■Result 21st(86Laps完走扱い)
■Entry 24台 出走:24台 完走:21台
■Weather 晴れ(ドライ)

21位完走も度重なるトラブル発生で大きな試練に

 チームにとって初戦となる岡山国際サーキットでの開幕戦では、完走扱いながらもチェッカーを受けられなかったLM corsa。チームではその原因となったマシン各部をチェックし、第2戦の舞台となる富士スピードウェイに乗り込んだ。

 5月3~4日に行われる「FUJI GT 500km RACE」は、ゴールデンウィークの風物詩としてすっかり定着したスーパーGTの名物レースのひとつ。首都圏に近いサーキットでの連休中のイベントとあって、毎年多くの観衆がスタンドを埋めることで知られる上、2回ピットが義務づけられたレース距離500kmの長丁場の戦いということで、通常大会以上の盛り上がりを見せる。

 薄曇りながらまずまずの天候となった土曜の午前9時。レースウィーク最初のセッションとなる公式練習が始まった。LM corsaは、あずアウト&インでマシンとコースの確認を行うと、午前9時10分あたりから連続周回に入る。ステアリングを握るのは吉本大樹だ。

 吉本はゆっくりとしたペースで計測2周目に1分46秒788を刻むと、計測4周目には早くも1分40秒624とタイムを上げて行く。しかし、ここでクラッチにトラブルが発生してしまい、いきなりピットインを余儀なくされる。

 走行開始直後のトラブル発生に、メカニックたちはTWS LM corsa BMW Z4を一刻も早くコースに戻すべく作業を行う。その結果、午前10時01分に再びTWS LM corsa BMW Z4はピットを離れることとなる。

 コースに戻った吉本は、3周目に1分40秒607でここまでのベストタイムを更新するが、時間を失っていたことからポジションは21番手。さらに吉本はペースを上げ、1分40秒250として17番手に付けると、午前10時11分にピットイン。ここでステアリングは飯田に委ねられる。

 午前10時18分にピットアウトした飯田は、計測3周目に1分40秒629、さらに1分40秒450とタイムを上げいったんピットへ。そして再びピットアウトして周回を重ねて行くが、GT500との混走時間の終盤、午前10時37分に今度はミッションに不具合が発生。止むなくスロー走行でTWS LM corsa BMW Z4はピットへ帰還することとなり、またも修復作業が始まることに。結局このまま公式練習は終了、ピットウォークの間もメカニックたちの必死の作業が続けられることとなった。

波に乗れぬまま不完全燃焼のQ1敗退
予選結果■16位(1分39秒555)

 予想外のトラブルの連続で、公式練習で充分な走り込みの出来なかったTWS LM corsa BMW Z4。しかしながら、なんとか午後2時からの公式予選までにマシン修復作業は終了。ノックアウト方式の公式予選に臨むこととなった。

 直前のサポートレースの走行中にクラッシュがあり、ヘアピン付近に大量のオイルが撒かれたためにオイル処理が施され、路面コンディションは良いとは言えない状況だったが、それは出走全車に同条件。LM corsaは、まずは15分間のQ1を飯田に託し、上位13台に許されるQ2進出を狙うこととなった。

 気温23℃、路面温度33℃のドライコンディションとなったQ1セッション。飯田はセッション開始早々にピットアウトすると、ゆっくりとタイヤを温めつつ午後2時06分にホームストレートを通過し、計測に入って行く。早めのアタックを行っているライバル陣営もあり、既にトップタイムは1分39秒台に達する中、飯田の計測1周目は1分44秒505。

 そして翌周、飯田のアタック1周目は1分39秒816で、タイミングモニターの7番手にゼッケン60が浮上するが、ライバル勢のアタックも本格化しており、すぐさまポジションは8番手、9番手へと下がって行く。飯田は翌周、1分39秒630へとタイムアップも、ポジションは12~13番手という状況だ。

 コンペティションの激しいスーパーGTだけあって、瞬く間にポジションがQ1突破圏外へとはじき出されてしまう中、飯田はさらにタイムを上げ、1分39秒555をマークするが、ポジションは15番手とQ2進出権を得る13番手に惜しくも届かない。

 手綱を緩めず、ラストアタックに向かった飯田だったが、最後はタイヤの状況も厳しくなっており、1分39秒738に終わり万事休す。残念ながらこの第2戦、TWS LM corsa BMW Z4は予選16番手に留まり、Q1敗退という結果となってしまった。

完走扱いも再びチェッカーには届かず
決勝結果■21位(86周)

