きをとっていたのはDOCOMO DANDELION。前日午後はホンダのシステムE開発車をドライブしていた伊沢拓也が、このセッションの前半は41号車(シーズン中の塚越車)の方をドライブし、主担当も“塚越番"の田中耕太郎エンジニアが務めている光景が見られた。

 塚越は笑顔でこれを見守っており、「今日、僕は乗りません。これで違いが出てきたら面白いですよね」と語っている。さらなる高みを目指してこういったトライができるあたりにも、このチームの今季の充実ぶりがうかがえるところだ。伊沢は、午前後半は自機の40号車で走行、主担当も“伊沢番"の吉田則光エンジニアに戻っていた。セッションベストの1分24秒325(全体4位)は41号車で出したもののようだが、「自分のクルマのアタックではミスもありましたし、コンディションも変わっていましたからね」とのこと。なお、ジャン-カール・ベルネイはセッションの最後に41号車で走行した(午後も走行予定)。

 TEAM IMPUL、NAKAJIMA RACING、KONDO RACING、TOCHIGI Le Beaussetの4チーム計6台とPETRONAS TOM'S 2号車、TEAM MUGEN 16号車については、前日同様シーズンレギュラー布陣のまま走行を重ねていた。IMPUL勢がタイムモニターのワン・ツーを占拠する流れのなか、最終盤のアタックで松田がジョアオ-パオロ・デ・オリベイラをわずかに逆転してトップタイムを刻んでいる。

 ホンダのシステムE開発車は道上龍がドライブ。Team LeMansの7号車は前日同様、走行していない(午後も走らない見込み)。同じルマン陣営のTeam KYGNUS SUNOCOでは、前日に続いて2011年レギュラーだった石浦宏明がドライブを担当し、このセッション終盤には2013年仕様テストタイヤで走行、1分24秒099という全体3位のベストタイムを記録した。

 走行後の石浦は、笑顔でチームおよびブリヂストンの技術陣と会話を交わしていた。「僕は従来のタイヤ(2011〜12年仕様)はドライビングスタイルに合わない面があって、正直、好きではなかったんです。このタイヤは自分に合っていますね。クルマとの相性も悪くないみたいですし、このタイヤでレースをするのが楽しみです」と、相当に前向きな手応えを得た様子。

 古巣とあって、見た目にもチームによく馴染んでおり、いい意味で新鮮味はない取り合わせだが、本人も「このチームで走ることには、なんの違和感もないですね」と笑う。もちろん来季についてはまだ何も決まっていない状況だが、GT500参戦は当然として「Fニッポン(スーパーフォーミュラ)への復帰も狙っています」と石浦は語る。この実力者の復帰が実現すれば、新名称初年度の戦いはさらにヒートアップしそう。

 午前の石浦の使用によって、今回持ち込まれた2013年テストタイヤはすべて使い切られた模様で、午後の今回最終セッション(13〜15時)は、現行タイヤと現行シリーズ名称での正真正銘最後のタイムアタック合戦になると思われる。

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