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投稿日: 2011.05.31 00:00
更新日: 2018.02.16 02:43

PETRONAS SYNTIUM TEAM、悪天候の中で1-2


スーパー耐久シリーズ2011
第1戦「SUGO SUPER TAIKYU 3HOURS RACE」
2011年5月29日(1dayレース)

 5月29日、スーパー耐久シリーズ2011の第1戦が宮城・スポーツランドSUGOにて開催され、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台はST1クラスにおいて、1-2フィニッシュを達成。ディフェンディングチャンピオンとしてその存在感をアピールすることに成功した。なお、レースは時折雨の影響で霧が立ち込め、セーフティカーが2度導入された。さらにチェッカーまで残り20分の時点で霧の影響による視界不良の回復が見込めないとし、赤旗中断。そのままレース終了に至った。

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■予選 天候:雨 気温:17℃(午前9時現在)
■ No.1:1位 (3'21.703)  No.28:2位 (3'26.575) *A、Bドライバー合算タイム/ST1クラス順位
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【今季初のアタック、ディフェンディングチャンプの1号車がクラストップタイムをマーク】

 先の東日本大震災の影響を受け、今シーズンの開幕が大幅に延期され、また年間スケジュールも変更されたスーパー耐久シリーズ。待ちに待った第1戦が、宮城・スポーツランドSUGOで開幕した。一方、サーキットでは被災地でもあるこの地でレースを行うにあたり、 「がんばれ東北!! たちあがろう宮城!!」をスローガンにイベントを開催している。また、STEL(スーパー耐久エントラントリーグ)も被災された地域の方を対象にレースへ招待するなど、支援活動が行われた。

 オフシーズン中のテストが見送られたため、今回は土曜日にSTELが1時間×3回の専有走行を実施。小雨の中、途中からは霧が発生するという必ずしもいいコンディションではなかったが、翌日のワンデーレースに向けて、念入りに準備作業が行われた。

 PETRONAS SYNTIUMチームは、ディフェンディングチャンプの1号車におなじみの谷口信輝、柳田真孝両選手を据え、ルーキーのドミニク・アンを、そして28号車には、片岡龍也とファリーク・ハイルマンのコンビに加え、フェイ・ホン・オオイを新たに迎え入れ、今季を戦う。一方、レースではシリーズ戦としてSTXクラスが誕生。ST1クラスを上回るパフォーマンスと言われるこのクラスにAudi R8が参戦するため、総合の順位争いは極めてタフな戦いになることが予測される。さらに、ST1クラスではチームの2台のBMWに加え、新たに2チームがBMW Z4M COUPEで参戦。レースでの激戦に注目が集まりそうだ。

 迎えた日曜。台風2号の日本列島通過に伴い、あいにくの天候となったSUGO。だが幸い、思ったほどの雨量にはならず、予選が始まった。Aドライバーの予選では、谷口(1号車)と片岡(28号車)が出走。双方ともクリアラップをうまく確保し、谷口は1分40秒996でST1クラストップタイムをマーク。片岡はブレーキバランスを気にかけてのアタックだったが、1分41秒191のタイムでST1クラス2位のポジションを得た。Bドライバーの予選には、柳田(1号車)とハイルマン(28号車)のふたりがアタックを行う。ユーズドタイヤをうまく活用した柳田は、1分40秒707をマーク。谷口同様、クラストップに立ち、最前列グリッドを獲得することに成功した。一方、今シーズン初のアタックとなったファリークは、いまひとつリズムに乗り切れなかったのか、思うようにタイムが伸びず。さらにコース上にまかれたオイルの影響で、チェッカーまで2分を残してセッションは赤旗中止になるという不運が。結果、1分45秒384のタイムに甘んじたが、合算タイムによりクラス2位からスタートを切ることになった。

 一方、スーパー耐久デビューを迎えたルーキーのふたり、1号車のドミニクと28号車のフェイ・ホンは、Cドライバー予選に出走。雨量の多い中でのアタックになったが、ともに貴重な経験を積む機会を得たといえる。

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■決勝 天候:雨 気温:17℃(午後1時現在)
■ No.1:1位優勝 (86L/2:39'14.523)  No.28:2位 (85L/2:39'26.908) *ST1クラス順位
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【雨、そして霧…。不安定なコンディションを乗り越え、1-2フィニッシュを達成!】

 午前の予選が終わると、一旦雨も止み、空も明るくなったスポーツランドSUGO。だが、ダミーグリッドでスタートを待つ31台の上空には雨雲がびっしりと広がり、再び雨が落ち始めた。

