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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2021.04.26 18:48
更新日: 2021.04.26 18:57

勝田貴元、WRC初開催のクロアチアで2度のステージウイン「走るごとに余裕を持てた」

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ラリー/WRC | 勝田貴元、WRC初開催のクロアチアで2度のステージウイン「走るごとに余裕を持てた」

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し、2021年シーズンのWRC世界ラリー選手権全戦にトヨタ・ヤリスWRCで参戦している勝田貴元は、4月22日から25日にかけて行われた第3戦『クロアチア・ラリー』を自己最高位タイの総合6位でフィニッシュした。開幕戦から3戦連続でポイントを獲得した勝田はドライバー選手権7位につけている。

 東欧クロアチアの首都ザグレブを中心に開催されたクロアチア・ラリーは、今季初のフルターマック(舗装路)ラリー。勝田にとってターマックラリーは、初めてヤリスWRCをドライブした2019年8月のドイツラウンド以来の挑戦となった。

 なお、今イベントはWRC初開催のイベントとあって、勝田のライバルとなる最高峰クラスを戦うドライバーの誰もが未経験のラリーだ。そんなクロアチア・ラリーでは、ステージ内でも舗装状態が大きく変化し、スムーズな路面もあれば、荒れて崩れかけているところも点在。また、先行車がコーナーの路肩部分を走る“インカット”を行うことによって、出走順が後方の選手は泥や砂利が多く散らばった非常に滑りやすい路面を走行することになった。

 そのような状況下で金曜の競技初日を迎えた勝田/ダニエル・バリット組は、今季から供給されているピレリタイヤのターマック用タイヤの経験が充分でなかったことや、SS4でのオーバーシュート、SS6ではスピンを喫するなどのミスが重なり、約1分タイムを失いデイ1を総合9位で終えた。

場所によっては多くの砂利が路面に広がっていた
場所によっては多くの砂利が路面に広がっていた

 しかし翌日、勝田の走りは劇的に改善する。その裏には彼のドライビングコーチであり、選手が走る前にステージを走行して路面の情報を伝える“グラベルクルー(=ルートノートクルー)”を務めるユホ・ハンニネンと、そのコドライバーであるクレイグ・パリーの的確なアドバイスがあり、ドライビングとペースノートを改善したのだ。

 これによりペースアップに成功した勝田はロングステージのSS10で、昨シーズン最終戦モンツァの最終パワーステージ以来、自身2度目となるベストタイムを記録。さらにその再走ステージとなるSS14でもふたたびステージウインを飾り、世界トップクラスのラリードライバーたちに引けを取らないスピードを証明してみせた。

 同時にポジションも上げていった勝田は、ラリー最終日は安定してステージ5番手前後のタイムを刻み総合6番手に浮上。開幕戦モンテカルロ、第2戦アークティック・ラリー・フィランドに続き3戦連続で自己最高位タイのリザルトを残している。

土曜日のSS10/SS14でベストタイムを刻んだ勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第3戦クロアチア
土曜日のSS10/SS14でベストタイムを刻んだ勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第3戦クロアチア

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