スーパー耐久シリーズ2011
第5戦・第6戦「MOTEGI SUPER TAIKYU OVAL & ROAD」
2011年11月26-27日
◎11月27日(日)Final
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■予選 天候:曇り
■ No.1:1位 (3'55.813)、No.28:2位 (3'56.201)
*A、Bドライバー合算タイム
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【不安定な路面をもろともせず、実りあるアタックを披露】
ついに迎えた今シーズン最終戦。スーパー耐久シリーズ第6戦は、11月27日にワンデーイベントとして開催された。前日すでに第5戦として50周のオーバルレースを2戦戦っており、まさに今回がシーズンの集大成になる。
早朝のもてぎはうす曇。底冷えを感じる中、午前8時35分からAドライバーのタイムアタックが始まった。与えられた時間は15分。路面温度が想定よりも低く、十分なタイヤパフォーマンスが発揮できない中でのアタックは多くのドライバーにとって悩みの種となったが、その中でもPETRONAS SYNTIUM チームの谷口信輝(No.1)と片岡龍也(No.28)のふたりは安定したアタックを見せ、確実にタイムを削っていった。また、残り5分ほどで赤旗中断というハプニングもあったが、再開後のワンアタックラップでも彼らはさらに自己ベストを更新するという底力を披露。これによって、1号車は1分57分401を、そして28号車は1分57秒709をマークし、トップ2を占領した。
Bドライバーのタイムアタックは午前9時30分からスタート。Aドライバーの2グループ目で赤旗中断になったことから、10分押しのスケジュールとなった。1号車にはドミニク・アン、そして28号車にはファリーク・ハイルマンが乗り込み、今シーズン最後のタイムアタックに挑む。トップタイムこそ、ライバル9号車のBMW Z4に許したが、ルーキーのドミニクは2番手時計をマークする活躍を披露。1分58秒412のベストタイムはトップと0.083秒という少差であり、彼の成長を証明するものであったともいえる。また3番手になったファリークも2番手のドミニクとの差を0.080秒という僅差に留め、決勝は実力伯仲での激しいバトルに期待がかかった。
最終的にはA、B両ドライバーの合算タイムにより、1号車がポールポジションを獲得。これに28号車が続き、またもPETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台がフロントローからスタートを切ることに成功した。
なお、Cドライバー予選では1号車に柳田真孝が、28号車はフェイホン・オオイが出走。柳田はクルマの確認やタイヤのスクラブなど、決勝に向けて順調に準備を進めたほか、フェイホンは初のもてぎで安定したレースラップを刻むことに尽力するなど、それぞれ仕事を順当にこなした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■決勝 天候:晴 気温:11.9℃(正午現在)
■ No.1:1位優勝 (63L/2:08'37.820) No.28:2位 (63L/2:09'02.174)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【今シーズンのファイナルレース、5度目の1-2フィニッシュで大団円を迎える】
予選が終了すると、次はピットウォークの時間。今季最後のモータースポーツイベントを楽しもうと、お客さんでにぎわった。天気はあいにくのうす曇ではあったが、雨の心配もなく、午後1時からの300kmレースを迎えることになった。
300km、63周に渡る戦いは、スタート直後から火花が飛び散る攻防戦になった。スタートドライバーを務める1号車谷口、そして28号車片岡が、互いを牽制しつつ、チャンスを即活かすというベテランならではの頼もしいレース運びを展開。コースのあちこちで順位を入れ替えるという手に汗握る戦いを繰り広げた。
しばらくすると、リードを奪う1号車に対し、28号車がやや遅れをとり始める。前日、レース中に起こったトラブルが原因なのか、思うようにパワーを得られないような感じだったとレース後に片岡が振り返ったが、ルーティンワークのピットインを前に、2台の差は5秒程度開いてしまった。そして24周を終えた1号車がピットへと飛び込んできた。ドライバーは谷口からドミニクへ。ドライバー交代に加え、ここで行ったのはタイヤ4本交換のみで給油はなし。ドミニクは車重の軽い中、コースに復帰。タイヤに熱が入ると攻めの態勢で周回を重ねた。
一方の28号車はそれから5周後の29周にピットイン。タイヤ4本交換に加え、給油も行った。そしてファリークへとスイッチ。結果、ピット作業に費やした時間が長かったため、ピット作業中に1号車がメインストレートを通過し、再び1号車-28号車というオーダーでレースが進んでいった。
フレッシュタイヤでしっかり攻めの走りに徹することができた1号車のドミニクは12周を走行し、ピットイン。トータル36周を終えて2度目のルーティンワークを行った。ここで1号号車はタイヤ交換をせず、今度は給油のみ。しっかりと補給に時間をかけ、柳田がフィニッシュに向けてコースへ。そして28号車はファリークが23周を走行、トータル52周の時点でピットイン。今度は給油のみを行い、フェイホンがゴールを目指した。
