PETRONAS SYNTIUM TEAM REPORT

スーパー耐久シリーズ2009
第6戦「OKAYAMA SUPER TAIKYU RACE」
2009年9月6日(1Dayレース)

▲▽▲予選 天候:晴れ 気温25.8℃(午前9時30分)

 前回の戦いからおよそ1ヶ月。今年のスーパー耐久シリーズもいよいよ後半戦へと突入する。これを前に、8月にはマレーシア・セパンインターナショナルサーキットでのMME(メルデカ・ミレニアム・エンデュランスレース)に参戦。1-2フィニッシュを飾り、いい流れのまま第6戦が行われる岡山国際サーキットへと乗り込んだ。インフィールドに大小のコーナーを数多く配置するテクニカルコースとして知られている岡山の一戦は、1dayレース。PETRONAS SYNTIUMチームでは金曜日からサーキット入りし、若手ドライバーを中心にした練習走行を重ねるとともにクルマのセットアップを進めるなど、順調にメニューをこなした。

 予選セッションは午前8時30分にスタート。1、2クラスのAドライバーによる予選では、No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEに谷口信輝、そしてNo.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEには片岡龍也がそれぞれアタックを担当した。先に計測を開始したのは、No.1 谷口。計測3周目でトップに立つと、翌周にはさらにタイムアップして1分35秒446をマーク。サーキットのコースレコードを更新し、文句ナシでトップの座を堅持した。一方のNo.28 片岡は谷口よりもやや遅めにコースインしアタックを開始、まずは1分35秒701のタイムで2番手につけて引き続きアタックに入ったが、タイミング悪くコース上のアクシデントによって赤旗が提示されてしまった。これでベストタイム更新のチャンスを失うことになり、結果3番手となった。

 続いて、午前9時25分からBドライバーの予選がスタート。今度は逆にNo.28 吉田広樹がひと足先にコースイン、アタックを始める。そして計測2周目にベストタイムとなる1分35秒696をマーク、その後も区間タイムを更新してタイムアップを狙ったのだが、別のクルマに引っかかり、惜しくもタイムアップは果たせなかった。また、No.1 柳田真孝はその後およそ5分後にピットイン。じっくりとタイヤに熱を入れてアタックを開始。計測3周目には区間最高タイムを立て続けにマーク、1分35秒289という数字を叩き出して谷口同様、コースレコード更新を果たした。結果、A、B両ドライバーの合算タイムによって、1号車が今シーズン3度目のポールポジションを獲得。28号車が2番手に続き、前回同様、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台がフロントローから1-2フィニッシュを目指し、決勝を迎えることとなった。

 
▲▽▲決勝 天候:晴れ 気温32℃、路面温度40℃(午後1時30分)

 予選終了後からじりじりと気温が上昇し、残暑厳しい1日となった岡山国際サーキット。正午過ぎからのピットウォークが終わるとスタート進行、そして決勝…と、慌しくスケジュールが進んでいった。

 強い日差しが照りつける中、ダミーグリッドを離れたPETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台。ライバルたちとの戦いに加え、暑さも強敵になりそうな気配さえある。その中で1号車の谷口、28号車の片岡がクリアスタートを切り、オープニングラップを1-2体制で終えた。ともにハイペースで周回を重ねるうちに3位との差が着実に開き、さらには谷口は片岡をも14秒近く引き離す走りを見せた。

 先にルーティンワークを行ったのは1号車。谷口からF・ハイルマンへとスイッチする。補給、タイヤ交換はスムーズに進むも、シートベルト着用に手間取り、痛恨のタイムロス。ハイルマンは自分のドライビングポジションを確保することができないまま、周回を強いられた。一方、片岡はその2周後にピットイン。補給、タイヤ交換を済ませ、ドライバーは吉田に。1号車が長くピットインしたことで28号車との差が縮まり、レース中盤は2台のPETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEがときに縦列で走行することとなった。

 順調にレースを牽引するPETRONAS SYNTIUMチームの2台。後半に入ると、3位とはすでに1周の差がついていた。そして迎えた2度目のルーティンワーク。今回も1号車がひと足先にピットイン。1回目同様に補給、タイヤ交換を行い、柳田がコースへ向かった。28号車はその5周後にピットへ戻り、アズミへ交代。当初は補給に加えてタイヤ交換もする予定だったが、無交換のままアズミを送り出した。これにより28号車が1号車を抑えてコースに復帰、チームメイト同士の攻防戦が始まった。

