BMW Sports Trophy Team Studie

[レポート]2014オートバックスSUPER GT第8戦 MOTEGI GT 250km RACE

デビューイヤーの2014年は
ドライバーズランキング3位に入賞

2014年11月15日(土)公式予選(天候:晴 路面状況:ドライ)
2014年11月16日(日)決勝(天候:晴 路面状況:ドライ)

場所:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町/全長4.801km)

予選はQ2進出ならず14番グリッドからスタート
決勝レースで巻き返して7位でフィニッシュ

 BMW Sports Trophy Team Studieは予選14位、決勝7位でゴール。デビューイヤーの2014年は、ドライバーズランキングおよびチームランキングにおいてシリーズ3位に入賞した。

 2014シリーズの最終戦に狙ったのは“チームランキング"と“ドライバーズランキング"の両方でトップになること。そのためには第8戦のツインリンクもてぎでチームが優勝し、同じくBMW Z4 GT3で参戦するNo.4 グッドスマイル 初音ミク Z4が4位以下になることが、その達成条件となる。まず、もてぎで優勝するには圧倒的に速いNo.11 GAINER DIXCEL SLSが前に立ちはだかる。実際、2013年最終戦のツインリンクもてぎでは後続を大きく引き離してゴールしている。さらに、試合巧者であるNo.4 グッドスマイル 初音ミク Z4が年間チャンピオンを前にして4位以下に沈むとは考えられない。正攻法で闘えば上位入賞は狙えても、タイトル獲得の可能性は極めて低い。

 そこで、他チームが採用しない戦略を採用することで、ある条件下において圧勝するプランを選択した。山間部にあるツインリンクもてぎは11月になると急激に冷え込む。しかも第7戦のタイの影響で昨年より10日以上も開催が遅い。そこで気温、路面温度ともに低いとき、パフォーマンスを最大限に発揮するタイヤを調達したのだ。厳しく底冷えするという、ただひとつの条件が発動すれば、ポールトゥウィンさえ視野に入る独擅場が用意される。気温が下がらなければ…作戦は無効化される。ひと言でいえば賭け。ハイリスク・ハイリターンを敢えて良しとして実行に移した。

 皮肉なことに、レースのあるウィークエンドは透き通ったような秋晴れに恵まれ、気温は15度以上。日差しがあるところでは路面温度が上昇。それは作戦上要求される路面温度を大きく上回る23度だった。

 14日の公式練習で用意したタイヤを使用。1発のタイムこそ出るものの、周回を重ねられず、実践投入できないことが確定的となった。超攻撃的フォーメーションで挑んだ最終戦は、肝心のエースストライカーが機能しない事態となったのだ。

 そこでチームは、あくまでバックアップとして用意しておいた、岡山国際サーキットで使った実績のあるタイヤを代用。しかし、これは逆に11月のもてぎでは路面温度がやや低く、望んだグリップレベルを得られない。

 何より頭を悩ませたのは、あくまでバックアップであったため、このタイヤのセット数が限られていたこと。フリー走行でセッティングのために使えるタイヤがなく、ぶっつけ本番で予選に挑まなければならない。また、予選で使うタイヤも決勝で使用することを見越して酷使することができない。予選はQ2に進出できず14位にとどまる。予選Q1をまだ数分を残してヨルグ・ミューラー選手がピットに戻ったのは、タイヤを温存しなければならなかったからだ。

 事実上の終戦ととらえかねない状況ではあったが、チームは諦めることなく、今できるプランを精査してベストを尽くす。決勝は荒 聖治選手がスタートを務め、タイヤを温存しながら最小限のラップを重ねて、ヨルグ・ミューラー選手にバトンタッチする作戦。そしてタイヤは無交換とした。

 決勝スタート。14番グリッドから飛び出した荒 聖治選手は、微妙にアタマを押さえられる格好となりペースが上がらない。それでもタイヤを労わりながら巧みに12番手にまでアップ。熱い思いをひた隠しにして、コントロールラインを通過する姿をチームクルーの全員が見守る。

 15周目。どのマシンよりも早く、ピットロードにヨルグ・ミューラー選手が立つとメインスタンドがどよめいた。

 このドライバーチェンジのために、荒 聖治選手→ヨルグ・ミューラー選手の一方通行の交代手順を何度もシミュレーション。その甲斐ありがスムーズにチェンジ。給油をすませ、温まったタイヤはそのまま、再びエンジンの咆哮を上げて弾けるように飛び出す。ピットストップは23秒。悪くない。

 アウトラップで一旦21位にまで順位を落とす。前を行くマシンが徐々にピットインし始めて18番手にアップ。さらには20周目にはNo.86 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3をかわすなど、淡々とタスクをこなすヨルグ・ミューラー選手。22周目には15番手まで順位を戻すものの、「リアタイヤのグリップが不足している」と無線が入る。しかし行けるところまで行くしかない。「どんどん前へ行こう!」と高根裕一郎チーフエンジニア。32周目には10番手、33周目には9番手、35周目には8番手とオーダー通りにプッシュするヨルグ・ミューラー選手。すると目の前を走っているのは、No.3 B-MAX NDDPGT-R。前戦のタイで抜けず、優勝を逃した相手だ。ヨルグ・ミューラー選手はジワジワと追い詰め、38周目ついにGT-Rをパスする。このとき7番手。しかし、ここからは先行するマシンとタイム差が開いている。タイヤの消耗も著しい。ヨルグ・ミューラー選手とNo.7 Studie BMW Z4は、そのまま7位で最終戦のチェッカーを受けた。

 優勝は後続を30秒以上引き離してポールトゥウィンを飾ったNo.11 GAINER DIXCEL SLS。2位はNo.31 OGT Panasonic PRIUS、盟友No.4 グッドスマイル初音ミクZ4は3位に入賞した。また、予選でクラッシュしたマシンを修復して決勝に出走したNo.60 TWS LM corsa BMW Z4は15位につけた。最終戦の結果を受けて、BMW Sports Trophy Team Studieはドライバーランキング、チームランキングともに3位で2014年デビューイヤーの幕を閉じた。ドライバーズランキングトップはNo.4 グッドスマイル初音ミクZ4を駆る谷口信輝選手、片岡龍也選手が獲得。両選手の奮闘、優れたエンジニアリングとともに BMW Z4 GT3のパフォーマンスを改めて証明した。

[関連サイト]
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