 決勝日の富士スピードウェイは、前日以上の快晴。土曜の予選では16番手とQ2進出を逃したLM corsaだったが、頻発したマシンのトラブルも癒えたTWS LM corsa BMW Z4は、午前9時からのフリー走行では吉本のドライブで先陣を切ってコースイン。決勝を想定したメニューをこなしつつ、終盤は飯田もフィーリングを確かめるなど順調に走行。吉本のマークした1分40秒039により、18番手で最後の調整を終えると、いよいよ午後2時からの決勝レースに臨んだ。

 気温20℃、路面温度36℃で迎えた110周の決勝。ラップタイムの速いGT500が110周を走破する段階では、GT300は100周少々でチェッカーとなる見込みだが、長丁場の戦いであることに変わりはない。華やかな雰囲気のグリッドでのスタート進行を終えると、スタートドライバーを務める吉本がコクピットに乗り込み、TWS LM corsa BMW Z4は午後2時ちょうどに、16番グリッドからゆっくりとウォームアップラップに出て行く。そして午後2時05分、ついに決勝レースがスタートした。

 いっせいに1コーナーに向けて加速していくGT300の集団の中、好スタートの吉本は1コーナーにアプローチするが、その瞬間背後から5号車に追突されてしまう。溜まらずスピンを喫したTWS LM corsa BMW Z4は、なんとかレースに復帰するも、いきなり最後尾の23番手にまでドロップしてしまう。

 それでも大きなダメージのないことを確認すると、吉本は2周目に早くも1分40秒229とペースを上げると、前のマシンを追って行く。

 ところが、4周目にホームストレートエンド付近で88号車がクラッシュ。この処理のためにセーフティーカーが導入されるが、ここで隊列が整えられると同時に、TWS LM corsa BMW Z4は22番手となると、9周終了時のリスタート後に追い上げを開始。10周目に22号車をパスし21番手、さらにTWS LM corsa BMW Z4に接触した5号車がドライブスルーペナルティーを科せられたため、11周目には20番手とすると、吉本は1分40秒台前半の好ペースで周回、さらに16周目には50号車をかわし19番手と挽回していく。

 ところが、この直後にGT500マシンが車両火災に見舞われるアクシデントが発生し、再びセーフティーカーが入る。この間に多くのマシンがピットインするが、チームはステイする作戦を選択。このセーフティーカーランの間に、TWS LM corsa BMW Z4は11番手にまで順位を挽回する。

 23周目から再びレースはリスタート。吉本は前を行く33号車を追走し、間合いを詰めて行くと24周目にこれをオーバーテイク。ポイント圏内の10番手とすると、翌周には9番手、さらに29周目7番手、30周目6番手、33周目には5番手と、ライバル達の後退やピットインにより、ポジションを上げて行ったTWS LM corsa BMW Z4は、ようやく36周目にピットイン、タイヤ交換と給油を済ませると、飯田に交代してピットを出て行く。だがその直後、飯田を送り出したばかりのピットモニターに、突然左リヤから白煙を上げるTWS LM corsa BMW Z4が映し出される。アウトラップのコカコーラコーナー立ち上がりで、TWS LM corsa BMW Z4の左リヤに360号車がヒットして来たのだ。そのダメージにより、TWS LM corsa BMW Z4は、止むなくスロー走行で緊急ピットインをする。なんとか修復してコースに戻った飯田だったが、ポジションは22番手。再びLM corsaを襲ったアクシデントにより、TWS LM corsa BMW Z4は最後尾に戻ってしまう。

 飯田は諦めることなく1分40秒~41秒のペースで周回、徐々にポジションを挽回し18番手まで浮上を果たすと、76周目にピットイン。最終スティントを担当する吉本に、TWS LM corsa BMW Z4のステアリングを託す。これで再び最後尾となったTWS LM corsa BMW Z4だが、既にトップからは周回遅れとなっており、上位進出は臨めない状況ながら、ピットアウトした吉本は1分39秒688のベストラップをマークするなど諦めずにプッシュする。

 しかし、LM corsaに襲いかかる試練はこれで終わりではなかった。86周目の走行中、セクター3でシフトダウンが出来なくなった吉本は、止むなくピットインするが、残念ながら修復は叶わず、そのままTWS LM corsa BMW Z4はコースに戻ることは出来ず。またもチェッカーフラッグを受けられなかったものの、86周を消化していたことから、21位での完走扱いとなったのだった。

