SUPER GT Rd.5 Fuji 300km  2014/8/9~8/10
TEAM RELEASE by Arnage Racing

Arnage Racing
WAKO’S EXE ASTON MARTIN

予測不可能な天候の変化に堪えて、今季5度目の完走。
ポジションアップとともに、多くのものを得た夏の富士ラウンド。

 7月末の菅生ラウンドから3週間、真夏の三連戦の2戦目は富士スピードウェイで開催される300kmレース。オートポリス、菅生と、得意なサーキットで、天気を味方に好成績を収めることができたArnage Racingであったが、迎える第5戦は、マシンにとって苦手なロングストレートが特徴の富士スピードウェイ。加えて強力な台風11号が接近しており、荒れ模様の週末となることが予想されていたため、レースの行方を案じながら、チームは御殿場入りすることとなった。

 前戦からのメンテナンス期間は2週間少々と短かったが、ガレージでは第5戦以降続く高荷重サーキットでのレースに備えて、トランスミッションを中心に入念な点検を実施し、傷みのある部位を修復した。また、前戦までの戦果に応じて22㎏のウェイトが課せられていたが、7月末のBoPによる車両重量の変更でAston Martin Vantage GT3が20kg軽減となったため、22㎏のハンディウエイトは実質大きく軽減されることとなった

August 9th Qualifying
天候:曇り 路面状況:ドライ
気温:開始時25℃→終了時24℃ / 路面温度:開始時31℃→終了時26℃
入場者:26,500人

 この日、予想されていた台風の影響による降雨はまだなく、朝から曇り空ながらもドライのコンディション。9時から行われた公式練習ではマシンの調子も上々で、加納選手と安岡選手が交互にスリックタイヤでドライブして、時間いっぱい49Lapを存分に走ることができた。ベストタイム1’41.089(7Lap目に安岡選手がレコード)は23位となったが、両ドライバーの走りは非常に好調で、特に加納選手は継続的に1分41秒台で走行。セットアップの確認とタイヤのチェックも充分にできて、多くの収穫を得られた公式練習となった。

 午後になっても天候に大きな変化はなく、ドライコンディションのまま、予定通り14時から予選が行われた。Arnage Racingは安岡選手をQ1に送り出したが、ストレートにもう一歩伸びの足りないWAKO’S Exe ASTON MARTINは今回も苦戦を強いられた。安岡選手は4Lap目に1’39.898の好タイムを出したが、Q2に進出することは叶わず、翌日の決勝は18番手からスタートすることとなった。しかし、公式練習も含めて充分に周回数を走ることができた両ドライバーは、苦手意識の強かった富士の初日を満足のいく状態で終え、翌日の天候の変化に備えて夜遅くまで雨対策について話し合った。

P1 #61  SUBARU BRZ R&D SPORT 佐々木 孝太 / 井口 卓人 (1'38.256)
P2 #31  OGT Panasonic PRIUS 新田 守男 / 嵯峨 宏紀 (1'38.414)
P3 # 0  MUGEN CR-Z GT 中山 友貴 / 野尻 智紀 (1'38.641)
P19#50 WAKO’S Exe ASTON MARTIN 加納政樹 / 安岡秀徒 (1'39.898)

<監督のコメント>
悪くなかったんですけどね~ あとコンマ5秒ストレートが出ればQ2に残れるところまで行っただろうけど、うちにはそのコンマ5秒が難しいよ。明日は台風のこともあるし、まあレースはどうなるか全く読めないね。

August 10th Race
天候:雨 路面状況:ウェット
気温:開始時24℃→終了時23℃ / 路面温度:開始時26℃→終了時24℃ 入場者:18,500人

 決勝の朝。東海地方には600㎜の降雨が予想されていたが、まださほどの台風の影響は感じられない。しかし、時折強い雨が降ったりやんだりする不安定な空模様で、9時からのフリー走行が始まったとたんに激しい雨が降り始めた。

