「今回のタカ(勝田貴元)の戦いにはとても満足している」と語るのは、勝田のインストラクターを務めるハンニネンだ。
「ラリー前に新しいタイヤを履いて、ドライコンディションのターマックを走った経験があまりなかったこともあり、それがステージのタイムにも現れていた」
「路面のグリップが少し低いところではまだ少し躊躇し、あまり自信が持てないようだ。しかし、土曜日に路面のグリップが良くなると同じステージで2回ベストタイムを記録した。2回目の走行では路面に砂利が多く出ていたので、さらに難しかったと思う」
「次のターマックイベントとなるベルギーのイープル・ラリーは路面のグリップが低いステージが多く、コーナーのインカットによって路面にグラベルが多く出ると思うので、今回のクロアチアでの経験がイープルで活かされるはずだ」
ラリーを振り返った勝田は「いくつかのステージは良いタイムで走ることができましたが、それ以外のステージのパフォーマンスにはあまり満足できませんでした」とコメント。
「全体を通じてアップ&ダウンが激しかったのは事実ですが、それも、より良いドライバーになるための学習の一部だと考えています」
土曜日のSS10とSS14の2度、ステージベストタイムを記録したことについては「とても良かったと思う」と述べた勝田。
「とくに再走ステージでのベストタイムは、他のドライバーと同じような路面コンディションで出したタイムなので、なおさらです」
「(デイ2は)初日の金曜日と比べれば大きく進歩したと思いますが、それは経験を積んだからです。今回のラリーよりも前に、あのような道を走ったことがあまりなかったので、何が起きるかも分からず、(序盤は)自信を持つことができませんでした」
「しかし、ステージを重ねるごとに多くを学び、それが自信につながり余裕を持って走れるようになりました。とても良い週末になりましたし、グラベルクルーを務めてくれたユホとクレイグ、そしてチームのみんなに感謝します」
3戦連続でポイントを獲得しドライバー選手権で7位につける勝田が挑む次戦第4戦は、5月20~23日に開催される『ラリー・ポルトガル』だ。ポルトガル北部で行われるこのイベントは今季最初に行われるグラベル(未舗装路)ラリーで、勝田は過去3度出場している。だが、いずれも下位クラスでのエントリーとなっており、ヤリスWRCでの参戦は初めてのチャレンジとなる。