スーパー耐久シリーズ2010
第5戦「スーパー耐久&F3レース in 岡山」
2010年9月4-5日
6月末の第4戦から丸二ヶ月。シリーズ後半戦を迎えたスーパー耐久の第5戦が、9月4-5日に岡山・岡山国際サーキットで開催された。記録的な酷暑に見舞われた今夏、9月に入ってもなおその暑さは依然厳しく、レーシングカーという密室の中で戦うドライバーには、まさにサバイバルな一戦となった。
容赦ない猛暑の中、PETRONAS SYNTIUMチームでは予選でフロントローを独占。しかも1号車にいたっては、第2戦以降4戦連続のポールポジションを獲得、磐石の体制をライアルたちにアピールした。
レースでは、まず1号車がスタートダッシュを見せ、28号車に対しても大きなマージンを築く好走。2度のルーティンワークも無事に済ませ、申し分のないレース運びでシリーズ5連勝を達成する。一方の28号車。序盤こそ後続のGT-Rやポルシェ勢との攻防戦になったが、コンスタントなラップタイムを刻み続け、2位をキープ。結果、PETRONAS SYNTIUMチームは、第3戦以来の1-2フィニッシュを達成することになった。
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□■ 9月4日 予選 天候:晴
■□ No.1:1位 (3'13.387) No.28:2位 (3'14.722) *タイムはA、Bドライバー合算タイム
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【PETRONAS SYNTIUMチーム、予選でフロントローを独占!】
後半戦最初の戦いは、岡山国際サーキット。タイトなコーナーを合わせ持つテクニカルなショートサーキットとして知られる。昨年は、ワンデーレースでの開催であったが、今年は全日本F3選手権との併催になり、土曜日に予選、日曜日に決勝が行われる。
まず、金曜日の公式練習で合計3時間の走行を消化。暦の上ではすでに秋ではあるが、実際は残暑が厳しく、早速暑さとの戦いが待ち受けた。その中で、チームでは予選、決勝に向けてのクルマ作りを順調に進め、無事すべてのセッションを終了している。
迎えた土曜日の予選。気温32度、路面温度42度のコンディションの中、Aドライバーのタイムアタックが始まる。チームで最速タイムをマークしたのは、28号車のPETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEをドライブする片岡龍也。1'36.640のタイムでトップに躍り出た。これにわずか0.007秒という差で続いたのが、1号車の谷口信輝。両者揃って他のライバルを引き離した。
続いてBドライバー予選では、1号車の柳田真孝がトップタイムとなる1'36.740をマーク。28号車のファリーク・ハイルマンも1'38.082のタイムで2番手に。結果、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台がフロントローを獲得することに成功した。
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□■ 9月5日 決勝 天候:晴
■□ No.1:優勝 (3:04'21.324)109周 No.28:2位 (+37.518)
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【1号車、シーズン5連勝を達成。28号車も2位獲得】
前日に続き、決勝日も強い日差しが照りつける一日となった。朝のフリー走行では、28号車が総合トップタイムをマーク。微調整した箇所の確認をはじめ、決勝に向けて最後の煮詰めを行った。
決勝は午後1時30分にスタート。気温35度、路面温度43度とさらにハードな条件下で、ドライバーはタフな戦いに挑んでいく。ポールシッター、1号車のスタートドライバーは柳田。通常、谷口がスタートを担当することが多いのだが、実は先のSUPER GTレースで足裏を火傷しており、まだ十分に完治していない。ドライバーへの負荷やリスクなどを考慮し、まず着実にトップとしてレースを牽引することを優先したチームは、柳田にスタートを託すことにした。
チームの願いどおり、柳田は周回ごとに2位以下との差を広げていく。28号車のハイルマンも序盤こそ柳田に追随していたが、次第に間隔が開き、20周を終える頃には1位と2位の差が11秒超になった。
1号車がピットインしたのは39周終了時。イムラン・シャハロムへとスイッチする。28号車もその1周後にピットへ。こちらは片岡がクルマに乗り込み、コースへと向った。こーす上では、ベテラン・片岡のペースがシャハロムを上回り、周回を重ねるごとにその差が徐々に縮小。一時は30秒近くあった差が、15秒ほどの差にまで詰まり、チームメイト同士の緊迫したバトルになることも予想された。
