富士スピードウェイでの全日本選手権スーパーフォーミュラ第2回公式合同テストが21日で終了し、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が2日間総合のトップタイムをマークした。
前夜に一時的な雨はあったものの、前日に続いてのドライコンディション。午前10時の気温/路温が11/14℃と、前日より冷えた気象条件となったことからタイムの上昇が予想された。
この日は、実際に午前中から1分22秒台続出の展開となるなど、今季スペックのタイヤによる効果を中心としたタイムアップ傾向が、鈴鹿ほどではないにしても、コース特性を問わない現象であることが浮き彫りとなった。
前日のトップタイムは1分23秒424だったが、この日の午前セッションの半ば過ぎには前日首位のアンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO)が最初に1分22秒台に突入。その後は続々と22秒台がマークされるようになる。このセッションは終了間際に伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)がクラッシュしたことによる赤旗終了で、ニュータイヤでのラストアタックを決められなかったドライバーが多かったにも関わらず上位9台が22秒台を記録した。
午後のセッションも最後は赤旗終了となったため、必ずしも各車が全力を出し切れたとは言えない状況に終始しながらも、2日間総合の上位11台が1分22秒台。トップタイムのオリベイラは「タイヤが変わって、100Rをほぼ全開でいけるようになった。しかも今年のタイヤは、プッシュし続けることで継続的に良いタイムを出せる。かなり使い込んでからのタイムもいい」と語る。
そうなると、ドライバーのフィジカル面が厳しくなるのでは? との問いに「グリップが上がってステアリングは重くなっているし、タフになっているよね。開幕戦の300kmはフィジカルテストだ。今夜さっそくジムに行くよ!」と笑いながら答えた。彼のような歴戦のトップドライバーはともかく、経験の浅いドライバーには今季のマシンの速さは過酷な条件となりそうだ。
オリベイラの僚友・松田次生も「35周したタイヤで1分23秒0とかが出せている。うまくいったら、ニュータイヤで21秒台も見えていた状況。一発のタイムも出るし、もつタイヤですね」と語り、オリベイラ同様の手応えを語った。
ブリヂストンのスタッフによれば「ゴムによるグリップ力の変化はそれほどでもないが、主にフロントの剛性を上げたことで応答性が良くなり、それが特に鈴鹿の前半区間などでのタイムアップにつながっている」とのことで、これもIMPUL勢の見解を裏付ける。ただ、素晴らしいタイヤがゆえにドライバー、さらにはマシンへの負担面の不安も当然ながらパドックからは聞こえるようになってきており、そのあたりへの対応も勝敗のカギを握ることになるかもしれない。
総合2番手はカルダレッリで1分22秒610。同僚の新人・平川亮は総合11位ながら、1分22秒964と22秒台に入っており、開幕戦に向けて「予選Q3進出、できればポールポジションを狙いたい」との意気込みを語っている。
PETRONAS TOM'Sは予定どおり初日のみで今回のテストを切り上げており、レギュラーマシン勢の2日目の参加は17台。前日午前のクラッシュで午後は走れなかった小林崇志(TEAM無限)も戦列に復帰した。また、韓国人選手のキム・ドンウンとチェ・ヘミンは前日同様、ホンダエンジン搭載車に交代で搭乗し、この日のベストはドンウンが1分27秒193、ヘミンが1分26秒033だった。
この後、全日本選手権スーパーフォーミュラは26日に選手権概要発表会とインジェ戦調印式を東京国際フォーラムで行い、4月13〜14日に鈴鹿サーキットで開幕を迎える。
