いよいよ8月4日に開幕する全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第5戦ツインリンクもてぎ。シリーズも中盤戦を迎え、覇権争いに注目が集まる一戦となるが、そんなもてぎ戦を控え伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)がオートスポーツweb編集部を訪問。もてぎ戦への意気込みを語った。
今季のフォーミュラ・ニッポンでは、DOCOMO DANDELIONが好調だ。開幕戦鈴鹿では伊沢が自身初のポールポジションを獲得、第3戦オートポリスでは塚越広大(DOCOMO DANDELION)が優勝を飾り、伊沢も2位へ。チーム全体が好調をキープする一方で、伊沢は「前半戦は手応えがあり、いいシーズンを送っていると思う一方で、もう少し詰められるところがあった」と振り返る。本人もいまだに優勝は飾っておらず、“悲願の1勝”が命題だ。
そんな中臨んだ第4戦富士では、伊沢は予選でスピン。決勝でも追い上げをみせながらスピンを喫し、ミスを連発。「あまりにミスを連発してしまった。塚越選手も得点できなかったですし、ランキングを考えてもここでのノーポイントは痛かった」と振り返る。だからこそ、今回の第5戦もてぎは「なんとしても、その分を取り返さないといけない」レースなのだ。
2012年シーズンでもてぎでの開催は2回目。伊沢は第2戦のもてぎで決勝4位と表彰台を獲得することはできなかったが、「乗っている感触としては自分の中では出し切ることができたし、すごく良いレースができたと思う」と語る。
「ただ、あの手応えで4位は正直悔しい。あのレースではトヨタ勢にやられてしまった感じもあった。今回からまたエンジンも変わりますし、そういう意味ではそこでのアップデートも期待しています。この間のもてぎのようなクルマの状態であれば、確実に上位で争うことができるはずです」と伊沢。
中盤戦を迎え、伊沢のランキングは現在トップの中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)から12点差の5位。ポール・トゥ・ウインなら11点を獲得できる現在のフォーミュラ・ニッポンだが、残り3戦という状況を考えると、もう取りこぼしは許されない。
「もちろん、オートポリスでは僕たちがワンツーをとりましたが、あそこはトムスがたまたま失敗しただけで、昨年に引き続きトムスの強さは際立っていると思います。ただ、その差は徐々にではありますが、縮めているという気はしています」と今季のFニッポンの状況を分析する伊沢。
「ただ、やっぱり簡単な敵ではないですし、インパルも次のもてぎでは来ると思います。今年のポイントのとり方を見ると、ライバルはいつもどおりのメンバーになるでしょう」
しかし何より、伊沢にとって大事なのは、もてぎがホンダのホームコースであるというところ。前回のもてぎでトヨタ勢に表彰台を占められることになったが、「今回は絶対にそんなことがないようにしなければいけない」と気合が入る。塚越をはじめ、ホンダドライバーの思いは同じだろう。
前戦富士では小暮卓史(NAKAJIMA RACING)も復調をみせるなど、上位陣の争いはますます激化している。前戦富士での予選では、Q1で上位12台が1秒以内に入るなど、世界トップクラスの熾烈な争いはさらなる混戦模様を迎えそうだ。
そんな今回のもてぎでは、フォーミュラ・ニッポン以外にも注目のレースが多い。2輪のMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦J-GP2・J-GP3も開催され、若武者たちが競う全日本F3も開催される。また、Enjoy Hondaも開催されることもあり、来場者数はかなり多くなりそうだという。伊沢も週末を楽しみにしているようだ。
「ホンダ好きには楽しい週末になると思います。栃木出身もふたり(塚越、山本尚貴)いますからね。でも僕がふたりよりも前でゴールしますけど(笑)」
チケット情報、イベント情報についてはツインリンクもてぎホームページ(http://www.twinring.jp/2and4/)まで!
