10月7日、オートポリスにおいて前日に引き続きスーパーGTのタイヤメーカーテストが行われ、GT500ではD’station ADVAN GT-Rが、またGT300ではTOYOTA PRIUS apr GTが、ともに前日に記録された非公式レコードタイムを上回ってトップとなった。
前日同様良く晴れたオートポリス。前日クラッシュを喫したシンティアム・アップル・ロータスを除く16台がタイヤテストに臨んだ。朝の2時間のセッションは10時にスタート。開始早々にD’station GT-Rが1分34秒082と前日のレコードタイムを0.129秒上回った。またMOTUL AUTECH GT-R、WedsSport ADVAN RC Fも1分34秒台に入れ、順調にテストメニューをこなした。GT300では、TOYOTA PRIUSがこちらも前日のレコードタイムを上回る1分44秒783をマーク。どうやら、前日の走行で路面にラバーが乗り、グリップがアップしているようだ。
セッションが1時間15分を経過した頃、初日のクラストップとなったARTA CR-Z GTがアンダーブリッジ手前でスピンし、タイヤバリアに突っ込み赤旗中断に。「ピックアップの対策のためにいろんな走りを試していたら挙動が乱れました」とドライバーも高木真一も苦笑したが、幸いなことにマシンに大きなダメージはなかった。この中断により朝の走行は14分間延長されている。
14時からは、2日間の最後となる午後のセッションがスタート。新品タイヤを装着してタイムアタックをするチームもあったが、路面温度も上がっておりなかなかタイムアップはならず。各チームは決勝レースを想定したロングランテストに入っていき、このセッションは一度の赤旗中断もなく予定どおり2時間で終了した。
そんな中、午後のセッションではカルソニック IMPUL GT-Rが唯一1分34秒台をマークし順調にセットアップを煮詰めた様子。PETRONAS TOM’S RC Fもこのセッション終盤に2番手に上がったが、全体的にはGT-R勢が好調さを見せるテストとなった。
第7戦では今季3基目となるエンジンの投入が予想されるが、それについてニッサンの柿元邦彦総監督は「パワーアップした新しいエンジンを開発してベンチでテストしていますが、第7戦に実戦投入するのかはまだ決めていません」と慎重なコメント。今回のテストが好調だっただけに、最終戦まで“新兵器”を温存する可能性もあるかもしれない。
GT300ではブリヂストンユーザーが好調だったが、午後に大きくセッティングを変更したSUBARU BRZ R&D SPORTが2番手に順位を上げ、2日間の総合でも4番手となった。
2日間でトップとなるタイムをマークしたD'station GT-Rの佐々木大樹は「ニュータイヤでの一発アタックも中古タイヤでの走りもいいペースで走れたので、レースウィークがとても楽しみです。チャンピオン争いをするためにはオートポリスで勝たないといけないですし、勝てばチャンスも見えてきます。タイヤだけでなくクルマも調子が良く、充実したテストになりました。レースの時にはもっと寒くなってしまうと思いますが、それも十分考慮したテストで、手応えを感じています」と満足そうな笑顔を見せた。
またGT300でのトップとなったTOYOTA PRIUSの嵯峨宏紀は「順調なテストになりました。実戦で使うタイヤは持ち込んでいなかったのですが、それはそれで内容の濃いものになりました。レースでは時期的にピックアップが心配ですが、それにも対処できると思います。逆転タイトルを狙うためにも残り2戦は全て勝つしかないという気持ちですし、テストでもトップを獲るしかないという中でトップを獲れて良かったです。まだまだクルマは重いですが、それなりに走れているという感触でした」とこちらも手応え十分な表情を見せていた。
