Team Kurosawa インタープロトシリーズ開幕戦
ジェントルマンクラスは谷口選手が2連勝を飾る!
いよいよ、IPS(インタープロトシリーズ)の開幕戦が富士スピードウェイで開催された。短いオフシーズンの間にチームを立ち上げ、マシンを用意し、開幕戦から十分に戦えるように体制作りを行って来たものの、マシンのシェークダウンはレースウィークの水曜日となってしまった。走り出しから若干の問題を抱えていたが、フィーリングは悪くないようで、谷口選手もまずまずのタイムで走り出した。しかし、新たなトラブルが起きてしまい、満足に走れずに初日を終えた。
翌日は、黒澤選手が走行中に他車(他カテゴリー)と接触してしまうアクシデントがあり、修復に時間を費やす事となり殆ど走れないまま終了。金曜日は雨模様となり全車WETタイヤでの走行となったが、激しいバイブレーションに悩まされての走行となった。これはタイヤ組み付け時の問題で、全車に出ていた症状で、問題は解決された。
迎えた土曜日の公式予選。雨こそ降っていないものの、空気は冷たく今にも降り出しそうな曇り空の中ジェントルマンクラスの谷口選手からのタイムアタックが開始された。#95の一嶋選手が欠場となるため、プロクラスの荒聖治選手が賞典外ながら走行することとなり、荒選手のタイムを上回る事は出来なかったが、トップの座を一度も譲る事無く1’47.963をマークしてポールポジションを獲得。シェークダウン時から抱えていた問題も解消して気持ちよく予選を終えた。
そしてプロクラスの予選が開始された。わずか10分間の間、コントロールラインを通過する度に、目まぐるしく順位を変えていく。黒澤選手も徐々にペースを上げていくものの、アンダーステアとシフトダウン時にギヤが落ちないと言う症状が数回発生してしまい、5番手に留まってしまった。
インターバルをはさみ、ジェントルマンクラスのレース1が行われる時間。どんよりした空から雨がパラつき、レインタイヤを履くほどのウエットコンディションでは無いものの微妙な路面状況のため、SCスタートなり、SC先導で3周回した後、レースはスタート。スタート直後から他を寄せ付けない圧倒的な速さを見せて、賞典外ながらも最後尾から追い上げてきた荒選手も追いつけないままトップチェッカーを受けた。
日曜日はウエットコンディションでのレースとなった。前日のレース1同様にSCスタートとなり3周のSCランが続いてからスタートが切られた。他のジェントルマンドライバーを寄せ付けない走りをしたが、賞典外の荒選手にレース終盤にポジションを奪われるものの、見応えあるバトルの末、わずか0.1秒差で荒選手をかわしてトップチェッカーを受けた谷口選手は2戦ともにポールtoウィンの完全優勝を飾った。
プロクラスのレース1&2は霧雨の中でスタートが切られた。黒澤選手は5番手のポジションをキープしながら、前を行く#95荒選手との差を詰めてオーバーテークのチャンスを伺う。毎ラップ第3セクターで背後につけてプッシュするがオーバーテークには至らず5位でレース1のチェッカーを受けた。
そのままスターティンググリッドにつけてレース2のスタート進行となる。レース2のスタートは7台のマシンが団子状態で1コーナーへ進入。#95荒選手をパスして4番手に浮上し更にAコーナーで#37中山選手がコースアウトを喫して後退。これで表彰台圏内の3位にポジションアップ。しかし、4周目に最後尾まで順位を下げた中山選手にかわされ4番手にダウン。その後は#16影山選手の猛追を抑えて4位でチェッカーを受け、開幕戦を終えた。
黒澤選手レース後のコメント
いよいよ! 2014年インタープロト・シリーズが開幕を迎えました。今期、自ら『Team Kurosawa』を立ち上げ、昨年からの「Pasar」(ネクスコ東日本・ネクセリア東日本)様がメインスポンサーを継続して頂き、また、多くの協賛企業様、皆様のサポートのお陰を持ちましてこうして2年目のインタープロト・シリーズにTeamを率いて参戦させて頂けます事は、レーシングドライバー冥利に尽きる光栄な事でございます。この場をお借りしまして、あらためましてお礼を申し上げます!皆様、ありがとうございます!
さて、肝心のRACEですが、ジェントルマンレースの谷口選手は、見事に予選ポールポジションを獲得!レースも土曜日のレース1、日曜日のレース2、共に優勝というパーフェクトな展開で、Team Kurosawaの船出を完璧に飾ってくれました。自分の予選では、特にフロントのグリップ不足に悩み、またシフトダウンのタイミングが今一つで、マシンのバランスがアンダーステア、いわゆる「曲がらない」SETになってしまい、トップと0.8秒差で、5位に甘んじてしまいました。しかし、マシン本来の速さが戻ってきたのは、KCMGのエンジニアやメカニックがハードワークながらしっかりとマシンメンテナンスやセットアップをしてくれた結果です。
日曜日の決勝レースは、完全WET。気温もぐっと下がり、コンディションは良くありませんでした。スタートは悪くありませんでしたが、3位以降はウォータースクリーンにより前が見えず、また前を行く#95荒選手のペースがあまり良くない様でしたが、自分もストレートスピードが少し足らず、パスするまでにはいかず5位キープが必至でレース1を終えました。
その直後のレース2でも同じ展開が予想されたので、スタート直後の1コーナー進入で#95荒選手を気合で抜き、ポジションを上げることに成功しました。その後、前を行く#37中山選手がAコーナーでオーバーランした事もあり、3位までポジションを上げました。しかし、履いていたレインタイヤは、ジェントルマンの谷口選手がレースで使用したユーズドタイヤでグリップ不足(LAP数の限界を越えて使用した為)でペースが上げられずに、最後尾から追い上げて来た中山選手にあっさりとパスされ、4位フィニッシュとなりました。
しかし現状のパフォーマンスで、この順位、このタイム差は次戦までの2ヶ月間、TEST走行でしっかりとマシンを熟成、パフォーマンスを上げれば、若手No1と全く互角に戦える!と確信を持ちました。
皆さん! 6月の第2戦を楽しみにしていて下さい!きっと面白い手に汗握るバトルをお見せ出来ると思います。本当に、皆様には感謝致しております!次戦また宜しくお願い致します!!
谷口選手レース後のコメント
レースウィーク中にマシントラブル等もあり、走行できる時間が非常に少なかったので、予選が初めての万全な状態での走行となってしまったのですが、その予選では、周回ごとにタイムを削ってポールを取ることができてよかったです。欲を言えば予選の最終アタックラップで第1、第2セクターまでベストを更新していたのに、第3セクターでミスがあり、タイムを更新できなかったのが残念でした。
決勝は1回目がドライ、2回目がウェットでしたが、水曜日と金曜日に少ない時間ではありましたが、ドライ、ウェットともに走行することができ、チームが用意してくれた車のセッティングに信頼が持てていたので、微妙なコンディションもさほど不安はありませんでした。決勝レースは2回とも、ポールポジションの自分にとって有利なセーフティーカースタートとなったため、スタート直後から後続を引き離し、ペースをコントロールしながらトップチェッカーを受けることができました。次のレースまでにもっと走って、黒沢選手ののラップタイムに少しでも近づけるよう精進したいと思います。
次戦は6月21日22日の第2戦となります。引き続き皆様からのご支援・ご声援のほど、宜しくお願い致します。