スーパーGT第8戦もてぎの決勝レースでGT300クラス優勝を果たしたTOYOTA PRIUS apr GTの嵯峨宏紀と中山雄一が、決勝の戦いを振り返った。
●TOYOTA PRIUS apr GT:GT300クラス優勝
嵯峨宏紀
「すごくうれしいですし、ポール・トゥ・ウインというこれ以上ない結果でしたが、内容としてはいろいろなことがありました。僕たちは、ちょい濡れのスリックタイヤというコンディションをすごく苦手としているのですが、もしスタート前に雨が落ちてこなかったら、おそらくドライタイヤでスタートするという状況になっていたと思います。その場合、おそらく後方のヨコハマ勢、ダンロップ勢に前に出られてしまっていたと思うので、恵みの雨だったと思いますね」
「レインタイヤのペースはブリヂストン勢が優っていたので、プッシュしつつ晴れてくるということも分かっていたのでタイヤもキープしていました。セーフティカーのタイミングが悪く、この周でピットに入るというタイミングでSCが入ってピットクローズになってしまいました。その時点で4位で戻れるとは誰も分かっていなくて、ピットもドライバーもお通夜状態でしたね。後から調べてみると、最初のスティントの段階で4位以下をすべて周回遅れにしていたので、4位で戻ることができました」
「その後は中山選手がストレートスピードに勝るSLSを見事に抜いてくれて、チームとしてもドライバーとしても最高のレースができたのではないかなと思っています」
中山雄一
「開幕戦と最終戦で勝つことができてうれしいです。僕のスティントを前にSCが入ってしまって、今日のレースはいちから振り出しなのかなと開き直っていこうとしていたのですが、コースに戻ってみると『4位にいてトップは8秒前だ』と監督から無線が入りました。そこからはまた落ち着いて走りました」
「ちょい濡れスリックのパフォーマンスはあまりよくないかなと思っていたのですが、そこまでに路面は乾いていたのでトップタイムのペースで追い上げることができ、すぐにCR-ZとSLSを追い越すことができました。その後も危なげなくゴールまでクルマを運ぶことができ、よかったと思っています。ただ、嵯峨選手がピットへ入ってくるタイミングで、(場内実況を担当する)ピエール北川さんの叫び声が聞こえて、それは嫌でしたね(笑)」