 ユーズドタイヤではあるが、臨戦態勢に入っているアズミ。そしてすでにフレッシュタイヤにしっかりと熱が入り、プッシュ可能となった柳田。ペースで上回る2番手の柳田がテール・トゥ・ノーズへ持ち込み、一気にストレートで逆転! 91周目にトップを奪還すると、そのまま最後までペースを落とすことなく走破。今シーズン4勝目となるチェッカーを受けた。またアズミも初の岡山ながら安定したタイムを刻み続け、2位でフィニッシュ。こうしてPETRONAS SYNTIUMチームが、今シーズン3度目となる1-2フィニッシュを達成した。

◆鈴木哲雄監督
1号車はファリークがシートベルトの装着に時間がかかってしまい、またシートポジションがうまく合わず乗りづらい状態だったようですが、本人にはガマンしながら頑張ってもらいました。その甲斐あってトップをキープすることができました。最後のピットインでは1号車を追いかけるために、28号車のタイヤ交換を行いませんでした。ジョハンは、岡山に入ってから練習走行時にユーズドタイヤで走行していたので落ち着いて走ることができたようです。今回はライバルたちのスピードも速く、また暑いレースになったので、厳しい戦いになるだろうと思っていました。その中で無事に2台ともいい仕事をして、1-2フィニッシュを飾ることができてよかったです。

◆No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
谷口信輝
当初の予定より周回数が若干伸びました。ピットインするまで、ペースはとてもよかったと思います。最後まで(1分)39秒台のペースで行くことができました。とはいえ、全然楽な展開ではなかったです。スタートから自分としてはいつも全周プッシュし続けました。できる限りたくさんの貯金を作って、ファリークに渡したいと思っていましたから。ピット作業でファリークがその貯金を使ってくれたようですが(笑)、その後も落ち着いてレースができて、4勝目をあげることができて良かったです。

柳田真孝
勝てて良かったです! 最後のピットインではタイヤは交換しなくても大丈夫だったようですが、大事を取りました。(No.28)ジョハンをパスしたのはストレートです。残り5周という状況であればバトルになったでしょうが、結果としてラップタイムも僕のほうが明らかに速かったし、すんなり逆転できました。今週末はチームのみんながいい仕事をしてくれました。今日、無事に勝つことができましたが、最終戦まで気を引き締めて戦いに望みたいと思います。

ファリーク・ハイルマン
クルマの中に長さの異なるシートベルトが2本あるのですが、今回誤って短い方につないでしまいました。結果、とてもタイトな状態になってしまい、シートのポジションをずらすことにしたんです。そうしたらアクセル位置が少し遠くなり、ドライブがとても難しいものになりました。視界も下がってしまったのできちんと見ることができなくて、ツラかったですね。でも幸い(1分)39、40秒のタイムで集中して走ることができたのは良かった。大変でしたが、最終的に優勝することができたので、OKですけどね。いい仕事をしてくれたチーム、スタッフに本当に感謝しています。

◆No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
片岡龍也
いいレースでした。最初の僕のスティントで、引っ張るだけ引っ張るという作戦でした。コンディション的には決してラクではなくツラい状態でしたが、予定どおり引っ張って、あとの2人につなぐことができました。今回残念だったのは、予選のアタック中に赤旗が出たこと。あの周にベストラップを出す予定でした。強いていえばあれ以降、週末の流れが悪くなったような気がします。いつもはラッキーボーイなんですが…。体調を崩していたこともあったからでしょうか。でも結果的に1-2フィニッシュすることができて良かったです。

吉田広樹
(差が縮まっていた)ファリークを抜いて帰ってきたかったんですけど、平均的に安定したペースではあったものの、ラップタイムそのものがあまりよくなくて、結果的にうまく周回遅れを処理できず、ファリークを抜くまでにはいたりませんでした。また、これまでのことを踏まえ、今回は絶対大きなミスをしないようにという気持ちで走っていました。なので、次回の課題は平均してタイムを上げることです。これからも、走るたびに見つかる自分の課題をひとつずつうまく処理していきたいと思います。

ジョハン・アズミ
今日はとても大変なレースでした。マー(柳田)が後ろから来たときは、プッシュして頑張りました。抜かれはしましたが、レースそのものはいい戦いができたし、走りも良かったと思います。タイヤ交換せずに行くというのは、ピットインしてから決まりました。最初は交換する予定だったんです。でも、ユーズドタイヤのほうが、ピットアウトのタイムを最小限に食い留めることができるというチームの判断でそうなりました。クルマの状態も良かったし、僕自身もユーズドでいいペースを刻める自信がありました。結果が出せて良かったと思います。

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