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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.04.23 21:30
更新日: 2023.05.11 22:08

トヨタ連勝、エルフィン・エバンスが2021年以来の勝利。勝田貴元は6位/WRCクロアチア

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ラリー/WRC | トヨタ連勝、エルフィン・エバンスが2021年以来の勝利。勝田貴元は6位/WRCクロアチア

 4月23日、WRC世界ラリー選手権2023年シーズン第4戦『クロアチア・ラリー』の競技最終日、デイ3のSS17~20がクロアチアの首都ザグレブを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が約1年半ぶりとなる優勝を飾った。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合6位でフィニッシュし、ドライバー選手権ポイントを獲得している。

 ヒョンデのワークスドライバーとしてWRCに参戦し、今年2月に行われた第2戦スウェーデンでは2位表彰台を獲得したクレイグ・ブリーン。今季第4戦クロアチア・ラリーは、彼の悲運な事故死から1週間後の20日(木)に開幕した。今大会では競技前に関係者が集い、夢半ばで天国に旅立った33歳のアイルランド人を偲ぶセレモニーが行われたほか、参戦車両各車にブリーンの追悼バナーが追加されるなど、大会全体を通してラリーを愛した仲間に哀悼が捧げられた。

 そんなクロアチア・ラリーは、競技初日となった21日(金)のSS2で優勝候補2名が脱落するという波乱が起きた。2021年大会の勝者で選手権リーダーであるセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)と、昨年のウイナーであるカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、ともにホイールにダメージを負って大きくタイムを失ったのだ。ふたりのワールドチャンピオンが順位を落とすなかトップに立ったのは、“アイリッシュ・カラー”の特別リバリーが施されたヒョンデi20 Nラリー1を駆るティエリー・ヌービルだ。

 オジエに次ぐドライバーズランキング2位で第4戦を迎えたベルギー人は、総合首位浮上後も安定したスピードでポジションを堅持。総合2番手につけるエバンスを5.7秒リードして初日のラリーを終えた。22日(土)のデイ2ではオープニングのSS9からライバルとの差を拡げにかかっていたヌービルだったが、新ステージのSS11でまさかのクラッシュを喫しデイリタイアに。これによってエバンスが新しいラリーリーダーとなる。

 2022年のハイブリッド規定導入後まだ勝利のないエバンスは同日午後、後続のオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)に一時リードを約半分に削られるが、Mスポーツのマシンにハンドブレーキのトラブルが発生したこともあり、ふたたびギャップを拡げた。

 その差25.4秒で迎えた最終日のデイ3は、オープニングのSS17を3番手タイムで通過し2番手タナクとのギャップを30.5秒とすると、SS18とSS19はやや抑えた走りに移行した。28秒の大量リードを持って臨んだ運命の最終SS20はステージ7番手タイムでフィニッシュ。これにより2021年にはオジエとの優勝を争い0.6秒差で敗れ涙をのんだ、ある種“思い出のステージ”で同年10月のラリー・フィンランド以来、567日(1年6カ月と20日)ぶりとなる勝利を掴み取った。

 この優勝によりエバンスは僚友オジエと並んでドライバーズランキング首位に立ち、彼らと1ポイント差の68ポイントでランキング3位につけるロバンペラとともに、トヨタ勢の選手権ワン・ツー・スリーを形成している。

オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第4戦クロアチア・ラリー
オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第4戦クロアチア・ラリー
暫定表彰式ではラリー1クラスの全ドライバーとコドライバーが壇上に上がり、4月13日に亡くなったクレイグ・ブリーンに黙祷を捧げた。 2023年WRC第4戦クロアチア・ラリー
暫定表彰式ではラリー1クラスの全ドライバーとコドライバーが壇上に上がり、4月13日に亡くなったクレイグ・ブリーンに黙祷を捧げた。 2023年WRC第4戦クロアチア・ラリー

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