全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦富士スピードウェイは14日、ノックアウト形式の公式予選が行われ、変わりやすい天候の中、中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)がフォーミュラ・ニッポン初となるポールポジションを獲得した。
Q1:
直前の全日本F3の第5戦決勝レースが続く頃から、細かい雨が降り始めた富士スピードウェイ。少しずつ路面が湿ってきており、迎えた公式予選はノックアウト形式ということもあり、コースオープンから各車スリックで、少しでもコンディションのいい状態でタイムを出そうとコースインした。
しかし、その直後最終コーナーで伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)がスピン。ランオフエリアにマシンがストップしてしまい、この回収のために赤旗が提示されてしまう。Q1は残り17分というところで再開されたが、この間に雨は止んでいる。
セッション終盤に向けて一気にタイムが上がっていく中、Q1のトップタイムをマークしたのは、残り1分というところで1分25秒811というタイムをマークしたアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)。一貴が続き、この2台だけが1分25秒台へ。3番手には塚越広大(DOCOMO DANDELION)がつけ、今季勝利を飾っている3人がトップ3を占めることに。
一方、Q1ノックアウトとなったのは嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset)、金石年弘(HP REAL RACING)、中山友貴(HP REAL RACING)、折目遼(SGC by KCMG)、そしてスピンを喫した伊沢という5台となっている。
Q2:
続くQ2の開始時点ではかなり空が明るくなった富士スピードウェイ。コースオープンから各陣営が一斉にコースインし、アタックを展開。上位陣は早々に1分25秒台に突入していく。しかし、そんな中、なかなかタイムを刻めないのがQ1トップのロッテラー。
このセッションのトップはジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が1分25秒758で奪うことになり、一貴が続くことになったが、なんとそのままロッテラーはタイムを伸ばせず9番手でノックアウト。Q2敗退という波乱になった。
Q2ノックアウトはそのロッテラー、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)、山本尚貴(TEAM無限)、安田裕信(KONDO RACING)、小暮卓史(NAKAJIMA RACING)という5台に。チャンピオン経験者ふたりが姿を消す波乱の展開となった。
Q3:
Q2終了直後までは陽が差していた富士スピードウェイだが、Q3開始とほぼ同時に大粒の雨が降り始める。路面が濡れる前に、一刻も早くスリックタイヤでタイムを出したい各車は一斉にアタックに入っていくが、セクター3はすでに完全なウエットコンディションに。先頭でコースインした一貴も大きく足をとられてしまうことになる。
各車3周目のアタックに入っていく中、ピットレーンでウエットタイヤに交換したのは大嶋和也(Team LeMans)。その大嶋のタイムに注目が集まるが、先頭でコースインした一貴が出したタイムには及ばず。国本雄資(Projectμ/cerumo-INGING)や中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)がコースアウトする中、一貴のタイムを破るドライバーは現れず、一貴がフォーミュラ・ニッポンで初めてのポールポジションを獲得することとなった。
2番手は大嶋、3番手には塚越がつけ、4番手には国本が入ることに。Q2トップのオリベイラは6番手となった。
