LM corsa
Round1:OKAYAMA GT 300km RACE
at OKAYAMA INTERNATIONAL CIRCUIT
■Result
22nd(58Laps完走扱い)
■Entry
24台 出走:24台 完走:22台
■Weather
曇り/雨/晴れ(ドライ/ウエット/ドライ)
■Car
TWS LM corsa BMW Z4
初陣で手応えを得るも、無念のトラブルで22位に
国内モータースポーツの最高峰とも称されるスーパーGT。その激戦のGT300クラスにFIA GT3マシンであるBMW Z4を投入し、新規参戦を果たすこととなったレーシングチーム、LM corsa。飯田章と吉本大樹という、経験と実績を兼ね備えたドライバーコンビとともに、いよいよ4月5~6日、2014スーパーGTシリーズの開幕戦が、岡山国際サーキットを舞台に開催された。
この日のために多くの時間を費やしたTWS LM corsa BMW Z4を金曜に搬入したチームは、これがスーパーGTの初戦。心地よい緊張感ともに、小林敬一監督以下LM corsaのチームスタッフ全員、そして飯田、吉本のドライバーコンビは初めてのレースウィークに臨んだ。
前夜には雨が降ったものの、土曜朝の岡山国際サーキットの路面状況はドライ。午前9時からの公式練習が始まると同時に、スリックタイヤを装着したTWS LM corsa BMW Z4のステアリングを握った飯田がピットアウト。前日、この岡山国際に到着してから2013年仕様にアップデートを施し、最終的な戦いの準備を整えたばかりのTWS LM corsa BMW Z4は、まずはゆっくりとしたペースでマシンとコースチェックを行うと、ストレートを通過することなくピットへ。
午前9時08分、再びピットを離れたTWS LM corsa BMW Z4は、今度はホームストレートをゆっくりとしたペースで通過。この2周目のタイムは2分04秒539。3周目は1分37秒409。徐々にペースをアップしながら、飯田はさらなるマシンチェックとフィーリングチェックを進めて行く。午前9時15分、計測5周目にはなんと1分28秒297というレコードタイムを刻み、2番手に躍り出る。
その後、飯田に変わって吉本がコクピットに収まり、午前9時35分にコースイン。連続周回をこなした吉本も、難なく1分28秒942までタイムを上げると、赤旗中断を挟んだ午前10時07分からは再度飯田がドライブ。ここで1分28秒271にまでタイムアップも、ライバル勢のタイム更新もありポジションは6番手。初めて挑む、スーパーGTというシリーズのコンペティションの激しさを感じながら、徐々にLM corsaのチームスタッフ達も個々のペースを掴んで行った。
最後のGT300専有時間帯には、飯田に代わって吉本がコースイン。ここで吉本は通算35周目に1分28秒642にまでタイムを上げ、チームは公式練習を終了。このセッションをGT300クラス8番手で終えたLM corsaは、午後の公式予選に向けてまずまずの手応えを得ることとなった。
初の予選でQ1を突破しQ2へ進出!
予選結果■10位(1分27秒820)
午後2時、LM corsaは初の公式予選セッションを迎えた。スーパーGTの公式予選は、まず15分間のQ1が行われ、そのトップ13台のみが12分間のQ2への出走が許され、その結果ポールポジションが決まるノックアウト方式。チームはまずQ1を吉本で突破、Q2を飯田に託して上位グリッドを目指すこととなった。
時折雨が降る不安定な天候の岡山国際ながら、路面は引き続きドライ。気温12℃、路面温度21℃となる中、セッション開始から約3分ほどピットでタイミングを図ったTWS LM corsa BMW Z4は、午後2時03分に吉本の手によってコースインする。
ここで吉本は、ゆっくりとタイヤを温めると3周目にアタック。1分27秒952で5番手に浮上すると、さらに翌周1分27秒725とすると、5周目に1分27秒591で4番手に。ライバル勢のタイムアップもあり、その後ポジションを下げたTWS LM corsa BMW Z4だったが、吉本は無事8番手でセッションを終了。LM corsaは見事初の予選でQ1突破を果たす。
GT500のQ1を挟み、午後2時40分からのQ2は飯田が担当。セッション開始と同時にピットを離れた飯田は、ゆっくりと1コーナーへ。しかし、なんと次の瞬間ピットのモニターに、スピンを喫しているTWS LM corsa BMW Z4の姿が映し出される。緊張が走るピット! しかし、飯田は落ち着いてスピンターン、TWS LM corsa BMW Z4は無事アタックを続けることとなった。
