開幕を間近に控えたスーパー耐久シリーズ、その見どころを前回はST-XクラスとST-1クラスについて紹介したが、今回はST-2クラスとST-3クラスについて紹介したい。排気量域は2001〜3500ccと共通する2クラスだが、ST-2クラスは四駆が対象で、ST-3クラスは二駆が対象。それぞれやや台数が伸び悩んでいることから、統合も一時は検討されたが撤回された。
まずはST-2クラス。昨年はTOWA INTEC Racingが、チーム結成10年目にして初優勝を飾ったばかりか悲願の王座も獲得。スバル・インプレッサで、ひさびさにミツビシ・ランサー・エボリューション勢に一泡吹かせることに成功した。今年も連覇を目指し、大澤学と吉田寿博、松田晃司の黄金トリオで継続参戦となる。
最大の対抗馬となるのは、もちろん闘将・小川日出生率いるRSオガワだ。最終戦までもつれた争いの末に、惜しくも4連覇の夢は潰えたからこそ、リベンジの思いはいっそう強くなっているはず。これまでランサー・エボIXを走らせてきたが、今年はいよいよエボXを投入。ただし、シェイクダウンは公式テストで済ませたものの、仕上がりが十分ではないことから、開幕戦に関してはエボIXでの参戦になる可能性が高い。ドライバーは引き続き大橋正澄と阪口良平、そしてCドライバーとして近年はタイを中心に活動していた浅井亮博が加わることとなった。
またもう1チーム、ST-2クラスに欠かせないのがシンリョウレーシングチーム。今年も2台体制で挑み、6号車を冨桝朋広と菊地靖が、そして7号車を久々にチーム復帰なった関豊が中心となって走らせることとなっている。
ST-3クラスは、昨年のチャンピオンチームでレクサスGS350を走らせていたOTGモータースポーツが活動を休止。そのため、新旧ニッサン・フェアレディZとレクサスIS350の対決になる。今年も長島正明率いるOKABE JIDOSHA motorsportはZの3台体制に。ただし、うち2台はドライバー編成を変更、5号車は小松一臣と杉林健一、白井剛に、そして14号車は山崎学と伊橋勲、安宅光徳に託された。15号車は長島と田中徹、田中哲也で代わりはない。
テクノファーストレーシングチームも、やはり引き続きZの2台体制に。34号車はラインアップを刷新し、昨年までGR 86/BRZレースに出場していた大西隆生と松原怜史、そしてFCJからの転向となる藤波清斗がドライブする。また、35号車は引き続き前嶋秀司と佐々木雅弘、S-FJの経験を持つ廣川和希を加えた新トリオとなる。藤波も廣川もハコでのレース経験はないが、同チームはかつて佐藤公哉を走らせた経験もあり、フォーミュラ出身者の活かし方も熟知しているので、やがて力強い戦力となることだろう。
またIS350を走らせるTRACY SPORTSは、38号車に植田正幸が、39号車に川口正敬が分かれて乗車、それぞれのパートナーは鶴田和弥と東徹次郎、佐藤晋也と神子島みかとなる。この3チームに共通するのは、いずれもチャンピオン獲得経験があること。シリーズを通じた戦いに長けていることから、そのバトルは例年になく加熱しそうだ。
次回はST-4クラスとST-5クラスについて紹介したい。