だが、74周終了で1号車のシャハロムがピットイン。ドライバー交代、給油、タイヤ交換のルーティンワークをスムーズにこなして、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEがピットを離れていく。そして、このクルマに乗り込んだのは、谷口ではなく柳田。1号車がピットインする前周、2位走行中の28号車との差は約7.2秒。守れないギャップではないが、現在シリーズランキングをひた走る1号車としては、完璧な勝利を目指したいところ。さらに開幕戦から続く連勝記録も更新したい。ベテラン・谷口は怪我が気になるとはいえ、ステアリングを握れば目標達成できるはず。しかしながら、チームはさらに磐石な戦いをすべく、再び柳田を投入する決意を固めた。
重責を負った柳田だが、しっかり任務を遂行。丁寧ながらも最後まで攻めの走りを続け、3位以下を周回遅れにする力走で、レース終盤に向う。一方、28号車は、1号車のピットインから8周後に最後のルーティンワークを実施。メルビン・モーが最後のスティントを担当した。モーは前後車両との差が開き、ひとり旅状態での周回を重ねたが、集中力を切らすことなく安定したリズムを刻み続け、2位を死守。結果、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台がポテンシャルの高い戦いをしかと披露し、今季4度目の1-2フィニッシュを達成。また、1号車は5戦連続勝利を果たすことになった。
◆鈴木哲雄監督
今回は、作戦通り、思い通りの戦いができました。今回は、1号車と28号車で多少戦略を変える必要があったので、28号車は2番手の片岡で距離を引っ張ることにしました。タイヤを含め、何ら問題はありませんでした。1号車はきちんと結果を出すことができたので、このままうまくいけば、次のハイランドでタイトル決定、ということになると思います。気を抜くことなく、このまましっかりと戦っていきたいですね。
No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
谷口信輝
勝つことを優先し、チームが柳田、イムラン、柳田のオーダーを選択したということです。自分としてはS-GTでの怪我をこのレースにまで持ち込んでしまい、チームのみんなに、ファンのみなさんにとても申し訳なく思っています。そんな状況の中、スタッフに助けられ、またみんながガンバってくれたと思います。この勝利はうれしいです。しかしながら、クルマに乗らずにレースを見ていたので、今日は心がすごく疲れましたね。残り2戦はしっかりといい仕事をして、みなさんに恩返しをしたいと思います。
柳田真孝
今日はたくさん仕事をしました。落ち着いていけましたが、序盤は予想していたよりも路面温度も高く、結構タイヤに厳しい状況でした。でもその中でマージンを作る走りを心がけていました。最後のスティントはおそらく谷口さんが乗っていても、1号車は勝利していたと思います。結果は同じだったでしょう。でも、今回イムランと2人で勝利できたことは、また違った意味でうれしいことですね。
イムラン・シャハロム(Imran Shaharom)
前回は決勝で走らなかったのですが、今回はいい走りができました。すべていい方向にいったと思います。ペース配分もうまくできました。レース中は、ミスひとつしませんでした。ドライバー交代のときには、柳田さんが20秒近くマージンを作ってくれていたので、落ち着いて自分の序盤のスティントを走ることもできました。今日はみんなの頑張りを形にすることができて、とてもうれしいです。
◆No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
片岡龍也
ピットインの予定が45〜50周終わりだったので、一応作戦どおりでした。でも、最長50周を予定すると、あまりタイヤも思うように使えないんです。だから結構コントロールしながら走りました。ベストラップを狙いたかったのですが、それではタイヤを使うことになるし…。と、難しい状況でした。スティント中は長い黄旗区間で周回遅れの車両に道を譲ってもらったものの徐行が長かったりとか、ブロックに遭ったりとか、ちょっとアンラッキーな部分も多かった。でも、与えられた環境の中で頑張れるだけ頑張ったのは確かです。残り2戦で優勝のチャンスが巡ってきたらいいなと思いますね。
ファリーク・ハイルマン(Fariqe Hairuman)
とてもタフなレースでした。暑さはマレーシアの天気と似てるようで似ておらず、空気が乾燥しているので走行中は呼吸するのが大変でした。今までクールスーツを使ったことがないので、今回自分のスティント後半になって、マネージャーさんからクールスーツの調子はどう?と無線で聞かれて初めて、クールスーツのスイッチをONにするのを忘れていたってことに気付いたんです(苦笑)。結果的にはレース中ずっと集中できたので、問題はありません。スタート直後はポルシェやGT-Rとのバトルをして、その中でいい走りができたし、自信もつきました。結果は2位ですが、僕としてはハッピーです。
メルビン・モー(Melvin Moh)
最後のスティントを担当するのが初めてだったので、とても難しく感じました。岡山でのレースも初めてだったし、週末はいい経験をたくさん積むことができたと思います。終盤、トラフィックや天候も含め、様々な要素が重なってドライブも難しい状態でしたが、その中で学んだことは今後のレースに必ず活きてくると思います。ハイランドではさらにいい走りができるよう、片岡さんやファリークともしっかりと話をして、いいレースがしたいと思います。