窮地を脱した飯田は、計測4周目に1分27秒820をマークしてその時点で4番手に。しかし飯田はこの後タイムアップはならず、1分26秒台というハイレベルな上位争いの展開されたこのQ2、TWS LM corsa BMW Z4は10番手でチェッカー。LM corsaは明日の決勝を10番グリッドから戦うこととなった。
トラブルに翻弄された初の決勝
決勝結果■22位(58周)
一夜明けて日曜の岡山国際は、相変わらず雨が降ったり止んだりの不安定なコンディション。午前9時からのフリー走行では雹が降るなど、ウエットタイヤでの走行となったが、その後天候は回復。午後2時からの決勝はドライコンディションでの戦いとなった。
華やかなグリッドでのスタート進行を終え、いよいよLM corsaは初の実戦を迎える。
アウト側10番グリッドからフォーメイションに加わったTWS LM corsa BMW Z4のスタートドライバーは飯田。隊列が整わず、2周となったフォーメイションの後、午後2時07分に決勝レースがスタートした。
オープニングラップにひとつポジションを上げ、早くも9番手に浮上した飯田は、背後に61号車のプレッシャーを感じつつ、前を行く65号車のテールを追って行く。
5台ほどの集団の中、コンマ数秒差のテール・トゥ・ノーズ状態のまま、65号車の隙をうかがう飯田だったが、6周目あたりからGT500の上位集団によってGT300勢が周回遅れにされ始めると、逆に11周目に背後から来たGT500を先行させるタイミングを突かれ、背後に浮上してきていた10号車の先行を許してしまう。
これで10番手に後退した飯田だったが、ややブレーキのフィーリングの悪化を感じつつも、ペースは1分30秒台で安定しており、10号車を抜き返すチャンスをうかがっていた飯田。ところが、その10号車にドライブスルーペナルティーが科せられたため、労せずして13周目には9番手に復帰し、さぁここから、とチームの誰もが思った矢先、突如TWS LM corsa BMW Z4のブレーキペダルが奥に! たまらずTWS LM corsa BMW Z4は緊急ピットイン。いったんはピット前に止まったものの、右フロントからはスモークが上がっており、メカニックはマシンを修復すべくガレージにマシンを押し戻す。
このブレーキ周りのトラブル修復の間に、コース上には突如雨が降り出すなど混乱が起こるが、ピットではメカニックたちの懸命な作業が続けられた結果、午後2時41分に再びTWS LM corsa BMW Z4は飯田の手によってピットアウト。雨は止んではいたが、残念ながらこの段階で、TWS LM corsa BMW Z4は既に大きく周回遅れとなってしまい、事実上の勝負権を失う。
それでも今後のデータ収集のためにも、必死で周回を続ける飯田は、上位陣と遜色のない速さを見せて周回。自身の35周目には1分29秒974のベストラップをマークすると、41周終了時にピットイン。ここでドライバーは吉本に交代し、チームは迅速に給油とタイヤ交換を済ませると、TWS LM corsa BMW Z4を再びコースへ送り出す。
ピットアウトした吉本は、徐々にペースを上げて行くと、ポジションこそ21番手とはなっているが、トップグループと同じ1分30秒台の安定したラップを刻んで行く。
ところが、58周目の最終コーナーで突如エンジンに異変を感じた吉本は、ストレートを通過するとピット出口付近にいったんマシンを止める。ここでエンジンの調子を再確認した吉本は、再び動き始めたものの、やはり高回転での不調は変わらず。止むなく吉本は1コーナー先の安全なコースサイドへTWS LM corsa BMW Z4を運ぶと、そこでコクピットを離れた。
無念のトラブルに見舞われたTWS LM corsa BMW Z4は、チェッカーを受けることが出来なかったものの、58周を消化していたため完走扱いとなり、この開幕戦は22位という結果に。チームは次戦富士での雪辱を胸に、岡山国際サーキットを離れることとなった。
■コメント
●監督:小林敬一
「新しいチームでの開幕戦ということもあり、何があってもチェッカーは絶対に受けたかったのですが、吉本選手のドライブ中にメカニカルトラブルが出てしまいました。まだ詳しい原因は特定出来ていませんが、恐らく電気系ではないかと思います。そのために、残念ながらチェッカーを受ける前にマシンを止めることになりました。飯田選手のスティントの途中にもブレーキ周りのトラブルが出たために緊急ピットインをしたのですが、彼も凄く良いペースでトップグループと遜色のないラップを刻んでいただけに、“タラレバ”ではないですが、ちょっと悔やまれるレースになってしまったなと思いますね」
