8日、9日と鈴鹿サーキットで行われたフォーミュラ・ニッポンの“エンジンテスト”。この中で、新たにパワーステアリングユニットが試されたが、このパワステの開発を担った本山哲、そしてFN09とパワステを試した3人のドライバーに、感触、そして導入の重要性について聞いた。

■本山哲(トヨタ・ドライバー)
「パワステの開発はとても順調にきました。大きなトラブルもありませんでしたし、その中でドライバーの操舵に対するリニア感を追求し、ドライバーに不自然な感触を与えないようにということにも気を遣いました。加えて、適正なステアリングの重さがどこにあるのかを探りました。今季より導入されたFN09は高速区間でのダウンフォースがありすぎて、そこでのドライビングが厳しいという状況は、このパワステの導入でほぼ100%改善されるでしょう。僕もF1マシンには何回か乗りましたが、それらと比べてもかなり近い水準の性能に仕上がっています。現状のパワステのシステムは決して複雑なものではありませんが、どのような状況にも不自然なく対応できる性能となっています。知識のないまま乗ったら、このクルマにパワステが付いているのか付いていないのか、分からないほど普通に運転できると思います。それくらい自然な仕上がりです。マップは現状の5段階でも、フォーミュラ・ニッポン開催地のどこにでも対応できます。いまのフォーミュラ・ニッポンドライバーにすれば願ってもないデバイスだと思いますし、あって当然のデバイスだと思います。フォーミュラ・ニッポンは自動車レースで、決してステアリングを切るための力比べをしているわけではありません。クルマのパフォーマンスアップのためにも、ドライバーのドライビングスキルアップのためにも、パワステの導入はフォーミュラ・ニッポンにとってプラスに働くはずです」

■井出有治(ホンダ・ドライバー)
「テストは2日間とも好天に恵まれましたし、ステアリングの重さが負担になるという意味ではフォーミュラ・ニッポン開催地の中で最も厳しい鈴鹿サーキットで、無事にテストを終えられてホッとしています。自分自身もこのクルマの走らせ方を学べたし、体力的にもまったく問題なかったので、再びフォーミュラ・ニッポンのレースに出たくなりました。このパワステは油圧式ではなく電気式ですが、いいセッティングを出せたと思います。電気式パワステとしてはかなり自然な操舵感で、僕が経験したより高性能であるF1の油圧式パワステと遜色ない仕上がりになっています。おそらく、これ以上にいいセッティングを出すとしたら、あとはサーキットごとに詰めていくようになるくらいに、ベースとなるセッティングは高い水準になっていますね。日本のフォーミュラ・ニッポン開催地のどこでも、雨が降っても晴れていても、クルマのセッティングが違っていても、路面状態やドライバーが違っていても、5段階のマップの中で十分に対応可能です」

■伊藤大輔(トヨタ・ドライバー)
「パワステがないと運転がすごく大変で、そういう意味ではいまのフォーミュラ・ニッポンのレギュラードライバーを尊敬します。僕は5段階のマップの中で、真ん中のアシスト量を得られるマップを最初に試しましたが、あまり長く走り続ける気にはならず、いちばんステアリングが軽くなるマップを主に使っていました。もともとステアリングが重いクルマですが、今回走った鈴鹿サーキットでは、第1/2コーナーと130Rはとくに重くなります。自動車レースもスポーツであり、たしかにドライバーには腕力も求められますが、クルマを操ってナンボのスポーツでもある。僕を含めて、ドライバーは決して楽をしようと思っているわけでもありません。身体への余計な負担がなくなれば、それだけクルマを操ることに集中できて、バトルに集中できてといういい面も出てくるわけですから、僕は現在このカテゴリーに参戦している当事者ではありませんが、パワステの導入には賛成です」

■井口卓人(トヨタ・ドライバー)
「全日本F3で僕が乗っている現在のマシンも、エボリューションサスペンションの導入でステアリングは重いのですが、FNマシンはそれ以上でした。パワステなしのFNマシンでレースを戦うのは、現在の僕ではとても厳しいと思いました。第1/2コーナーや130Rでは、ダウンフォースの影響もあってさらにステアリングが重くなります。特に130Rでは、ステアリングを一度切ったらそれ以上に切り足せません。パワステには5段階のマップがあって、僕が走行しているときは、だいたい真ん中を使っていました」

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