 午後1時40分、3時間先のゴールを目指してレースがスタート。1号車のスタートドライバー谷口は、早速トップSTXクラスの21号車を追い立てる。また、28号車の片岡は4輪駆動の強みを生かして逃げようとする2台のST2クラス車両を逆転すべく、果敢にアタックを始めた。その甲斐あり、オープニングラップで1台、そして3周目にもう1台を抜き、その勢いのまま1号車を追いかけた。ところが、片岡は18周目に想定外のピットイン。これはシートベルトのトラブルにより、修復を要したため。結果、遅れを取り戻すべく、片岡がハイペースで周回を重ねることになった。

 一方、1号車は谷口が42周目にファステストラップとなる1分41秒655を叩き出すなど、順調に周回。45周を終えてピットインし、ルーキーのドミニクへとステアリングを委ねた。初のレースで走りに集中するドミニクだったが、にわかに出始めた霧のため、セーフティカーがコースイン。そこでチームは戦略を変更し、ドミニクから柳田へ早めの交代を決断する。

 また、28号車はスタートからおよそ1時間後となる35周終わりで片岡がピットイン。ファリークへとスイッチし、引き続きポジションアップを目指した。しかし次第に天候が悪化。雨量は少ないものの霧が深くなり、存分にプッシュできない状態。だがファリークは豊富な経験の下、落ち着いたレース運びを披露する。

 およそ5分でセーフティカーは退去。しかしその後も不安定な天候に変わりはなく、PETRONAS SYNTIUMチームにとっても緊迫した状況での戦いを強いられることになった。レースは終盤を迎え、霧がさらにコースを包んでいく有様。1コーナーへと進入する車両がはっきりと確認できない状態を受け、ついに2度目のセーフティカーが導入される。そしてこのタイミングに合わせ、28号車がピットイン。ファリークからフェイ・ホンへと交代した。

 コース上は天候の回復を期待してセーフティカーの先導が続いたが、濃霧は辺り一面に広がるばかり。コントロール下にあってもコースアウトする車両も出たことから、午後4時21分、赤旗中止をもってレースは終了。1号車はST1クラスでの優勝を果たし、ディフェンディングチャンピオンとして最良の結果を残した。一方、28号車は序盤のハプニングを乗り越え、クラス2位でチェッカー。これにより、PETRONAS SYNTIUMチームはST1クラスでの1-2フィニッシュをもって、開幕イベントを終えた。

◆鈴木哲雄監督
不安定な天候の下、1号車はレース展開の流れに沿ってうまく対応することができ、結果にもつなげることができました。一方、28号車は思わぬトラブルでピットインを強いられることになりましたが、粘りある走りでうまくレースをまとめてくれたと思います。今年も強いPETRONAS SYNTIUMチームの活躍をお見せできるようにがんばります。

◆No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
谷口信輝
待ちに待った開幕戦があいにくの雨になりましたが、クラス優勝を果たすことができてよかったです。クルマの調子もよく、またピットワークもうまくできました。柳田、ドミニクと一緒にみんなが自分の仕事をこなすことができたので、今後もこの勢いで結果を残していきたいと思います。

柳田真孝
タイミングよくピットインし、交代できたのは良かったと思います。Audi R8との差が縮まり、抜けるチャンスがあるのではないかと思ってがんばりましたが、霧がひどくなったため、かないませんでした。それでも今日の結果には満足しています。

ドミニク・アン(DOMINIC ANG)
今季、スーパー耐久シリーズに参戦する機会を与えてくれたみなさんに感謝します。初めての決勝でクラス優勝ができたのでとてもうれしいし、チームメイトのふたりからもたくさんのことを学びました。次のレースでも勝てるようにがんばります。

◆No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
片岡龍也
4輪駆動のため雨で有利なST2クラスの車両をスタート直後にパスしようと果敢に攻めた結果、うまく逆転できたことはとてもよかったと思います。しかしその後、シートベルトのトラブルでピットインしなければならずとても残念でしたが、その後も懸命に追い上げました。今回は小さなトラブルが続いたぶん、次回はいい戦いができると思います。

ファリーク・ハイルマン(FARIQE HAIRUMAN)
今日は雨と霧という不安定な中でレースをすることになったので、とてもタフな戦いになりました。その中でクラス2位という結果を残すことができてうれしいです。

フェイ・ホン・オオイ(FEI HOONG OOI )
厳しいコンディションの中で、最後までレースをすることができてよかったと思います。チームがみんな懸命に仕事をし、僕もそこから多くのことを学びました。次のレースが待ち遠しいです。


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