 チームはソフトウエットタイヤを選んで安岡選手をコースに送り出していたが、思わしいタイムが出ない。7Lap走ったところでミディアムウェットタイヤに変えて加納選手を出したが、今度はシフトポンプのトラブルが発生してピットイン。トラブルはまもなく解決したが、激しさを増す雨の中、走行時間終了となってしまった。チームはサーキットサファリの時間に再度の走行を期すも、結局雨脚は弱まらず、午前中の走行は叶わなかった。

 その後、スタート前のフリー走行の時間が拡大されて20分間の走行時間が与えられたため、加納・安岡両選手が午前中に確認することのできなかったウェット路面でのミディアムウエットタイヤの感覚を確認、そのまま車両はグリッドに進んだ。ところがその頃、雨はまた小康状態に。路面の状況から、マシンがインターミディエイトタイヤでの走行に耐えうると踏んだエンジニアは、タイヤチョイスを変更して、スタートタイヤは浅溝インターミディエイトが選択された。

 15時定刻に決勝がスタート。18位から追い上げる安岡選手は、路面の水が捌けるまでの間に一時順位を落とすも順調な走行を始めて、8Lapで16位まで浮上した。ところが、すぐにまた強い雨が降り始め、9Lap目セーフティーカーインとなる。インターミディエイトタイヤの安岡選手は、プリウスコーナー付近で堪えきれずにスピンして、ポジションを最下位まで落としてしまった。

 幸いセーフティーカーランでギャップは広がらず、11Lap目、ピットオープンとなったタイミングで、チームは安岡選手をピットに呼び戻してウェットタイヤに交換した。雨はますます激しさを増し、16Lap目にはついに赤旗が提示されて全車グリッド上に整列、ドライバーは一旦マシンを降りる措置が取られ、レースは30分近く中断される事態となった。

 16時15分、ようやくレース再開がコールされ、セーフティーカー先導のもと20Lapからレースは再び動き始めた。ウェットタイヤを履いた安岡選手操るWAKO’S Exe ASTON MARTINは、まさに水を得た魚のように最後尾から追撃を開始できるはずだった。ところが、雨脚が弱まるとすぐにコースの水が捌けてしまい、見かけ上の順位は上がっていくものの、1分55秒から56秒台と思うようなタイムを出せず、苦しみながら周回を刻むことになる。チームは状況を見かねて予定よりも6La早く、38Lap目に安岡選手をピットインさせた。

 給油を終え、再びインターミディエイトタイヤに履き替えたマシンが、加納選手にドライバー交代してコースに戻ったときには、ポジションは20位。しかし、路面とタイヤのマッチングがまさにピタリと決まったWAKO’S Exe ASTON MARTINは、加納選手の冷静なドライビングで猛追を始める。加納選手は上位チームのタイムよりも2秒近く早い1分49秒から50秒台の素晴らしい走りで、47Lap目には18位、50Lap目には17位とステップアップしていく。52Lap目には1’49.685というベストラップを出して、このまま更なる上昇が期待された。

 ところが、またしても激しい雨が叩きつけるように降り始め、54Lapで二度目のセーフティーカーイン。結局レースは、セーフティーカー先導で既定の周回数をクリアしてフィニッシュとなった。更なる追い上げを期待された加納選手だったが、残り周回は慎重かつ安全にドライブし、16位でチェッカーを受けた。

 苦手意識の大きいサーキットで予測不可能な天候の変化に耐える厳しいレースだったが、無事に完走し、さらに後半の追撃によりポジションアップまで果たせた夏の富士ラウンド。チームにとっても、ドライバーにとっても、得るものの多い価値あるレースとなった。

P1 #61  SUBARU BRZ R&D SPORT 佐々木 孝太 / 井口 卓人
P2 #11  GAINER DIXCEL SLS 平中 克幸 / ビヨン・ビルドハイム
P3 #86  クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3  細川 慎弥 / 山西 康司