28号車はトップでコース復帰したものの、ほどなくしてその背後に1号車がぴったりとマーク。ルーキーのフェイホンも懸命に凌ぐが、翌周には順位が入れ替わり、1号車が28号車をひっぱるような形でレースは終盤へと向かっていった。結果、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台は同じST-1クラスである位のクルマをも周回遅れにする力走を見せ、今シーズンを締めくくるにふさわしいパフォーマンスで5度目の1-2フィニッシュを達成することとなった。
来シーズンからは、メルセデスベンツSLS AMG GT3での参戦が決定しているPETRONAS SYNTIUM チーム。ST-1クラスからステップアップとなる新たなチャレンジにぜひ期待していただきたい。
◆鈴木哲雄監督
今シーズンもしっかりと日本人のベテラン3選手がレースを引っ張ってくれたと思います。厳しいまでの彼らのレースに対する取り組む姿勢は、マレーシア人の若手3選手にもたくさん学んで欲しいと思いますね。レースは、それぞれのドライバー編成に合わせた戦略で挑みました。どちらの車両もうまくいったと思います。ライバルがチームメイト同士に固定されたシーズンでしたが、その中でもライバル意識を持ち続けることで、つねにいい戦いを見せてくれたことには感謝しています。
◆No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
谷口信輝
シーズン最後のレースなので、28号車のスタートドライバーを担当する片岡とレースを精一杯盛り上げて、お客さんに喜んでもらおうと話をしていました。結果、序盤は互いに抜きつ抜かれつのいいバトルができてよかったと思います。さらに僕らのクルマはペースもよく、速さもあったので、いつしか単独での走行になりましたが、ひと足先に今シーズンのチャンピオンを決めていたぶん、その名に恥じないようなレースもできてよかったです。惜しいのは、昨日のオーバルで勝ち損ねたこと。タラ・レバですが、あそこで勝っていれば、ST-1クラスでの完全勝利が達成できただけに、悔しいですね。
ドミニク・アン(DOMINIC ANG)
レース中のペースがとてもよく、とりわけ、スタート直後の谷口さんと片岡さんのバトルが素晴らしかったです。また、僕にとっても今日のトラックは昨日のオーバルよりも走りやすくてよかったです。今年のチームはスーパー耐久での活躍に留まらず、マレーシアでの12時間レースでも総合優勝を果たすなど、すばらしいシーズンを過ごすことができました。多くのことを学ばせてもらった谷口、柳田両選手とタイトルを一緒に獲れてとても光栄です。また、このような素晴らしいチャンスを与えてくれたことにも大変感謝しています。
柳田真孝
レース序盤から、クルマに警告灯が出ていると聞いていたので、終盤を担当するにあたり、とにかくタイヤ、ブレーキ関係を労わるように走ろうと特に走り始めは気をつけました。トラブルだけは避けたかったし、うまくコントロールすることを心がけていました。結果的にはなにも起こらず良かったです。チェッカーまであと10周を切ったあたりから少し本来のペースに戻して周回しましたが、この時点ではあえて攻める必要もなかったですね。今シーズンの最後のレースで優勝できてよかったです。来シーズンからはまた新たな挑戦が始まりますが、チャンピオン獲得によっていい弾みがつきました。
◆No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
片岡龍也
レースでは、1号車をドライブする谷口さんとのバトルになることはわかっていました。サイド・バイ・サイドになったときには無理せず、リスクを負わず、抜くチャンスがあるときには勝負しようと考えて走っていましたし、それが何度もできてよかったです。ただ、途中からは1号車のペースのほうがよく、その背後につけて走っていると、水温もブレーキもキツくなるので少し差を開けて周回していたのですが、そのうち、1号車との差が開いてしまいました。とはいえ、今日は28号車の3選手がそれぞれいい仕事をして、今シーズン最後のレースを締めくくることができたとも思います。ランキングも2位をキープできてよかったです。
ファリーク・ハイルマン(FARIQE HAIRUMAN)
僕のスティント中は1号車の柳田選手との差を少しでも広げようと思い、プッシュし続けました。しかしながら、ピットストップでの作戦の違いから、最終的には1号車に先行されてしまうことになりました。でも、今日の戦いはシーズン中から見ても、とても手応えあるいいもので、その結果の2位だと思います。僕なりにレースの組み立てもこなし、いい仕事ができました。このようなチャンスを与えてくえたチーム、オーナーに心から感謝しています。
フェイホン・オオイ(FEI HOONG OOI)
無事に今日もレースを終えることができて、本当にホットしているし、とてもうれしいです。僕らの28号車は2度目のピットインを行うまでトップを走っていたので、最後のスティントでもなんとしても1号車の柳田選手を抑えたかったので、ベストを尽くしました。シーズンを無事に終えて、ランキング2位を確保できて良かったと思います。とりわけ、ルーキーイヤーに達成できてうれしいです。来シーズンもまたペトロナスの素晴らしいチーム体制のもと、レースをすることで成長できればいいと思います。
