スーパー耐久シリーズ2011
第4戦「SUPER TAIKYU SUZUKA 300km RACE」
2011年10月22-23日
10月22-23日、鈴鹿サーキットにてスーパー耐久シリーズ2011第4戦「SUPER TAIKYU SUZUKA 300km」が開催され、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台が総合1-2フィニッシュを果たし、ST-1クラスにおける開幕からの4連勝を達成。今回は、WTCC日本ラウンドとの併催イベントであり、またその一方でST-Xクラスが出走しない一戦ではあったが、PETRONAS SYNTIUM の2台が互いを意識した熱いバトルを展開、最後の最後まで勝利の行方をめぐる攻防戦を繰り広げ、観客を沸かせた。
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■予選 天候:曇り 気温:23℃(午後3時現在)
■ No.1:2位 (4'25.394)、No.28:1位 (4'24.226)
*A、Bドライバー合算タイム/ST1クラス順位
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【不安定な路面をもろともせず、実りあるアタックを披露】
ようやく今シーズンの後半戦に入ったスーパー耐久シリーズ。今回、鈴鹿サーキットで行われた一戦は、世界ツーリングカー選手権(WTCC)日本ラウンドとの併催イベントということもあり、ピットはスーパー耐久車輌に限らず、カラフルなボディカラーが揃うWTCCの車輌が一堂に集まり、華やかな雰囲気がサーキットを包み込んだ。
前回、岡山からの戦いから約2ヶ月。チームでは金曜日のスポーツ走行から出走を開始、1時間×3セッションが用意されたが、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの1号車は最後のセッションを前に、セットアップなどの確認が済んだとして走行を終了。28号車は、まず片岡龍也がセットアップを行ったあと、ルーキードライバーのフェイホン・オオイの慣熟走行に充てることとした。
天気予報では土曜は相当量の雨になるということであったが、前日の夜に降っただけで、当日の朝はすでに曇り空。路面は少しばかり濡れてはいたが、ひと足先にWTCC車輌が練習走行を行っており、それを見る限りはほぼドライに近い状況であることがわかる。午後1時からスタートした予選は、ウェット宣言こそ出されていたが、チームは迷うことなくスリックタイヤをチョイス。1号車に柳田真孝、28号車には片岡が乗り込み、アタックが始まった。まるでシーソーゲームのように交互にベストタイムを更新し続ける柳田と片岡だったが、アタック終了間際に片岡がトップタイムとなる2分11秒667をマーク。一方、柳田は2分12秒576に留まり、2位となった。
Bドライバーのアタックは午後1時50分にスタート。1号車はドミニク・アン、そして28号車はファリーク・ハイルマンがアタックを担当する。小気味よくペースアップするファリークに引っ張られるように、ドミニクもベストラップ更新に成功。結果、Bドライバーのタイムアタックでも28号車が先行し、ファリークが2分12秒559を、そしてドミニクは2分12秒818をマークして、アタックを終了した。結果、A、Bドライバー合算タイムによって、28号車が前回・岡山に引き続きポールポジション獲得を果たし、1号車は2番手となり、PETRONAS SYNTIUMチームがフロントローを独占することとなった。
最後のCドライバー予選では、1号車の谷口信輝と28号車のフェイホン・オオイが出走。決勝に向けて、谷口はセットアップの煮詰め、そしてフェイホンは安定したレースラップを刻むための練習を兼ねるなど、それぞれの仕事を順当にこなし、走行を終えた。
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■決勝 天候:晴 気温:25℃(午後3時現在)
■ No.1:1位優勝 (52L/2:03'25.876) No.28:2位 (52L/2:03'26.104)
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【異なる戦略でチームバトルが激化。4度目の1-2フィニッシュを盛り上げる】
土曜は夕方遅くから雨となり、降ったり止んだりが暫く続いたが、明けて決勝日はうす曇を経て、眩しく晴れ渡る朝を迎えた。その後、午後遅くになって通り雨になった鈴鹿だが、スーパー耐久の決勝は午前中にスタートしたため、雨の影響を受けることはなかった。
午前10時、ローリングラップによって52周・300kmの戦いがスタート。トップを切って1コーナーに向かったのは、ポールからスタートを切った28号車の片岡。2番手の1号車はこれをピタリとマークした。早速2台のバトルが始まるかと思いきや、コース上でのクラッシュが現われ、コース改修の間、セーフティカーが導入された。その後、レースが再開されてもトップ28号車の快走は続き、トップのままで18周目のピットインを行った。
片岡からファリークへ、併せてガス補給とタイヤ交換を行った28号車。一連の作業を終えて、コースに復帰する。その傍らで今度は1号車が1周遅れでピットイン。柳田からドミニクへ、そして1号車のピットクルーが行ったのは、なんとタイヤ交換のみ。これにより、1号車は28号車に先がけてコースに復帰。ピット作業での逆転に成功した。
