チップ・ガナッシ・レーシングが運営するキャデラック・レーシングは、アレックス・リンがハイパーポールで3番手を獲得したのち50号車フェラーリの失格により2番手に繰り上がったことでWECでの予選ベストリザルトを更新した。リンは「チームを誇りに思う」とコメント。「イモラ以来、僕たちは懸命に働いてきた。それを正しく結果に結びつけることができてよかった」
アルピーヌにとって初めてのハイパーポールはエンジンの問題によって中断された。シャルル・ミレッシはセッションの終盤、35号車アルピーヌA424をラディオンで停めた。イモラに続きフェルディナンド・ハプスブルクの代役としてジュール・グーノンが加わっている同車は、最終的に7番手から決勝レースをスタートする。
アルピーヌのチーム代表であるフィリップ・シノーは、オイルポンプの交換かエンジンの全交換が必要になると指摘し、大幅な修理を余儀なくされる可能性を示唆した。このフランス人はマシンがパルクフェルメから解放された後、さらなる分析が必要になるだろうと語った。
ル・マン24時間レースで2度の優勝経験を持つティモ・ベルンハルトは、今週末のスパWECラウンドからポルシェのLMDhチームとドライバー育成の役割を担うことになった。ベルンハルトの仕事にはドライバーとエンジニアの双方向コミュニケーションとミーティング風景の整理が含まれる。彼は残りのシーズンもWECの全レースに帯同し、ポルシェのIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの運営にもリモートで参加する予定だ。
■ル・マンでの歴史的優勝から約1年、あれから未勝利
フェラーリのパフォーマンス&レギュレーション・マネージャーであるマウロ・バルビエリは、ル・マン24時間以外のWECレースでの初勝利を切望していることを強調し、「昨年の後半からスプリントレースで勝利を逃しており、我々のハングリー精神はますます大きくなっている」と述べた。「我々はル・マンまでに勝利を達成するためにプッシュし続けている」
メルセデスAMGのファクトリードライバーとして6年間在籍した後、シュトゥットガルトからBMWに移籍したラファエル・マルチェッロは、メルセデスAMGカスタマーレーシングのボス、ステファン・ウェンドルと今でも連絡を取り合っているという。「彼は私の上司だったが友人でもある」とマルチェッロ。「今でも連絡を取り合っているよ。彼はいつもハイパーカーやWECはどうかと聞いてくる。彼はモータースポーツに情熱を注いでいるんだ」
マルチェッロはまた、メルセデスAMG GT3エボをELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦させようとするウェンドルの取り組みを支持していると付け加えた。「僕は最高の相手と戦うのが好きなんだ。だから、彼らがいつの日かそこにいることを願っている。ルカ(・シュトルツ)やマーロ(・エンゲル)、ジュール(・グーノン)のためにも。彼らは今はハイパーカーにいるけどね。AMGのドライバーはWECにいる価値がある」
* * * * * * *
2024年シーズンの第3戦、ル・マン前最後のレースとなるWECスパ6時間の決勝は5月11日・土曜の13時(日本時間20時)にスタートが切られる予定だ。気になる決勝日の天気予報は、晴れのち曇り。気温は20℃前後となる見込みで、昼頃から雲が広がるものの雨の心配はなさそうだ。