P16 #50 WAKO’S Exe ASTON MARTIN 加納政樹 / 安岡秀徒

<チーム代表 伊藤宗治>
台風の影響で、来場して頂いたお客様には大変申し訳ない天候となりました。また、ピット裏のテントを早めに片づけてしまいご迷惑をおかけしました。
しかし、レースをしている側には、結果は報告書にて示した通りですが、今回のレースは非常に面白いレースでした。
監督の立場から今回のレースを振り返ると、まず、安岡選手の非常に冷静且つ高度なレース感により、アストンマーチンにとって有効なタイヤ選択を見い出せた事、そして、加納選手の普段からの努力が少しずつ形になってきている事。この、得難い二つの成果が見られたことがなによりでした。レースとしては、周回数の何割を路面に適合したタイヤで走るかといったゲームだったと思いますが、前半、安岡のスピンごときで動転してしまって、インターからウエットにタイヤを交換したことが悔やまれます。アストンは多少のウェット路面でもインターで十分いけるはずだったんですが… また、そういう観点から、アストンにとっては十分インターでいける路面を、苦しみながらウエットタイヤ走っていた安岡を、もっと早めにピットインさせるべきところの判断遅れも痛かったですね。その後、加納さんが、素晴らしい走行で追い上げてくれたのが何よりでした。こういうレースでは、もっと自らのレース感を磨かなければ、結果は得られそうにないと反省している次第です。次戦は鈴鹿1000km長丁場で、加納・安岡に加えナニンも走行します。変わらぬ応援をよろしくお願いします。

<加納選手のコメント>
先ずはお疲れさんでした。ごちゃごちゃのレースでした。インターでスタートして、賭けに出たのはアルナージュらしくてよかったと思います。レインに変えて、安岡くんがそこから上がってくれて、そこからバトンを渡してもらったわけなんですけど、(タイヤがインターやったんで)自分が本当にどれくらい走れるんか不安やったんです。でも、初めのほうで、伊藤さんが無線で「いいタイムだよ」って教えてくれたんで、このまま、一つ一つプッシュして、ちょっとずつ行けば、一つずつでも上がっていけるんかなと思いながら、とにかくプッシュ!プッシュ!で行きました。このまま雨よ降るな!と思ってたんですけど(笑)、また雨が降ったんでね、セーフティーカーのままで終わってしまった。ただ、オーポリ、菅生と、いろんな経験はしたと思うんで、次の1000kmに関しては、こういう経験をした中、自信を持っていけるかなと。アストンも鈴鹿とは相性がいいし、ナニンくんも帰ってくるんでね、三人で力を合わせてまたポイント圏内で走れるようなレースができるように、気合入れて頑張りたいと思います。

<安岡選手のコメント>
念願のウェットレースだったんですけど、上手くいきそうなところで上手くいかず、その分を加納さんに取り返してもらったというレース展開になってしまいました。最初インターで出て行って、スピンしないというのがお約束だったはずなのですが、車が浮いてしまってどうしようもなかったし、ウエットタイヤでレースを再開してもなかなかペースが上がんなくて… ほんとに、アタックはしていたのですが、ずっとどうにもならないままでした。タイヤはどんどんズルズルになっていくし、そろそろ入れないのかなあと思ってたら、やっとピットに入れてもらえたような状態でした。個人的には結構悔しいことばかりで、予選もいいアタックをしたつもりだったのに19番だったし、ミスなくやっていかなければならないところでスピンしたり。次の鈴鹿はミスなく攻めていくレースだと思いますので、また、菅生みたいに上の方走れるよう、三人で、加納さんとナニンくんと、頑張りたいと思います。

 応援してくださったみなさまには深く感謝しますとともに、来る8月30日~8月31日に鈴鹿サーキットで開催される次戦鈴鹿ラウンドにおきましても、応援のほど宜しくお願いいたします。

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