■コメント
●監督:小林敬一
「予期せぬトラブルやアクシデントが次々に起こった2日間でしたね。もちろんチームスタッフは一生懸命、今週末に向けて準備をして来たのですが、予想が出来るような箇所ではないところが壊れてしまったということで、残念です」
「そんな中でも決勝序盤には良いポジションまで順位を上げることが出来たと思いますし、ふたりのドライバーについては頑張ってくれていますし、何も心配は要りませんでした。もちろん、クルマに関しても良いラップタイムを刻むことも出来ましたし、ちゃんと走れればアベレージも上位陣と遜色のないものだっただけに、タラレバにはなりますが、何もなければ……と。万全を期してレースに臨んではいるのですが、僕自身もあまり経験がないような箇所が壊れたりして、本当に繰り返しになりますが残念ですね」
「しかし、終わったレースを振り返るより、前を向いて行かなければいけませんし、すぐに菅生でのテストがあります。そのテストで新車をシェイクダウンして、オートポリスには新車で臨む予定ですし、コース的にもZ4に合っているはず。次戦に期待したいと思います」

●チーフエンジニア:武部真
「2戦目の今回も、残念ながらトラブルが多発してしまい、それに泣かされた感じで、前回の岡山と似たような週末になってしまいました。ただ、残念ではありましたが、そういった状況の中で、メカニック達は一生懸命頑張って作業してくれましたし、徐々に慣れて来ている部分もあったように思います。そういう意味で前回からの成長した部分もあったのかな、と」
「また、決勝中のピット作業については、トップチームに比べればまだまだオペレーションとして練習不足で、まだまだ詰められるところがあるのは確かですが、なかなか時間がない中で、皆自分が担当してこなすべき仕事はきちんとこなしてくれて、大きなミスなくマシンを送り出せていたのではないかと思います」
「最後にシフトダウンが出来なくなってしまったのは、シフトの機構的な部分のトラブルが原因です。予想し難い部分だったのですが、次回の菅生テストからは新車となる予定ですし、そのあたりは改善されるのではないかと思いますし、しっかり準備していきたいですね」

●ドライバー:飯田章
「うまく行かないときは、やはり最後までうまく行かないものですね。自分の中でも割り切らなければならない部分ですが、走り初めで出ばなをくじかれてしまって、結果的に最後までくじかれっぱなしで終わった印象です。予選でもクルマのバランスはさほど悪くなかったんですが、少しトラブルもありしっかりアタック出来ませんでした。やはり、最初からトラブルが出ているとなかなか難しいですね」
「決勝のスタートでも吉本選手も後ろからぶつけられてしまいましたし、僕もピットアウトしてすぐにぶつけられて。コカコーラコーナーの立ち上がり、コーナーの出口付近でいきなり後ろからぶつけられてしまって……。なぜそんなところで、あんなことになるのか意味が理解出来ない残念なアクシデントでした」
「止むなくピットインしてリヤに新しいタイヤを履いてピットアウトしたのですが、アクシデントの際にコースアウトしたとき、フロントタイヤにタイヤかすなどをピックアップしてしまったようで、ピットアウト後もなかなかバランスが改善しなかったですし、本当に歯車が噛み合わない展開でした」
「次は新車で戦うことになる予定ですが、クルマがちゃんと走ればそこそこのレースは出来るだろうし、それを楽しみにして気持ちを切り替えます」

●ドライバー:吉本大樹
「スタート直後の1コーナーでは、完全に後ろから止まり切れずに追突されてスピン。それで最後尾に落ちてしまって。その後のペースなどを考えると、本当にもったいないレースだったと思います。ただ、本来はブレーキが強味のクルマなんですが、今日は走行中もちょっとブレーキが良くなくて、ちょっとしんどかったですね。最初からシフトショックも大きかったんですが、それが悪化したというか、残念ながら最後は初日に出たトラブルと同様の箇所が破損して、シフトが落ちなくなってしまいました」
「最後のスティントではタイヤの状態の良いときに、39秒台も無理なく出せましたし、ラップタイム的に言えば、普通に上位からスタート出来ていれば、ちゃんと前の集団で戦えるパフォーマンスがあったと思います」
「週末全体を振り返ると、とにかくトラブルがたくさん出たレースウィークでしたね。飯田選手のときのものも含めると、アクシデントも2回ありましたし、加えてトラブルが出なければ、ちゃんと結果が出たように思うのですが。しかし、次のオートポリスを前に、菅生のテストでは新車がデリバリーされる予定ですので、菅生で少しでも走らせることが出来れば。ニューマシンとなれば、この2戦であったようなトラブルは出ないでしょうし、次から巻き返して行きたいですね」

本日のレースクイーン

原あゆみはらあゆみ
2026年 / オートサロン
VELENO&Garage力
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年3月号 No.1617

    [特集│技術系SGT関係者 覆面座談会]
    タイヤワンメイク時代の
    スーパーGTを考える

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円