1号車のドミニクはニュータイヤ、そしてクルマが軽い状態での走行できるため、28号車のファリークからの追い上げをさほど気にすることなく自分の走りに集中することが可能に。さらに、チームでは10周後にドミニクをピットインさせる作戦を採った。これは、いわゆるタイヤの“おいしい"ところを最大限に活かせる周回数を考慮した結果であり、1号車が逆転優勝を目指して考え抜いた作戦でもあった。ピットへと滑り込んだドミニクから谷口へとスイッチした1号車。なんと今度はガス補給のみを行う作戦に出た。つまり、谷口はこれからさらに23周にわたって中古タイヤで走行することを選択したのだ。
対する28号車は、1号車の2度目のピットインで暫定トップを奪取。ファリークが依然順調に周回を重ね、37周を終えてピットへと滑り込んだ。その前周、1号車へのマージンは47秒弱。リードを死守するため、1号車も独自の作戦を敢行する。それはガス補給と左前後、2輪のタイヤ交換、そして再度、片岡がドライブし、追い上げるというものだった。
ポールポジションからのスタートを切った片岡にとっては、なんとしても今回勝利したいという気持ちが大きい。だからこそ、ベテランドライバー谷口との一騎打ちのために、再びドライブすることを選んだ。コース復帰直後、2台のタイム差は12秒弱。逃げる1号車の谷口を追う28号車の片岡は周回ごとにギャップを縮め、チェッカーまであと4周という時点で、ついに1.468秒差まで追い詰めた。
すでにタイヤをコントロールすることが難しくなっている谷口も見事な応戦を見せるが、それでもセミファイナルを迎える頃には、2台の差は0.502秒まで縮まった。そして、ラップタイムで勝る片岡も持てる力を振り絞り、先行する谷口へと果敢に挑んだのだが…。なんとファイナルラップを迎えた130Rには、無情のイエローフラッグが…。逆転のチャンスを減らすことになった片岡だったが、それでも最後までアクセルを緩めることなく攻め抜き、PETRONAS SYNTIUMチームの2台が立て続けにチェッカードフラッグを受けた。
終始、激しい攻防戦を見せたチームメイト同士の戦いにスタンドの観客も騒然となったが、1号車に次いで28号車がフィニッシュし、チームは今季4度目となる1-2フィニッシュを果たすことになった。
◆鈴木哲雄監督
今回は28号車がポールポジションを獲得していたので、1号車は朝のコンディションを見てから戦略を決めたようです。優勝するため、まず柳田が満タンの状態でスタートを切り、次のドミニクはタイヤ交換のみ、それで最後は谷口がタイヤ無交換で走るという作戦は燃費を考えても大丈夫でしたが、3人それぞれがキチンと仕事をしなければ完遂できない作戦でした。見事だったと思います。一方、28号車は優勝こそできなかったですが、ファリークのペースも極めてよく、また最初と最後に出走した片岡もいいバトルを見せてくれました。最終戦も2台のチームメイト同士の白熱戦に期待してください。
◆No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
柳田真孝
今回のレースウィークでは、28号車のほうに流れがあるように感じていました。その中で、僕たちが優勝するには何が必要かという話になり、最後をタイヤ無交換でいくという戦略につながりました。スタート時に僕が装着したタイヤもマイレージを重ねていたのでかなり厳しかったのですが、なんとかマネージメントし、次につなげることができてよかったです。最後は谷口さんのガンバりが活きたレースになりました。
ドミニク・アン(DOMINIC ANG)
接近戦をみなさんにお見せすることができてよかったと思います。終盤の谷口さんと片岡さんのバトルもスゴかったし、そんな中で優勝することができたのは、谷口さん、柳田さんのおかげだと思っています。残るもてぎの2戦でも優勝を目指します。
谷口信輝
28号車がいい感じで予選アタックを行い、ポールポジションを獲得していたので、決勝でも向こうが有利になりそうな感じがありました。そこで、僕たちも色々考えて作戦を立てました。結果、それがうまく行き、優勝することができてよかったです。まず大事だったのは、スタートを担当した柳田が28号車の片岡にしっかりと着いて行ってくれたことが大きいですね。ここで差をつけられることなく次のドミニクへとバトンをつなぐことができました。彼もまたファリークとのバトルを戦い抜くことができたし、今日は1号車全員でいい仕事ができたと思います。流れは28号車にあったものの、なんとか戦略で1号車が凌いだ、という感じですね。
◆No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
片岡龍也
今日のスタート時は燃料を軽めにしていきました。できるだけ1号車との差を開いておきたかったんです。ところが、後ろとの差が開かず…。どうやら、燃料を積んだクルマの状態のほうが、路面との接地の関係でいいグリップを得ることができたようですね。その点の確認が十分にとれていなかったのが悔しいですね。タイヤ無交換は正直難しい状態でしたので、最後のスティントでは左の前後2本のみ交換し、追い上げを狙ったのですが、あと一歩及ばず、という感じでした。最後に130Rでイエロー(黄旗)が提示されていたのがイタかったですね。つぎのもてぎではこの借りを返したいと思います。
ファリーク・ハイルマン(FARIQE HAIRUMAN)
今日の結果には満足しています。1号車とすばらしいバトルをしてくれたチームメイトにも感謝しています。最終イベントになるもてぎでは必ず優勝できるよう、ガンバります!
フェイホン・オオイ(FEI HOONG OOI)
すばらしいレースでした。チームメイトのファリークと片岡さんはとてもいいレースをしてくれたと思います。勝利まであと僅かでしたが、今度はもてぎでのレースで優勝できるように僕も頑張ります。
