今季、インディカー・シリーズフル参戦と同時に、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンにスポット参戦を予定している佐藤琢磨が、鈴鹿サーキット50周年ファン感謝デーで行われたテスト走行と“ラウンド0”に参戦。その感想を語った。
琢磨はこの鈴鹿ファン感謝デーで、もともと往年のF1マシンをデモランする予定になっており、「せっかくだからラウンド0から走りましょうということになった」と今回のレースと合同テストの参加が決定。インディカーのテストの合間を縫って帰国した琢磨は半日でシートを作り、今回の走行にこぎ着けたという。
そんな琢磨にとって、レーシングスピードで鈴鹿を走るのはスーパーアグリF1で走った2006年以来。「こういうスピードをもつクルマに乗るのはひさびさだったので、国内最高のフォーミュラ・ニッポンはすごいポテンシャルを持っていると肌で感じることができた。すごく楽しかったですね」と琢磨は語る。
フォーミュラ・ニッポンFN09シャシーはこの日が琢磨にとって初めての体験だったが、FN09の特徴について、琢磨は「FN09はウイングカーで、車体の下面ですごくダウンフォースが発生するクルマですが、重さという面ではインディカーの方が重い。インディカーはもう少しクラシックというか、ダウンフォースがリニアに上がっていく。ただ、フォーミュラ・ニッポンはダンロップからデグナーにかけて特に感じるんですが、ダウンフォースが段付きで上がっていく印象」と語る。
「ハイスピードとロースピードで全然違う。そのあたりを自分のものにしていくのは、ちょっと時間がかかるかな、と思います。セッティングを変えたらどうクルマが変わるのかもまだ分かっていない」
琢磨はこの日の“ラウンド0”で、2番グリッドという位置からのスタートとなったが、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)やジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)とバトルを展開。「スタンディングスタートもひさびさだったし、ふたりとかなり楽しいバトルができました。お客さんにも楽しんでもらえたと思います」と振り返る。ロッテラーはイギリスF3時代に、オリベイラとはインディジャパンでもバトルを展開した間柄。レース後も笑顔で語り合っていた。
ファンにとっては十分なインパクトとなった今回のラウンド0だったが、琢磨のスポット参戦の正式な予定はまだ決まっていない。「インディカーのスケジュールをみると、シーズン中はちょっと無理があるかなと。6月の可能性も、新たにカレンダーが追加になったことで、5週連続のレースになってしまいましたからね」という。
「最終戦の鈴鹿は確実にカレンダーとして空いているので、ここの参戦は決定していると思います」と琢磨。レース後、フォーミュラ・ニッポンのレベルの高さについてと、「楽しい」というセリフを繰り返した琢磨。ファンにとっても楽しみなスポット参戦に向けて、しっかり期待を高めてくれた。
