全日本選手権スーパーフォーミュラをプロモートする日本レースプロモーション(JRP)の白井裕社長が、シリーズ第5戦オートポリスの現場でメディア懇親会を実施した。タイヤサプライヤーやスケジュールも含む、2016年シーズンに向けての展望などを、白井社長が持論を交えつつ語った。

 すでにオートスポーツwebでも報じているように、スーパーフォーミュラでは今季、エンジンメーカーテストの中でヨコハマタイヤを装着しての走行を実施。テストでは、トヨタ、ホンダそれぞれの各チームが持ち回りの形で走行を担当している様子で、来季以降のタイヤサプライヤー変更の可能性が浮上している。

 白井社長はこの懇親会で、ヨコハマタイヤでのテストについて「来年以降のタイヤ供給の可能性に対してテストを行っている」と改めて現状を説明。今後もテストが予定されているとしたが、来年のサプライヤーについては「早い時期にお話しできる機会をつくりたい」と明言は避けた。

 なお白井社長は「エンジニアとドライバー、タイヤエンジニアを含めて『今回のレース展開はこうしよう』というストラテジーを立てられるレースにしたい。それにはひとつのタイヤ(スペック)だと難しい。複数のタイヤをもって、レースに臨んでもらうというのがいいのではないか」と、あくまで持論の形ではあったものの、タイヤの複数スペック化の可能性にも言及。「将来的にはそういう形にしたいという希望はある」と話した。

 またスーパーフォーミュラでは、現在のところ来季のレーススケジュールは正式には発表されていない。JAFには7月末に登録申請を行なっており、4月半ばに鈴鹿で開幕し、岡山(5月)、富士(7月)、もてぎ(8月)、オートポリス(9月)、SUGO(9月)、鈴鹿(11月)と、全7戦の今季とほぼ同等の申請となっている。

 しかし、白井社長によると、開幕戦とWEC世界耐久選手権の開幕戦がバッティングする可能性が浮上。スーパーフォーミュラにはWEC参戦ドライバーも多く、基本的にはバッティングを避けたい意向とのことで、WECの暫定カレンダーが発表されるのを待っている状況だ。加えて、「走る時間を増やした方がいいのではないかという議論もある」と明かし、検討段階だとはしたものの、金曜日に走行を行う可能性にも触れている。

 今回の懇親会は公式な発表の場ではなく、未確定な部分もある中での話や、白井社長の個人的な見解がほとんどではあったが、シリーズの今後について一定の方向性は示されたと言えそうだ。

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