今季ダラーラ製の新型シャシーSF14を導入、トヨタ、ホンダの両メーカーが製作した2リッター直4直噴ターボエンジンを搭載しエキサイティングなレースが展開されている全日本選手権スーパーフォーミュラだが、第5戦オートポリス、第6戦スポーツランドSUGOで、燃料流量リストリクターが絞られる可能性がありそうだ。
スーパーフォーミュラでは2014年から新車SF14が導入され、“NRE”と呼ばれるユニークな燃料流量リストリクターを使用した2リッター直4直噴ターボエンジンが搭載されている。この燃料流量リストリクターは、限られた資源であるガソリンの使用量を制限し、その中でいかに熱効率を高めパワーを絞り出すかが重要となる画期的なものだ。
パワーの調整は流量リストリクターを通る燃料の噴射量によって定められているが、この燃料流量リストリクターやブレーキの仕様について、スーパーフォーミュラ第2戦富士の予選日にメディア向けに行われたサタデーミーティングの場で、JRPとトヨタ、ホンダの両メーカーの責任者から、今後の開催サーキットについて仕様を合わせていく可能性が示唆されている。
まず、第4戦の舞台になるツインリンクもてぎは、国内で最もブレーキに厳しいサーキット。これに対し、すでに5月の時点でSF14が2台持ち込まれテストが行われているが、「ご存知のとおりもてぎはブレーキが厳しいサーキットで、このクルマでレースに対して課題が何か、車両側で対策品を入れているのでそれがきちんと機能するかを試験しました」というのはトヨタの永井洋治プロジェクトリーダー。これについては、テストで得られたデータをもとにJRPで解析しているという。
また、オートポリスとSUGOについては、燃料流量リストリクターを絞りパワーを抑制する可能性があるという。「なぜふたつのラウンドを絞るかというと、皆さんも感じているかもしれませんけど、SUGOではSF13でも充分に速すぎるくらいだったんです。そこで燃料を10%絞る仕様にします」と永井リーダーは説明した。
「オートポリスでは、自然吸気の場合は(サーキットの標高の関係で)何もしていなくても8%性能が下がっていたんですが、ターボだと過給できてしまうので、去年よりも性能がアップしてしまうんです。そこで、8%なのでキリがいいところで10%絞ると。その2戦はリストリクターを絞る方向で、JRP、ホンダさんと話をしています」
今季はスーパーGTでも大幅に向上したスピードに対し、従来のサーキットに対し安全性に不安の声が挙がり、オートポリスとSUGOのレースでは“ロードラッグ仕様”と呼ばれるダウンフォースを減らすエアロキットが採用されることになった。
ただ、スーパーフォーミュラではこのオートポリスとSUGOでの燃料流量リストリクター調整が決定した訳ではなく、そのままでも良いのではないかという意見もあるという。いずれにしろ、この後SUGOでJRPによるテストが行われる予定であり、そこで仕様が決定することになるはずだ。
