ツインリンクもてぎで開催されたスーパー耐久シリーズの開幕戦。悪天候の中、ポールポジションからスタートした24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢/GAMISAN/佐々木大樹組が132周を走行し勝利を飾った。

 コンディションに恵まれた予選とは対照的に、春の嵐に見舞われてしまったスーパー耐久シリーズ第1戦の決勝レース。日曜日のツインリンクもてぎは、絶えず風雨の勢いが変化する、難しい状況となっていた。

 そんな中でも圧倒的な速さを見せたのが、ST-Xクラスの24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-Rだ。ポールポジションからスタートを切り、藤井誠暢がホールショットに成功。わずか1周で唯一の対抗馬たる32号車ケーズフロンティアDR Audi R8に3秒もの差をつけ、早々と逃げの構えに出る。しかも、ケーズフロンティアの小林崇志が4周目のV字コーナーで、痛恨のコースアウト。ここでの遅れが最後まで響き、逆にスリーボンドはペースを抑えてなお、追随を許すことのない圧勝となった。

「実は予選までちょっとしたトラブルに見舞われていたのですが、ニスモの方やチームが一生見直してくれて、今日はまったく問題なく走れました。この勝利を弾みに、今年をシリーズが狙えるシーズンにしたいです」と語る藤井が、佐々木大樹とGAMISANとともに表彰台の中央に立った。

 総合2位は、ST-1クラスの9号車Faust Racing BMW Z4が獲得。レギュラーの堀主智ロバートと山野直也に、山野哲也が加わっての参戦で、51号車Diamango BMW Z4とのバトルの末にクラス優勝ももぎ取った。「前から直也とは『一緒にレースしたいね』って言っていて、ジムカーナでは一台のクルマをシェアしたことは何度もあったけど、レースでは初めて。ようやく実現できた上に勝てて本当に良かった」と哲也。

 注目されたインタープロトシリーズの37号車KeePer I.P.Sは、2台のZ4に離されこそしていたが、同一周回での争いを繰り広げていた。ところが、平川亮が自身も「記憶にない」と語るコースアウトを喫し、万事休す。復帰に手間取り、完走を果たすに留まった。

 スタートからわずか1周で宿敵20号車RSオガワADVANランサーの逆転を許したST-2クラス予選トップの59号車STURM MOTUL EDインプレッサ(大澤学/吉田寿博/松田晃司)。だが、雨の中の逃げ足に定評のあるRSオガワもガスケットが抜けてしまっては、その持ち味を維持できず。ペースダウンを余儀なくされて逆転を許し、ピットストップのたび冷却水を補給するロスによって差を広げられていた。STURMはもてぎで2連勝。「スタート担当の僕が抜かれてしまっただけに、大澤くんがギャップを埋めて、抜いてきてくれたというのはチームメイトとして力強い」と松田。

 ST-3クラスでは、前嶋秀司と佐々木雅弘の駆るasset ings Z34の35号車が、絶えずライバルを一切寄せつけぬ走りで独走。「今週はずっとセッショントップだったんで、すごく完璧な週末になったと思います」と佐々木。前嶋からは「全勝」宣言さえも。

 ST-4クラスで序盤のリーダーは、41号車UEMATSU TRACY SPORTS ings S2000。植松忠雄が力走を見せたが、徐々に勢いを増す雨がFRのS2000のペースを鈍らせ、やがて58号車ウインマックスTEINワコーズKRP☆DC5と333号車GLORY A-ONE FN2の先行を許す。そして終盤、そのホンダのFF同士による死闘が繰り広げられる。ラスト1時間で20秒以上あった差をGLORYの野間一が徐々に詰め、ウインマックスの小林康一に迫っていったからだ。しかし、「頑張りました」と語る小林が、「仕掛けがちょっと遅すぎました」という野間を封じ込み、もてぎでの2連勝をピストン西沢、塩谷烈州とともに喜び合うこととなった。

 これがデビュー戦となる、フィット3の予選の速さが大いに話題となったST-5クラスだが、その印象は決勝でも変化がなかった。中でも予選トップだった95号車リジカラFIT3は、義務の3ストップをあえて5ストップとしてライバルを凌駕。これに対し、99号車BRP★J’S RACINGフィット3は燃費走行でロスを最小限としたが、プレッシャーをかけるまでには至らなかった。「これからもまた、今日みたいな楽しいレースがしたいですね」と語る荒聖治が、チームメイトの松井猛敏と中島保典と熱い握手を交わしていた。

 次戦は、5月24、25日にスポーツランドSUGOで第2戦が行われる。

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