「しかし、今回初めてこのクルマでレースウィークを戦ってみて、基本的に我々のクルマは2013年仕様にアップデートした2012年型車両とは言うものの、まずまずタイムは出ますしクルマ自体の調子は良いのではないかと思います。確かに残念なトラブルがいくつか出てしまいましたが、そのあたりをもう1回総点検して、しっかり走れるクルマに仕上げて次の第2戦富士に臨むことが出来れば、きっと良い戦いが出来るのではないかという手応えは感じられた週末でした」
●チーフエンジニア:武部真
「新車ではないということで、このクルマの劣化の度合いというか、過去の履歴的な部分が見えない中で、レースウィークまでに消耗や疲労が想定されるようなパーツ類は交換するなど、いろいろ準備はしてきたのですが、このレースウィークに起こったトラブルは予想外のところが壊れるというものばかりで……。初日に起こったクラッチトラブルは、交換して来た部品だったのですが、それがなぜか壊れてしまって。さらに本来壊れるはずのないような、フィッティングの部分が破損していたりしていて。結果としてそういったトラブルの修復に苦労してしまった2日間でしたね」
「決勝序盤のブレーキトラブルも同様で、ブレーキのブリーダー部分からリークが起こっていたのですが、走行前にも毎回必ず締め付けトルクのチェックなどを行っている箇所でしたし、キャリパー自体のヘタリが原因かもしれません。最後に起こったエンジンも恐らく電気系だとは思いますが、まだ原因は分かっていません」
「ただ、いきなり2013年仕様にアップデートしてぶっつけで臨んだレースウィークでしたが、そこそこパフォーマンスを発揮出来たのは、ドライバーふたりの力が大きいと思いますし、富士までにトラブルの原因を突き止めるなど、出来る限りのことをやるだけです」
●ドライバー:飯田章
「まずは開幕戦を終えて、事前テストからいくつかトラブルを抱えたりしながらも、なんとか2013年仕様にアップデートをして開幕戦に出られたということ、このLM corsaという新しいチームのみんなとレースウィークを戦えたということに感謝しています。土曜の予選ではQ1を吉本選手がアタックして良いところまで行って、Q2を僕が担当したわけですが、コースインしたところでスピンしてしまって。ベテランらしからぬ、ルーキーのような出だしで……(笑)。凄く落ち着いていたつもりだったんですが、実は緊張していて、その動揺が出たのかなと。凄く恥ずかしかったので、その後は凄く気を引き締めて予選をアタックしましたが、周囲が期待してくれていたようにはタイムを伸ばせず、申し訳なく思いますし反省しています」
「決勝では序盤非常に調子が良くて、同じBMWの7号車の後ろくらいまでは行けるんじゃないかという手応えがあったので、タイヤを労りつつ様子を見ていたら、徐々にブレーキペダルのフィーリングが悪くなり始めて、最後はいきなりスコンと抜けたようになったので、ピットインしました」
「その後は周回遅れになってしまったので、残念ではありましたが今後のデータ収集のためにラップを重ねました。結果としては良いものは残せませんでしたし、まだまだ順位云々を語れるわけではありませんが、このチームのみんなと少しずつ力を積み重ねて行って、本当のレーシングチームになって行けたら、という気持ちにさせてくれるレースが出来たと思います」
●ドライバー:吉本大樹
「最終的には恐らく電気系、オルタネーターか何かのトラブルだと思いますが、エンジンの高回転域で点火しなくなって……。残念ですが、クルマを止めざるを得ませんでした。ただ、事前の準備など、チームのメカニックのみんなは満足に家にも帰らず、クルマの中で仮眠を取ったりしながら準備作業をしてくれていた。そうした厳しい状況を考えれば、予選まではとてもうまく行っていたと思いますし、出来るだけのことをやってくれた結果のトラブルは、もう仕方のないことですから。本当にチームに感謝しています」
「この岡山でもいろいろなトラブルが起こった中で、修復作業は大変だったとは思いますが、その分学ぶことも多く、良いレースウィークを過ごせたと思います。加えてチームとして、次のレースまでの宿題をもらった訳ですから、それを解決していくことで、またもっと学ぶことが出来るのではないでしょうか。ペース的には良かったので、普通に最後まで走れていたら、かなり良いところまで行けていただろうな、という残念さはありますが、2014年型のBMWには差を付けられていたとは言え、初戦を走ってみた感触では、それほど遠いわけじゃない。まずは4号車、7号車をターゲットに、彼らに近づいて行けるように次の富士も頑張ります」
