2レース大会の富士。
高速バトルでの接戦を戦い抜く。
『とちぎル・ボーセ モータースポーツ』が挑む、国内最高峰カテゴリー、全日本選手権スーパーフォーミュラ第2戦が、富士スピードウェイ(静岡県)を舞台に、5月16~18日に開催された。シャシーをダラーラ製のSF14に、エンジンも2000ccの直噴ターボに改められてから2戦。開幕戦では無念のリタイアを喫し、仕切り直しともなるレースに、躍進の期待が込められた。なお、今回は最終戦以外では久々の2レース制大会。予選は通常どおり行われるが、Q1の結果はそのままレース1の、そしてQ2とQ3の結果でレース2のグリッドが決まることとなっている。
予選
5月17日(土)
天候/晴れ コース状況/ドライ
前回に続き、今回も金曜日に1時間の専有走行が行われた。約30分経過したところで出火した車両があり、15分間の中断はあったものの、セットアップは入念に進められて、1分26秒203をマーク。万全の構えで、フリー走行と予選の行われる土曜日を迎えることとなった。
そのフリー走行では3周もしくは2周連続で周回し、ピットイン・アウトを繰り返して、セットアップを進める。27秒台からのスタートから順調にタイムを詰めて、セッション終了間際には24秒861を記すことに。
続く予選ではQ2進出を狙って、Q1にニュータイヤを2セット投入。最初のアタックでは25秒120で、15番手とボーダーラインにあと一歩。いったんピットに戻ってタイヤを交換、再度アタックをかけると24秒773にまで短縮を果たすも、ライバルもタイムを伸ばしていることもあって、ベストタイムはQ2進出までわずかコンマ2秒の17番手。諦めずチェッカーが振られるまでアタックし続けたものの、すでにタイヤはピークを迎えており、2レースともに9列目、17番グリッドからスタートすることになった。
決勝RACE1
5月18日(日)
天候/晴れ コース状況/ドライ
このレースウィークは常に天候に恵まれ、まさに絶好のレース日和に。今回の特徴は午前中にフリー走行が行われず、いきなりレース1がスタートする。そのため、スタート進行中のウォームアップは8分間をフル活用された。
スタートは、滑り出しも良くポジションキープのまま1コーナーに飛び込むと、立ち上がりで発生した混乱をうまく回避し、3ポジションアップに成功。まずは14番手で1周目を終える。その後は前後に1台ずつ置いて周回を重ねていく。ところが、4周目の最終コーナーでインに飛び込んできた後続車両に押し出されるかたちでオーバーラン。すでに2台が戦列を離れ、ふたつポジションを上げていたが、14番手に順位を戻すことに。
それでも諦めることなく、絶えずポジションアップの機会を狙い、19周目のダンロップコーナーで1台をパス。その後、2台のリタイアがあったことから、11位でのフィニッシュを果たすこととなった。終盤には26秒台でコンスタントに走行し、しっかり25周を走り切ったこともあり、続くレース2にはよりいっそうの期待がかかることとなった。
決勝RACE2
5月18日(日)
天候/晴れ コース状況/ドライ
レース1の終了から、わずか3時間のインターバルを経て、レース2のスタート進行が慌ただしく開始された。ウォームアップでは義務づけられているタイヤ交換に用いる、ニュータイヤの皮むきが行われた。周回数はレース1より、10周多い35周。展開次第ではあるものの、早めのピットストップが予定されていた。
注目のスタートは、クラッチミートを決めて、1コーナーまでに前の車を追い抜き飛び込むも、ここでイン側のラインを選んだことで、ポジションキープとなる。それでも、わずか1周でタイヤ交換を行った車両が1台、レース1のペナルティとしてドライブスルーを行った車両が1台あったことから、ふたつポジションをアップ。そして2周目を終えたところでチームはマシンを呼び寄せる。メカニックの素早いタイヤ交換で同じ周で先にピットインを行った車両より早くコースに戻したこともあり、事実上ひとつポジションを上げたことに。中盤までに全車タイヤ交換を済ますと、順位は13番手にアップ。
その後、3台で12番手を争い合い、その激しさゆえにバトルシーンが映像にしばらく流される。そして、オーバ―テイクシステムを有効に使用し、24周目の1コーナーで、そして、25周目の1コーナーでも1台ずつを切れ味鋭くかわしていく。27周目にはタイヤ交換直後のフレッシュタイヤの1台に抜き返されてしまったものの、もう1台は振り切って13位でゴール。最終ラップには自己ベストとなる、26秒287をマークし、結果以上に内容の濃い展開として締めくくっていた。次回のレースは7月12~13日に、引き続き富士スピードウェイで開催される。2レースをしっかり完走して得られたデータは極めて多く、何より右上がりの内容であったことは最大の収穫。もちろん、ベストリザルトを狙う。
チーム監督 坪松唯夫
大きなトラブルも無く順調に戦えたレースウィークだった。フリー走行の流れからいって、予選はQ2に進出してトップ10に入れる感触があったが2セット目の新品タイヤでのタイムの伸びしろが少なく悔しい予選となってしまった。レース2では単独で走れるよう2周目にタイヤ交換をしたことで、後半がきつくなると予想していたが、接戦の中でも安定したタイムを刻むことができた。次戦まで2ヶ月近いインターバルがあるが、チームもドライバーも更に進化して富士戦に臨む。
Driver 嵯峨宏紀
レース1に関してスタートは、ポジショニングでうまく中団まで行けたのですが、最終コーナーで押し出されてしまいました。その後は諦めずにプッシュして前の車を追い抜くこともできましたし、レース2につながるように攻めていきました。レース2は前のレースを踏まえてクルマを調整してもらったのがうまくいって、早めにピットに入って単独で走り続けたことで良いペースで走ることができ、更に良いパフォーマンスを見せることができました。次回の富士こそ入賞をものにしたいと思います。
