富士スピードウェイで実施されている全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの第3回合同テスト、初日午後のセッションでトップタイムを刻んだのはジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(Team IMPUL)だった。
セッション開始予定時刻である14時少し前の時点で、陽がある場所でも路温14度。午前同様、この時期らしい冷え込んだコンディションとなったが、このセッションで数名のドライバーが2013年仕様テストタイヤを試している。オリベイラの1分23秒273というトップタイムも「2013年タイヤでのものです」と島田次郎エンジニア。同エンジニアによれば、オリベイラ本人の印象は「(従来タイヤと)大きくは変わらないようでしたね」とのことだった。
2番手タイムは中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)で1分23秒351。一貴も2013年タイヤを履いており、「今日は(新旧)どちらのタイヤのベストタイムもほとんど一緒でしたね。従来のタイヤは荷重が抜けた時にグリップが抜けやすい面があったんですが、それに関しては良くなっていると感じました。まだ評価は難しいですが、新しいタイヤで遅かったわけではないですし、大きな問題はないのかな、と思います」とのインプレッションを語っている。
ホンダ勢では山本尚貴(TEAM無限)がトップで、全体4位となる1分23秒912をマーク。「2013年タイヤのタイムです。グリップは高かったですね。従来よりも一発のタイムが出る方向? そうだと思います」とコメント。小暮卓史(NAKAJIMA RACING)も新タイヤを履いたが、こちらは鈴鹿等を意識した「ハイダウンフォース仕様セッティングで走りました」ということなので、タイム自体の是非は論じられないものの「フィーリングは悪くない。一発のタイムも(従来タイヤより)出ると思います」と話していた。現段階では概ね好評を得ている2013年タイヤ。FN09ラストイヤーとなる来季の戦局を大きく左右するキーファクターだけに、正式導入に向けての今後の熟成が注目される。
そして寒さ同様、これまたこの時期のテストらしく、セッション1回目からのドライバー変更も数件。PETRONAS TOM'Sの1号車には元ホンダF1テストドライバー、ジェームス・ロシターが搭乗した。明日、1号車は午前がリチャード・ブラッドレー、午後がアンドレア・カルダレッリとなる予定だ。またSGC by KCMGも予定通り、この日の午後はギャリー・トンプソンを起用。
伊沢拓也がカーナンバー96のシステムE開発車をドライブした関係上、DOCOMO DANDELIONの40号車はこのセッション不出走。そのため午後の総出走台数は午前より1台減って17台となった(Team LeMansは午前同様、走らなかった)。なお、この日は中山友貴が駆ったTEAM無限の15号車に、明日は小林崇志が乗る予定。もちろん「レギュラー復帰を目指して頑張ります」との決意で、チャンスにかける。
DOCOMO DANDELIONの41号車でFニッポン初ドライブを終えたジャン-カール・ベルネイは「クイック! リアリー、ファスト!」と、その第一印象を語った。「とてもレベルが高いカテゴリーだと感じた。この速いマシンに、明日はもっと自分を適合させていかなければならない」とも話し、来季については「ぜひスーパーフォーミュラと(スーパーGT)GT500に参戦したいと考えている」とコメント。このオフ、新名称初年度のシート争いが過熱しそうな雰囲気も漂ってきた。
明日20日のテスト最終日は9〜11時、13〜15時にそれぞれ走行セッションが予定されている。