関口雄飛 PRESS RELEASE
2014年8月11日
台風11号の接近で荒れたスーパーGT第5戦「FUJI GT 300km RACE」
関口雄飛、脇阪寿一が果敢に攻めるも、赤旗、セーフティカーの連続で、LEXUS TEAM WedsSport BANDOHは11位完走でポイントを逃す。
新時代を迎えた 2014年のスーパーGT第5戦が、8月9~10日、富士スピードウェイで開催されました。今年、関口雄飛はチームを移籍し、新たにトヨタ・レクサス・ドライバーの一員として、ミスターGT の異名を誇る脇阪寿一選手と共に LEXUS TEAMWedsSport BANDOHより引き続き国内最高峰のGT500クラスに参戦しております。
今回のレースは台風11号の接近によってかなり荒れた天候となり、時折激しい豪雨となったり晴れ間が見えたりと、目まぐるしくコンディションが変化する難しいレースとなりました。
土曜日のフリー走行は曇り。気温が28度と予想より低く、関口雄飛は短い時間の中で、タイヤをセーブしつつ異なるセットアップを試し、走りはじめの強いオーバーステアを解消しました。脇阪寿一選手が後半、さらにセットアップを煮詰め、バランス的にはまずまずのセットアップを見出すことができました。
午後の予選では、関口雄飛がアタッカーを務めました。予選開始前に、一瞬、雨がサーキットを濡らしましたが、タイヤはスリックをチョイス。各車ともに路面コンディションが良くなるギリギリまでウェイティングし、残り8分で続々とコースイン。しかし、ピットに戻ろうとしたマシンがストップしてしまい、赤旗中断。14時29分から10分間で再開となりました。
関口雄飛は残り3分、2度目のアタックで自己ベストを更新し、そのまま 3度目のアタックに突入して更にタイムを縮めたものの 0秒 01差で予選 9番手。残念ながらQ2進出はなりませんでした。
翌、日曜日は台風11号の影響は予想されていたものの、レースは予定通り開催となり、通常よりは少な目ではありましたが、2万6000人以上の観客が早朝より詰めかけてくれました。
朝のフリー走行は雨。関口雄飛と脇阪寿一選手は交互にステアリングを握り、異なるコンパウンドのレインタイヤをチェック。激しい雨の中では確実にライバルたちにアドバンテージはあるものの、雨量が少ないコンディションでは厳しい状況になることが確認できました。
決勝レースのスタートドライバーは関口雄飛。しかし気まぐれな天候がLEXUS TEAM WedsSport BANDOHには不利に働きました。安全のためにセーフティーカー・スタートとなった結果、路面は次第に乾きつつあったのです。最も厳しいコースコンディションのなか、ミスない走りでコンスタントにラップを重ねた関口雄飛は、じっとチャンスを待ちました。そのチャンスは10周を過ぎたあたりでやってきました。雨が突然強く降り出したのです。しかし、その雨に足をすくわれた GT300クラスのマシンが次々とスピン、コースアウト。一気に追い上げようとした関口の意に反してセーフティーカーが出動してしまったのです。
雨はその後も激しく降ったり、弱まったりという状況で、主催者側は安全のため一時、赤旗中断。関口雄飛はマシンを降りて、レース再開までの短い時間にタイヤ・エンジニアや監督と後半の戦略を確認しました。
午後4時15分、レース再開。当然ですが先ほど赤旗が出された時より路面の状態は良くなっており、関口雄飛は再び苦戦を強いられます。しかも赤旗中断時に雨の影響か、電気系統にトラブルを抱え、エンジンが吹けないという事態も発生していました。
それでもなんとか周回を重ねるLEXUS TEAM WedsSport BANDOHは、ピットインをギリギリまで引っ張り、スリックタイヤで後半戦を戦う戦略を考え、関口をコース上にできる限りステイアウトさせました。関口は次第にポジションアップ。14番手から3番手まで浮上した段階で脇阪寿一選手と交代しました。ただし、そのイン・ラップの最終セクターで関口は雨を確認し、無線で監督にレインタイヤを要求したのです。
荒れたレースのドラマはまだまだ続き、再び14番手から追い上げを開始した脇阪選手が、レース終盤に降り出した強い雨でペースを上げ始めたところ、ラスト8周で再びセーフティーカーが導入。スリックでポジションを上げ始めていたマシンがピットに戻ってタイヤ交換を強いられる中、ポジションをアップしていきます。しかし安全を重視した主催者は最後までセーフティーカーをピットにいれることはせず、そのままの順位でチェッカー、レース終了となりました。最終結果は11位完走。ポイント圏内まであと一歩という結果でした。
レース後、板東正敏監督は、「予選が終わった後、雨を想定して色々な作戦を考えました。ウェットではGT300クラスのマシンとのタイム差が少なくなるのでタイヤ交換なしの戦略も考えましたし、実際、関口が無線でセクター3での雨の情報を伝えてくれなかったらあのタイミングではスリックにするつもりでした。結果的にはウェットで正解でしたね。ただ原因はわかりませんが、雨のせいか、エンジン不調となってしまったのが痛かったです」と語りました。
脇阪寿一選手はレース後、「厳しいレースでした。エンジンが途中吹けなくて辛かったのもありますし、雨が強くなって、よしいくぞ! という時にセーフティーカーが出てしまった。安全を考えると仕方ないですが最後は勝負したかったですね。次の鈴鹿に向けてできることは何でもやります」と語りました
●関口雄飛のコメント
「今回の週末は前回の菅生と同様に荒れた天候でしたが、予選、決勝を通じてチームとして作戦はベストなタイミングで、やれることはミスなくやりきったと思っています。自分自身も、出せる力は出し切って、きっちり仕事ができたと思います。ただ全体的に、ライバルに対して少しスピードが足りなかったのは事実です。スタートから次第に路面が乾いていったのが辛かったですね。雨が激しくなって自分たちに有利になったらセーフティーカーが出てしまい、赤旗で中断されたのはタイミングが悪かったです。最後にセーフティーカーのままフィニッシュとなったのはレースですから安全のためには仕方ない判断だと思いますが、本当にポイント圏内でフィニッシュしたかったです」
